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第73話 背中にいたのは8

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『どうも』



卯(うさぎ)視点











生きてる、とは違うようだ
目の前にウガマが見える
手足は動く気がしない

『その恰好、久しぶりすぎて覚えてないんですかね?』
(……あっ)

自分の状況がオナホにされてるという事は理解出来た
だけど自分が死んでない事の方が驚きで

『まぁ、状況は他の方にでも聞いたらいいんじゃないですかね?』

指さす先に、台座に飾られたオナホが沢山見えた
顔に見覚えがある、気がした
ウガマは消えた

(……え、えと)
(ツカサさん?)

この声!

(ジューゴ!?)
(はい、あの……お久しぶりです)

ダブの馬鹿弟子、その二人のうち一人だ
とっくに死んだとばかり思っていたが、違うのか

(お前、生きて!?)
(ウガマにこうして飾られているのを、生きているとは言えない、かと)
(……)
(その、悪神にやられたんですか?)
(俺は自爆の方が近い、かな)

(だろうな)

卯の師匠!?

(なん、え!?)
(驚くのも無理はない、だがウガマは死んだ悪神をこうしてコレクションしていた訳だ)
(使われる事とかあるんですか?)
(ある)
(……ヒーローはみんなここに?)
(いや、ドラゴンはいま貸し出し中だ)
(ドラゴンが?)
(ダブが持って行ってるからな)
(そうなんすか……あ)

この身体、涙出て、こないのか


(すぐに分かる事だが、大抵の奴は眠っている)
(眠れるんすか、この身体)
(だが多分……すぐに来る)

来る?




バタン!!!!


ダブが大きな扉を開いて、この胸糞悪い場所に入って来た
ずんずんとこっちに近づいて来て
俺を握ったかと思うと、握りつぶすような勢いで


(痛ででででで!?)
「……」

左手に握っていたのは、俺の遺書で

(お前、それっ!!)
「こんな、ものっ……こん、なっ」

泣きながらダブが俺を握る
横から師匠の声らしき何かが聞こえた

(それ、遺書か?)
(……はい、真実は流石に書いておこうかと思って)


==================================

「第三教団、ですか」
「ああ、私は悪神よりも第三教団の方を警戒している」
「どうしてです?」
「奴らの目的と、力が分からないからだ」
「それは……そうっすね」
「お前に与えられた役目は、例え死んでも第三教団の情報を持ち帰る事」
「分かりました」
「それと、第三教団と悪神には嫌われておけ」
「えっ」
「嫌いな相手ほど見ようとしないものだ、本当のボロは戦場より日常で出やすい」
「……分かりました」

====================================


「こんな事、お前は一言もッ!!」
(ダイスケだって、俺達の行く末が『これ』だって事言わなかっただろ、お互い様だ)





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