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第87話 神への供物
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「……えっ」
白い空間に、メルドが二人
「駄目だったか」
「偽世界のヒーローの俺ちゃんかぁ」
「これを聞かせてくれない?恋人いるんだって?」
「およ?あー弟が喋ったのかもしれないな、鈴(りん)の事」
「で、その子はどこに?」
「消されたねー」
「……そうかぁ、消されたのなら、殺されたわけではなく?」
姿が映し出される、見覚えがある
「伊能ちゃん?」
「間違っては無いねぇ、彼女の妹だよ」
「へぇ、この世界にいるのかな」
「どんなに頑張ろうと、造れないように出来ているんだよ、偽物に愛させたり色々したなぁ」
「……愛ってのは、随分人を狂わせるんだねぇ」
「俺ちゃんまだ廃人にはなってないよぉ」
「ふーん?」
「なってたら世界が壊れる、この世界が出来ちゃったのは驚いてしゃっくりしたに過ぎないし」
何て迷惑なしゃっくり
「皆、消えちゃうのかぁ」
「……終わりがあるって羨ましいよ、さよなら」
パチン
もう一人のメルドが消えた
「お前ッ、何で消した?」
「改造手術は『失敗』なのに、気になる?」
新しく出来た世界に未練はほとんどない
弟が元気だった事は確かにうれしいが、それはあくまで俺の経験したあの弟ではない
だがそれでも、世界の共存ぐらい出来たかもしれない
「理由は聞きたい」
「間違えて書いた文字って消しゴムで消すでしょ?」
「……そうだな」
「俺ちゃん、うっかり世界作っちゃったから消したの」
「元の世界は?」
「せっかち、ふぁ……あー眠い」
眠いなんて、初めて聞いたかもしれない
「ずっと寝てろよ、もう」
「俺ちゃんが今からずっと寝てたら、レッドちゃん孤独の中で何万年も過ごすんだろうねぇ」
「……は?」
「だって世界はまだ戻って無い、適当に作り出したこの白しかない大地でさぁ」
「怖がらせたい所わるいが、さっさと世界を戻してくれ」
「えー、もうちょっと遊ぼうよ」
「元の世界で遊んでやる」
「疲れたのにぃ」
「……そんなに俺を気に入ったか」
「え?」
「疲れてるなら俺を相手にするのも止めりゃいいのに」
うしろからメルドが抱き着いて来た
「…… ね え」
人の姿すら疲れたのか
腕がドロドロに溶け落ちていった
呪われた姿に
「どうした?」
「イッタ?の?」
「はぁすけべ的な話してる?」
聞く限りはそういう意味ではないらしい
「……ドコニ行ったの?」
「え」
「リンタ……」
弟の一人だ
「メルド?」
「兄ちゃんが呼んでるだろ……ほら、返事して?」
俺の事を弟と勘違いしてる!?
「ええと」
「……どこか痛いのか?」
「大丈夫」
白い空間に、メルドが二人
「駄目だったか」
「偽世界のヒーローの俺ちゃんかぁ」
「これを聞かせてくれない?恋人いるんだって?」
「およ?あー弟が喋ったのかもしれないな、鈴(りん)の事」
「で、その子はどこに?」
「消されたねー」
「……そうかぁ、消されたのなら、殺されたわけではなく?」
姿が映し出される、見覚えがある
「伊能ちゃん?」
「間違っては無いねぇ、彼女の妹だよ」
「へぇ、この世界にいるのかな」
「どんなに頑張ろうと、造れないように出来ているんだよ、偽物に愛させたり色々したなぁ」
「……愛ってのは、随分人を狂わせるんだねぇ」
「俺ちゃんまだ廃人にはなってないよぉ」
「ふーん?」
「なってたら世界が壊れる、この世界が出来ちゃったのは驚いてしゃっくりしたに過ぎないし」
何て迷惑なしゃっくり
「皆、消えちゃうのかぁ」
「……終わりがあるって羨ましいよ、さよなら」
パチン
もう一人のメルドが消えた
「お前ッ、何で消した?」
「改造手術は『失敗』なのに、気になる?」
新しく出来た世界に未練はほとんどない
弟が元気だった事は確かにうれしいが、それはあくまで俺の経験したあの弟ではない
だがそれでも、世界の共存ぐらい出来たかもしれない
「理由は聞きたい」
「間違えて書いた文字って消しゴムで消すでしょ?」
「……そうだな」
「俺ちゃん、うっかり世界作っちゃったから消したの」
「元の世界は?」
「せっかち、ふぁ……あー眠い」
眠いなんて、初めて聞いたかもしれない
「ずっと寝てろよ、もう」
「俺ちゃんが今からずっと寝てたら、レッドちゃん孤独の中で何万年も過ごすんだろうねぇ」
「……は?」
「だって世界はまだ戻って無い、適当に作り出したこの白しかない大地でさぁ」
「怖がらせたい所わるいが、さっさと世界を戻してくれ」
「えー、もうちょっと遊ぼうよ」
「元の世界で遊んでやる」
「疲れたのにぃ」
「……そんなに俺を気に入ったか」
「え?」
「疲れてるなら俺を相手にするのも止めりゃいいのに」
うしろからメルドが抱き着いて来た
「…… ね え」
人の姿すら疲れたのか
腕がドロドロに溶け落ちていった
呪われた姿に
「どうした?」
「イッタ?の?」
「はぁすけべ的な話してる?」
聞く限りはそういう意味ではないらしい
「……ドコニ行ったの?」
「え」
「リンタ……」
弟の一人だ
「メルド?」
「兄ちゃんが呼んでるだろ……ほら、返事して?」
俺の事を弟と勘違いしてる!?
「ええと」
「……どこか痛いのか?」
「大丈夫」
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