大悪神 ヒーローが悪落ちする話

宝者来価

文字の大きさ
上 下
119 / 123

116話 シゲルのヒーロー3

しおりを挟む
骨になった人々を見つめるラギ


「アンタ手を出しちゃいけないところに出した訳だけど」
「不死身同志で不毛な戦いだとしてもつきあうよ、僕」
「……って一人だけ残ったわね」


こちらに視線が来た

「私はまだいいので」
「そう?」
「あと解放されるより映画でも見にいきたいですね」
「行けばいいじゃない休日だし」
「じゃあ休日あと2か月ぐらいと給料1000マンぐらい下さい」
「給料ね……人から巻き上げたもので良ければあるけど」
「自分はヒーローではないので普通に欲しいです」

お金をくれたレーネさん

「小遣いあげるみたいな感じがするわ」
「私もです」
「好きに遊んでらっしゃい」
「それはいいのですが……この浄化って籠の方々には効かないのですか?」
「効かなくはないけど威力が足りない」

威力?


「威力を上げる方法はあります?」
「あるよ」
「どんな事をするんです?」
「僕にも増幅方法はよく分からなくて」
「え?」
「でも年配の……それこそダブさんが使う同じ浄化技の方が遙かに威力が高くて」
「へぇ?」
「『昔はこんなに威力が無かった』そうでして今研究してます」

ならいつか『レーネ』様もこのレイプから逃れる事が出来るんだろうか?


「ラギさん」
「ええと、何ですか?」
「DVDを借りに行きたいのと籠の中で一部屋借りたいのと……あーそうだDVDが見れる再生機器も」
「う、うん?」
「付き合って貰いますよ、買い物」
「わっかった?」
「じゃあ行って来ますね」


――――――――――――――――――――――――――――――――――


数日後




「戻りました」
「……お帰り」

ベッドで寝るレーネ様

「具合でも悪いんですか?」
「疲れただけよ」
「それを具合が悪いと言うんですよ、お茶入れます?」
「……うん」

一杯だけの緑茶を入れた

「どうぞ」
「アンタはDVD見たらラギに送ってもらうのかしら?」
「私はまだまだ生きます」
「へぇ」
「酷い目に遭うんでしょーね沢山」
「……今のうちに逝ったほうがいいわよ?」
「自分で選んだことですから」
「バカな子ねぇ」
「レーネ様は死にたいんですか」
「ええ」
「少し残念です」
「あらそう?でも自由っていいわよ」
「かもしれませんね」
「アンタもイきなさいよ」
「嫌ですけど」

普通に断った

「後悔するわよ」
「しませんよ、私はあなたのヒーローになりたいので」
「……育て方が悪かったのかしら」
「人は自由です、これは私の意志ですよ」
「自由ね」


どんなに敵わなくとも願う事は出来る

「ゆっくり余生を一緒に生きましょうよ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...