大悪神 ヒーローが悪落ちする話

宝者来価

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第38話 ちから 4

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ラギがデパートにて異常事態を感じ取る少し前
ヒーロー基地では騒ぎになっていた



「5カ所同時に反応を確認!第三教団だと思われます!!!」
「私が指揮を取ります」
「月卸(つきおろし)さんが!?」

そんな会話を聞く、外されたヒーローの大木武礼(ドライブ)


「つきおろし?」
「十二支の酉よ、月卸実さん」
「え!?ありがとうございます、サポーターさん」

それを聞くとむくれて

「名札ちゃんとつけてるんですから、せめて苗字で読んで下さい」
【サポーター・鼓川優華】

「……ええっと、読めません」

彼は漢字が弱かった

「【つづみかわゆうか】です!!」
「すみませんっす」
「ベッドから起き上がれるようになったとはいえ!安静にしている間は、アタシたちが面倒みますからね!」
「こんな状態になって不甲斐ないっす」
「いいえ、戦ってくれたんですもの!それに、レッドハートさんなんて筋肉疲労?がすごいらしくて当分起きれないそうです」


慌しい現場、ヒーローが次から次へ対応に当たっていた


「……ヒーローって、本当に大変、なんっすね」
「ドライブさん、初戦で生きて帰って皆大喜びでしたからね」
「俺をヒーローに推薦してくれたの酉さんなのに、俺、現場で動けなかったんす……」
「初戦から動けるならだれも苦労しないわよ」
「そういえば第三教団って、今までも何人も一度に出るってあったっすか?」
「無いわね、悪神ならあるんだけど」


どうして急に、いやそれよりも


「悪神はあるんすか?」
「あるわ、ええと、その時は末っ子だったロイドっていう悪神がいてね?」
「ロイド、ですか?」
「ネクロフィリアの全力で会いたくない悪神ね、死ぬから」
「殺された人が、いる?」
「……十二支ではないヒーローが対応したのだけど、殺されてしまったの」
「名前は?」
「みんなシノビって呼んでた、忍者だったから」
「忍者って本当にいるんですか!?」
「ああ、ええと、血筋として忍者なの、今でも戦国武将の子孫っているでしょう?そういう人たちの為に情報活動をする家系でね」
「なる、ほど、忍者っていうよりスパイの方が近いんですかね」
「本人が『忍者ヒーロー』って名乗ってたの」
「忍者なのに隠さなかったんすねぇ」


過去の事件は『それなりに調べた』特にヒーロー関連は
しかしそんなヒーローの記録は無かったように思える
だがヒーローはどんどん新しい者と入れ替わるし、己が知らなくてもそこまで不思議はない

今最も心にひっかかるのは第三教団の存在


「俺は戦ったっすけど、目的がよく分からないんすよ」
「あら?どういう事かしら」
「人を殺す目的が、何かあるような、ファイル見たんすけど妙な所けっこうあって」
「妙ねぇ、人を殺すのに妙も何もあるかしら」
「ただの快楽殺人の線でおってるん、すか?」
「まぁそうかもしれないわね、いつか世界は第三教団が手にするとか言ってた記録ならあるけど」
「世界を手にする?」
「そうよ、手にするって言っても悪神でもない限り不可能だと思うわ」

世界を、手にする、人を殺す必要あるか?


「変っすね、支配と殺人って別だと思うんすけど」
「そう?でも悪役ってけっこう殺すじゃない?」
「……昔の映画で【宇宙戦闘機エフ】ってのあったじゃないですか」
「有名な奴ね【ちきゅうを離れてチェアカンバレル】っていう歌が有名な奴」
「快楽が目的でなく支配が目的なら、人間を全部殺したら駄目じゃね?」


だって欲しいのが人なら、殺したらもう使えないし
欲しいのが【土地】だというなら焼野原になった所なんかいるか?
放射能とかいう毒みたいなもので充満させる描写があったが、そんな毒にまみれた大地欲しいのか?


「ま、考える事は出来ても、結局机上の空論よね」
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