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119話 籠の開いた鳥たち

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全ての事を握るのがメルドの世界でダブは


「ウガマが消え、ました」


ヒーローたちは驚いていた
信じて萌えらえないレベル
本当の事を言っている為ほかに説明のしようがない
リーダーが酉であり神を相手にしている意味を深く知るものであるのは救いだ


「出てこなくなった?」
「ここから先で奴がからんでくる事はない……が」

リードの無くなった犬のような状態の悪神たち
自分もエビルエナジーを出す事すらかなり恐ろしい
何が起きるか分からないのだ


「けれど『神』の力は残っていると?」
「ウガマのポジションだった場所にメルドが入った、とでもいいますかね」
「あいつ何を―――」

伊能さんが言葉を出す前にメルドは現れた。

「おねえちゃん」
「……そこ座ってなさい」

大人しくいうことを聞くメルドは幼い姿をしていた
というよりも昔々で始まりそうな昔の子供
ウガマも最低で最悪ではあったが決して今まで世界がなくなった事はなく

たった一人の男が世界に飽きてしまえば終わるのだ

「メルドはなにがしたい?」
「 り ん 」
「りん?」

伊能だけが目を見開いて驚いて

「何か知ってるんですか?」
「アタシの妹」
「……いるとは何となく聞いてはいたが」

古い時代の映像がプロジェクターで写される

――――――――――――――――――――――――――

「悪神だっていうけどただの寂しがりじゃん!」
「犯すよ?」
「いいのいいの恋人同士なんだから」
「……ヒーローを殺せば目が覚める?」
「いいじゃないヒーローが悪役と結ばれるエンディング」

場面が変わった


「ドラゴンちゃんアタシの旦那紹介するね」
「……先輩、自分は目がおかしいかもしれません」
「合ってるよ」
「こいつなにしたか分かってるんですか!?」
「悪神を救わない限り未来は無いよ?」
「救うって?」
「結婚式にはドラゴンちゃんも出てくれる?」
「操られて―――ないでしょうね猫ヒーローさんですもんね」


結婚したシーンは古株たちが参加している
若き日の羊にあのイノシシくそったれすら
当時はまだ洋式の結婚式は珍しい為か和式


「アンタが嫁をとるとは思わなかったわ」
「……ごめん?」

レーネ?

「愛してくれる家族なんて羨ましいったら―――幸せに、なれるといいわね」
「レーネさん僕ととかどう?」

若いころの酉さん年かわってなくない?


「考えてあげてもいいわ」
「え、ほんと?」
「周作の奴が幸せになれたら、ね」


しかし消えてゆく『りん』の姿


メルドがどんなに指を鳴らしても手を叩いても


「返せ……どうして……また」

皆が不思議がっていた事がある
メルドは人を改造するが人が作れない
出来るのはコピーまで



『本当のヒーローはどこまで世界を救えるのでしょうね?』

――――――――――――――――――――――

映像は途切れて


「おねえ、ちゃ」
「アンタを愛してくれる人はまだいるわ」
「みんな」

籠の悪神たちが一斉に集まった


「ほら家に帰るよ長男坊」
「帰って悪さするっす」
「メルドどうしたの?」


こちらを見るメルド

「ん?」
「これ頂戴」
「ちゃんと面倒みるのよ」
「伊能さん!?」
「一匹で飼うと人は寂しくて死んじゃうから気を付けなさい」
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