大悪神 ヒーローが悪落ちする話

宝者来価

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第92話 犠牲者何名

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「……」
「いらっしゃい、ラギ君」
「あっ」
「ど、どうしたの!?」

様子がおかしいので慌ててタカヒロがかけよる
するとラギは泣き出したのだ


「保護者さんに叱られたとか!?ご飯ない!?い、いっぱいあるよ!?」
「……メルドさん」
「誰!?」
「僕はっ大好きなのに、何もっ」


ぐすぐすと泣くラギの頭をそっと叩いた

「相棒、辛いときは二人で乗り越えようぜ」
「……タカヒロ君も本当は辛い?」
「ラギの傍にいてやれねぇのが一番きついかな」
「僕のせいで先輩がッ!!」

メルドの隣で聞く訳にもいかないか


「俺ちょっと話きいてくるよ、兄ちゃんは留守番頼む」
「……嫌だ」
「え」
「かえって、くるって約束……したのに」

嫌な予感は的中して顔に宇宙空間が広がっているメルド

「ああもう!!じゃあ一緒に来いよもう!!」
「……うん」
「ラギ」
「何?」
「お前エビルエナジーでコレのことはこべねぇ?」
「……」
「出来ないならおんぶするしかないか……目とじて寝ててくれよ『兄ちゃん』」


ゆっくり目を閉じるメルド

「よっこいしょ」
「……先輩が」
「先輩ってヒーローの?悪神の?」
「ダブさん」
「大怪我でもしたのか!?」
「怪我じゃない」


籠に連れてこられるとダブはただベッドに腰かけていた


「……ようレッドハート」
「何だ無事じゃないか」
「ふー……♡」

いや違う、エビルエナジーの気配が随分酷い部屋だ


「僕のせいでッ先輩が酷い事させられてっ!!」
「何をさせられたんだ?」
「街で民間人を、何人も悪神に変えて……それで、それでっ!!」

「俺の手で消した」



消した!?


「……おい、アンタ消したってどういう事だよ?」
「低級悪神に成った人間はもう普通には生きられねぇ」
「だからって消さなくても!!」
「消さずに帰して子を犯し殺しの暴虐の限りを尽くすのを眺めろというのか?」
「え」
「一度悪神になったものはウガマの道楽の為だけに死ぬまで動きつづける」
「……」
「殺されるより殺す方が辛いもんさ」

犯しという罪をここまで軽く感じるようになる日がくるとは



「……どうしてそんな事に」
「エビルエナジーを大量に浴びれば誰だってウガマのいいなりだ」
「僕がいっぱい入れた、せいで、先輩がッ!!」

泣きじゃくるラギを撫でるダブ


「おまえはウガマの命令を聞かされただけだ」
「でもっ!!」
「覚えとけ……ヒーローやってるやつが本当に犠牲になるのはソイツのせいで誰かが傷ついた瞬間だ」

ベッドに倒れるダブは黒い液体を吐き出し気絶した


「……分かってますよ」
「先輩!!」
「大丈夫、寝ているだけみたいだ」
「僕先輩の事大好きなのに、なのに!!」
「ダブさん優しいもんな……今両手が塞がってて布団すらかけられなくてすいません」

ラギが布団をかけた

「……ボク、ここにいてもいいかな」
「傍にいてやってくれるか?」
「でも僕もレッドハートも動けなかったら第三教団どうしよう?」
「いい案があるんだが」

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