宇宙人との規格外恋愛をした~愛されてるのは彼だけです~

宝者来価

文字の大きさ
上 下
5 / 50

5話 放課後

しおりを挟む

 任務で地球にやってきた軍人の俺、クロノ・スタシスちゃんです。

「ゴド星人が出てくることあるか?」
「……ゴド様はあの子をご所望なのよ」
「何するつもり?」
「見せてあげましょうか?」

 そこで見たのは最悪の結末、地球人:秋田カナを動力源とした新たな世界の想像。
 既存の世界を全て消し去りゴドの思うがままの世界にする。
 ゴドは確かにこの宇宙では最強最悪ではあっても何でもできたりはしない。
 
 けど何でもできないのはエネルギー不足が原因――なら彼女だ。

「なるほどね、彼女が永遠に不幸な状態であれば叶うわけか」
「そうよ」
「……何でこんなの見せた?」
「ゴド様がやれと言った、それ以上の理由なんかゴド星人に必要無いの」

 昼休みも仲良くなろうとしたのを阻止された。
 俺ちゃんが阻止されるなら他の子が幸せにしてあげられればいい。
 でも、これは――かなりまずい。

 過去に戻るって手段は相手がゴド星人だと打ち消される。

 ただ地球のこと、日本人のことはよーく頭に叩き込んできた。

「俺ちゃん明日からお弁当にしよっかな」
「食べられるのですか?」
「放課後あいてる? 食材売ってるお店とか案内してほしいな」

 地球の心理学、助けてもらった時より助けた相手に好感を持つ。

「えっと、放課後は用事が」
「そっかぁ残念」
「習いごとかしらぁ? ピアノとか水泳とか?」
「少し前までお世話になっていた恩師の先生に、学校生活の報告を」

 大チャンスかもしれない。
 恩師ってことは懐いている。
 その懐いている相手に俺ちゃん取り入る、で信用を得る。

「悪いけど、その地球人ちゃんに会わせてくんない?」
「え」
「きっと悪いことしてないでしょその人」
「それは、えーと」

 悪いことしている時の反応じゃんこれ。
 でも世界崩壊にくらべれば可愛いんだろうな。
 指名手配犯とか出てくる可能性ある?

「ちょっとーせっかく二人きりの再会を邪魔しようとするなんて最悪じゃなーい?」
「……そうね、でも仕事なもんで」
「さすがに軍人さんの仕事を邪魔したらいけませんし、会うだけなら」

 こうして放課後に二人きりになることまで成功。
 タクシーを呼んで俺ちゃんのおごり。
 任務だから気にしなくていいよ、と優しめにいう。

「宇宙船ラータテの乗り場までお願いします」
「ラータテ?」
「え、知らないのでしょうか?」
「また宇宙船でどっか向かうの?」

 違う惑星にいるのだろうか、それにしたって時間がかかる気もする。
 となれば別、たとえばパイロットに会いたいとか。
 ただの待ち合わせ指定場所が乗り場ってだけ、これもあるな。

「ラータテは保護船です」
「あ!!」

 そうか地球管轄の【区域】だから知らないのか。
 保護船ってことは地球人を保護しているハズ。
 病気とか虐待とかどっちもありえるけど、病気なら大騒ぎだよな。

「あ?」
「……いや、保護船かぁと思って」

 世界が崩壊を起こした、ので緊急の『時間を巻き戻す』を実行。
 いくらゴド星人でも世界崩壊を打ち消そうとはしないらしい。

「ラータテは保護船です」
「あぁ保護船ね、世話してくれてた親がわりの地球人?」
「ちきゅう、じん?」
「違うの?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける

朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。 お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン 絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。 「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」 「えっ!? ええぇぇえええ!!!」 この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...