大悪神 ヒーローが悪落ちする話

宝者来価

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第10話 レッド・ハートはヒーロー 2

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待ち合わせ場所は夜の公園にしてもらった
被害者が出ないように

「どうもっす」
「ヒーローが俺に会いたいとか何が目的だ?」

この人がダブさんで初見だよな?

「ダブさんは―――」
「ヒーロー辞めた理由なんてクソなもの聞くなよ?」
「何で昔はヒーローだったんですか?」
「え」

そう、元々ヒーローだったのならば
【何かしら戦う理由】があった筈である
彼にとっての正義を辞めた訳よりも

「俺は悪は滅びろって思いで戦い初めました」
「へぇ」
「けど何かが違うんです!悪神をさえ滅びればいい訳では無くて」
「……」
「俺が道を踏み外す前に先輩がどうしてヒーローだったのかは絶対今後のためになるかと」

何がなんでもヒーローやっていく覚悟があるなら
後悔しない方針を決めるために話を聞くべきだ
たとえそれが敵でも利用出来るところは利用する、大人になれ、1人でも助けたければプライドは邪魔だ。

合理的に考えるのもヒーローには必要だと最近分かり始めた

「・・・・・・進化が激しい奴だな」
「ヒーロー殺しのクソヒーローと衝突したもので」
「お前それで殺されなかったのか!?」

そこまで新人が餌食になってるのか

「たぶん、出来る物ならウガマをたおすって言ったから、かと」
「へぇ、たったそれだけで殺さないのか、あのクズ」
「え」

ダブが左手からエビルエナジーをゴボゴボとあふれさせた


「気に入った、けど、お前を鍛えたら他の悪神が、いや籠の仲間が苦労するんでな……遊んでいかせてもらう」
「戦うって事ですか?」
「勝てる訳がないと思ってるだろ、安心しろ俺も俺に勝てとか思って無い」
「……その通りですよ、俺では多分勝てません」
「悪神召喚してやるから消し去れ」


パン!!!




ダブが手をたたいた次の瞬間
闇の結界に二人は包まれていた。


「言っておくが負けたら容赦しねぇからな」
「……俺、ネズミの師匠がいるんで、いつもけっこう容赦ないですよ」
「あいつ弟子が組手失敗しただけで平手打ちするのまだ治ってねぇの?」
「いえ、どんなに気絶しようがバチバチの電気で目ぇさまさせてくるんです」
「えぐいな、けれども、俺はお前の敵なんで……負けたら身体を貰っていくからな」



パチン

指を鳴らして、召喚された低級悪神。


「勝ちます!」




―――――――――――――――――――――――――――――



レッドーハートは、敗北した。


「……どうした?」
「ッなんで、一般人を巻き込んだ!?」


必殺技さえ放てれば勝ち、の場面で子供が一人召喚された。
攻撃を止めた瞬間に身体は場外へ吹き飛ばされた。
子供こそ無事だったものの、戦うためのレジエナジーをドレインされ、動けない。



「悪神にそんな事聞くなよ」
「……もう少しで、また」
「一般市民が犠牲になる、ってか?あの程度で怯んでたら低級悪神狩りですら詰むぞ」

公園に戻って来た、子供がいない。

「ガキなら、家に帰した」
「そう、か」
「お前ウガマ様どころか、ほかの籠に勝てねぇ奴だな」
「……」
「あそこで子供ごとやれるぐらいは最低でも非情にならねぇと『勝つ』事は出来ないぜ?」

ドロドロした何かを飲まされた。


「うえぇ!?」

手で口を塞がれ飲むしかなくなり
飲まされた物が体内で自分の大事な何かを集めている。


「ん……ぐっ!!!!」
「暴れるな、敗北したヒーローはこうなるのが掟なんだよ」

ドクン、ドクン、ドクン
心音が警告してくる
現在が肉体にとって非常事態であること

「!?」
「そろそろか」


便意――――だが腸にあるのは本来のものでは無い
自分自身が吸い取られたものが尻の中にある、分かる。
抵抗したいが、勝手にゆっくりと出て行ってしまう。

「ううううッ!?!?!?♡♡♡♡♡」
「お前、抵抗力だけありすぎだろ……さっさとひり出せ、気持ちいいだろ?」

ぼりゅりゅりゅりゅ!!!


下品な音を立てながら、半透明なゼリー塊になった自分自信を外に排泄した。
目や口も無いが確かに意識が出てきているのが、分かる。


「どうだ、その身体?」
【ざっけんな】
「……人格排泄、一度されたら基本元の身体には戻れないが、まぁあとは師匠にでも聞け」
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