9 / 50
9話 先生のヒミツ
しおりを挟む今から3年前、両親から罵詈雑言を浴びせられていた。
『お前なんか産まれてこなければ――』
私は保護されてラータテという宇宙船で暮らすことに。
スタリバー星人の先生は地球人との交流になれてないと。
自己紹介が始まった
「☆俺はヒコ・キララ、ヒコ先生って呼んでくれ☆」
「私は……秋田カナです」
「僕はその、弱虫ヨネです」
「アタイは昆布ダシ」
キラキラネームだな二人とも。
弱虫の苗字はともかく苗字が昆布で名前にダシはどうなんだろう。
ヨネさんは古めな名前だけどおばあさんでヨネさんたまにいる。
「☆先生は今から嘘をつく☆」
「え、何で?」
「★チョコレートはすっぱい食べ物★」
「星が濁った?」
先生は本心ではない嘘をつくと口から出る星が濁ってしまうらしい。
「地球人だって言ってもなりますか?」
「★俺は地球人だ★」
「……スタリバー星人って不便ですね」
「☆そうでもないさ、信用できるだろ?☆」
こうして生徒三名に先生一人の宇宙船生活が始まった。
部屋はベッドと机にパソコン、個人用のトイレ。
自殺予防用に全体的に硬い物がなく壁紙もふわふわしていた。
「☆先生はお前たちの味方だから☆」
私は産まれて初めて出会った宇宙人に興味津々。
文化も違う、見た目も違う、血だってピンク色だ。
紙で切ったらしい。
「☆心配すんな、これぐらいすぐ治る☆」
「血ですか?」
「☆そう、俺の血はピンク色だ☆」
「……先生、宇宙人について詳しいですか?」
「☆俺は元々軍人学校に通ってたし、有名どころは詳しいと言えるだろうな☆」
こうして先生に宇宙人の特徴をいっぱい強請った。
そして地球人の感想をブログに書いて更新していく。
大ヒットして私は生活費を稼げるようになった。
「私、この学校に進学したいんです!!」
「☆これ宇宙人用の地球人を学ぶための学校じゃないか?☆」
「だからこそ、行ってみたいんです――宇宙人は地球人の何を学ぶのか」
ビー!! ビー!! 鳴り響くアラーム。
唐突に宇宙船、いや海賊船がこの保護船ラータテを襲った。
逃亡中の海賊が地球人を奴隷にするため、襲ってきたのだとあとから知った。
「☆お前ら目を閉じろ!!☆」
私たちは咄嗟に目を閉じ、そして開けた時には海賊はいなかったのだ。
ヒコ先生は銃を握っていた。
これは軍のものであって、バレたら先生は危ないのだと――
「アタシ絶対に言わないから、あんたらも!!」
「ぼ、僕も言わないよっ!!」
「ヒコ先生にはまだ地球にいてほしいです!!」
3年間、先生は私たちを育ててくれた。
食事のしかた、文字、世界のことを学ばせてくれた。
他の人たちとの付き合いかた、もー親代わりなんて生易しいぐらい。
「☆新しい学校に行ったら、一度この船が停泊している乗り場にこい☆」
「それは……」
「☆俺たちは船にいるから、何時でもかえっておいで☆」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる