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7話 親友
しおりを挟む「ヒコ先生!!」
「☆カナちゃん、学校どうだった?☆」
「すっごく楽しかったですよ!!」
どこからどう見ても、軍人学校時代の同級生。
いやそっくりさんという可能性もあるには――ないな。
というか俺はコイツを死んでるとばかり思っていた。
「☆楽しいならいいが……☆」
「けど?」
「キララじゃん!?」
「☆やっぱりスタシスなのか!?☆」
親友が生きてるヨッシャーって場面ではあるんだよ。
何で地球にこいつがいるのかとか、色々と謎も多いし。
軍からこいつは姿を消して音信不通、敵だとすれば厄介だぞ……。
「なんだよ連絡ねぇから俺はてっきり死んだと思って――!!」
「☆……だろうな☆」
「お知合いですか?」
「日本語でいうと親友かセフレ」
何度も背中を任せてきた相手だし軍人学校時代は【三人】で一緒だった。
俺はてっきり、一人残されたと思ってた。
こんな地球なんて辺境の星で会えるかよ普通、つか生きてるなら連絡しろや。
「☆俺が昔、地球人でいうPTSDで軍やめそうになったときに治療してくれたのがコイツなんだよ☆」
「宇宙規模だと治療用の交尾する時あるんだよ」
カナちゃんは納得したようだ、あくまで治療だったしなあの時は。
これでカナちゃんが腐女子って奴で俺とコイツがくっつけば幸せならどれほど楽か。
任務の難易度は想定よりずっと高いぞこれ。
「☆……お前が出てきたってことは、地球どころじゃないんだろ?☆」
「この星にゴド星人がきてるんだよねぇ」
「☆ゴド!?☆」
嘘はいってねぇからな、ゴド星人が実際きている。
キララについても気になる点がある。
杖をついて歩いている、足を撃たれたらしい。
軍人でもないコイツが?
「で、足は何で治療してねぇの?」
「☆俺は軍人をやめてっから保険効かねぇし☆」
「俺ちゃんが出してやるから治せって」
「☆おまえ今、それどころじゃないだろ?☆」
「親友を放置できるかっての」
それどころ、なんだわ。
カナちゃんが慕っているお前を雑に扱った瞬間にこの世界THE・ENDだぞ。
かと言って今は本人に告げるわけにもいかねぇな。
「なら私はもう大丈夫なので、ヒコ先生の治療してもらえませんか?」
「病院いくぞー」
「☆……カナはもう遅いから帰りなさい、ちゃんとバリア装置作動するんだぞ☆」
「はい、先生もしっかり治してくださいね」
というわけで病院の中でまずは一安心。
心臓の音が五月蠅い、世界が危なかったのもある。
でも死んだハズの親友が生きてて、俺はどうすべき?
「☆スタシス?☆」
「……何で連絡くれなかったんだよ」
「☆……俺は犯罪者、お前軍人、他にあるか?☆」
「犯罪?」
「☆おまえ、俺のこと追ってきたんじゃ?☆」
「偶然だわ」
「☆ネルビットから聞いてねぇの?☆」
ノアリー星人:ネルビットは同級生の女の子だった。
触角があるせいで皆からは嫌われていたけど、俺ら3人は一緒だった。
世界の崩壊だって三人で百はとめたが最後に彼女は――
「ネルビットは死んじまったよ」
「☆は!?☆」
「……子供を託された」
「☆あいつらの生殖方法、卵を他の生物に植え付けるだろ!?☆」
惑星から逃れる時にもう助からない傷を抱えさせてしまった。
彼女たちは怪我したらもう治せない、ノアリー星人の医者なんか世の中にいない。
奴隷なんかよりずっと酷い虫けらとして扱われるから。
「そう、だから託されたの、無事に二人は産まれた」
「☆……ネルビット、は☆」
「大怪我で助けられなかった、それだけじゃない……子供たちが上層部に人質にされてるのよ」
「☆そんな!!☆」
「お前なんで軍をやめた?」
この返答次第では敵だ。
せっかく生きていたんだ。
世界を滅ぼすためとかやめてくれよ。
「★俺はもう、おまえの敵だよ★」
スタリバー星人は話すたびに口から星マーク、キラキラしたものがでる。
そして嘘をつく時だけ濁るという特徴がある。
敵だって嘘ついたってことは本人も自覚してねぇんだな。
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