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第50話 本当の第一話
しおりを挟むここまでのあらすじ
彼の名前継目高広(つぎめたかひろ)、こうみえて結構な年のオジサンである
この世で最大の自然災害である『大悪神ウガマ』に家族を奪われヒーロー【レッドハート】となった
大悪神を討伐すべく成った筈のヒーローだったが、あまりにも強大な力に成す術がない事を身をもって知る
そんな中で、大悪神は一人の少年を気に入り『先生』と名乗るようになった
悪というものが何なのか、ヒーローというものが何なのか、やりたいようにやること
立場によって違い複雑で誰にとって悪で誰にとってヒーローであるか
複雑な思いの中で家族を取り戻してくれたのは大悪神が気に入った少年『ラギ』
そんな中で現れた第三教団という新たな脅威
ラギは彼らから人々を助けたいという願いを叶えるべくウガマの力で【ブラックホープ】というヒーローになった
【レッドハート】と【ブラックホープ】
異色のヒーローコンビが幕をあけた
「よ、よろしくお願いします!」
ラギはヒーロー基地で、ヒーローになると宣言した
「よろしく」
「動いて大丈夫なんですか?」
「死ぬほど痛い」
十二支、子(ネズミ)、高広ヒーローとしての師匠であり本来ラギとは敵対する関係である
全身が包帯でぐるぐる巻きであり動けるのが奇跡的であった
動いていいかどうかも別の話で
「アンタ動くなって言ったわよねぇ!?」
医者の女性、伊能八子(いのうはちこ)
「頼もしい後輩が出来たようなんでな」
「寝てろ重病人、死ぬわよ」
「いい加減、第三教団と何があったのか話さないといけないからな」
大型の会議室にて
「さて、もう本当に絶望的だったが闇から希望が産まれた、彼だ」
「僕はラギ、ううん、ブラックホープ、第三教団と戦う、ヒーローです」
「籠に入った悪神、だが私たちの考えは使える者は使えばいい、プライドで人は救えない」
今し切ってるのは十二支、酉(トリ)でありこの基地において最も偉いヒーローである
だが現在【戦える】ヒーローではない
理由は単純なものだった
その理由を新米ヒーロードライブ(まだ治療中の為戦えない)は耳にしていて
「トリさん、風の噂っていうかさっき聞いたんですけど」
「うん?」
「大悪神から【変身するな】って脅されたってマジすか?」
「ああ、認識自体はあっている」
「何で従うんですか!?」
大悪神ウガマが命令した事、ならば従う道理は少ない
「脅しではなく取引だ、故に今の私は【奴】の許可無しに戦えない」
「アレと取引って出来るもんなんですか!?」
「出来る、こちらの立場がどんなに不利でも取引というのは出来るものだ」
「そうですか?」
「あくまで向こうが得する事にかぎるがな、相手がハエ一匹だとして【叩かないでくれ、そうすれば家族をつれてよそに行こう】と言われ何体も沸いたハエがどっかに行ってくれるのなら叩かない価値もあるだろう」
「ハエ?」
「厄介な事に我々はハエよりも弱いがな、ヒーローたちは第三教団と戦って甚大な被害を受けた訳だ」
「……死者も出た、訳ですからね」
「覚えとけ、ヒーローやってたら死んでりゃ良かったのにと仲間に本気で思う日が来る」
「そんな日来るわけないっすよ!?」
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「え?」
「さて、レッドとブラック、お前たちに任務を言い渡そう」
本来、ヒーローは敵が出てこなければ何かをする事はない
「任務!?」
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「セックスしてこい」
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