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第7話 願い 2
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ラギ視点
「よっす!」
「先輩!?えーと」
「ロイド先輩が遊びに来ましたぁ」
「でも、ボクの部屋は……何もないですよ」
「飯まだ?一緒に食べようぜ」
ここはホテルの一室
ベッドと机くらいで風呂は併設されているが本当にそれだけの部屋。
「……あの、先輩」
「ん?」
「僕、先輩になら殺されてみたいです」
「うお!?そんなに懐く要素あった?」
「懐く、って犬をしつける、っていうアレですか?」
先輩は少し考えたあと
「昼飯、食べようぜ」
「……はい」
「まずは飯だろ!」
「ご飯?」
「好き勝手にくってこそ悪の意味もあるってもんだ」
ハンバーガーを机の上にドサドサと置いていくが、量が多い
「先輩、これ食べきれますか?」
「無理」
「……ですよね」
「メルドたち呼んでくるわ!」
「え」
何故に僕の部屋で先輩が全員集まってるのだろうか?
「ウガマ様ー」
『なぁにー?』
「この部屋狭いんで広くしてください」
『部屋主が願ったらいいよ』
「ラギ、このへや広くしてもらってもいい?」
「あ、はい、ボクはお構いなく」
ウガマが指を鳴らすと、部屋が広くなる
机が広くなって椅子が増えた。
レーネがラギに抱き着いて頭を撫でる。
「ほんと可愛い弟分がきたもんだねぇ……何かあればアタイに相談して頂戴!何でも大丈夫だから!」
「あ、ありがとう、ございます」
「おっぱい飲む?」
「え、えと」
「揉んでもいいわよ?」
「後輩を困惑させるな」
「えっと、平気です、先生もお昼これからですか?」
シーン
「え、えと?」
しばらくすると
ウガマはハンバーガーに向けて長い舌を出して
カメレオンのような食べ方をした。
『んー、人の作り出したもの……久々に食べましたね』
「先生って、ご飯たべないんですか?」
『食べる必要が無いだけで食べれはします』
それぞれが好きに食べ始めた。
「そういやラギ一個きいていい?」
「ど、どうぞ」
「ベッドにいる人形みたいな悪神ってお前が作ったの?」
「ご、ごめんなさい」
「へ?違う違う!お前って優しいからさ?元人間の悪神を作るの意外だったんだよ」
「……お兄様なんです」
「蘇らせて貰ったとか?」
「え」
「ん?」
「死んでも蘇生、が、できるんですか?」
「ウガマ様ぐらいだけどな……その程度の願い訳ないんじゃないか?」
「でもアタシはおすすめしないわねぇ、もう一度死なす事にもなるし」
そう、だったのか
「ボクの為に何かしてくれる兄って、憧れだったんです、だから……」
『ラギ君のおにいさんの『ヨスト』さんです』
「へぇ」
『ちなみに米宮(こめみや)グループの長男で会社をついでるけど弟には一切興味ナシでしてね』
「でも、いいんだ……もう、守ってくれるお兄様だから」
シーン
「あんた、本当に苦労してたのねぇ……!!ほんっと、何でも言ってね?」
レーネに頭を撫でられ悪くない顔をするラギ
「いいんだからな?何しても、俺っ生意気な事いってたやつぶち殺そうか?」
「でもぉ、らぎくんは~~~そういうの趣味っぽくないよねー」
マキアのいう事は最もで、人を殺したいという訳ではない。
「この間ヒーローと会ったろう?あれ、酷い事言われなかったか?」
「ううん、僕……あの人と、戦闘したんだ」
「戦闘!?」
「お兄様を出して、それで……勝ったよ」
「いくら俺達みたいな籠の悪神だっていってもな、まだまだ弱いって聞いてたろ?」
そう、ラギは悪の道にくればあっというまに何でも出来る訳でも最強になる訳でもない。
たまたま強かったにすぎず必殺技でわずかに上回ったに過ぎない。
もし負けていても後悔は無かった戦闘だった。
「救いたいって、言ってて……僕より、弱いのに」
「熱血系のヒーローたまにそういうのいるからな」
「倒されて殺されてても、良かったから、助けられて、みたかった」
「ラギ、ヒーローは悪を助けたりしないぞ?」
「でも、倒してはくれるかなって」
「なんていうか健気すぎて眩しいんだけど、俺が悪者とか関係なく、お前ほんと可愛い」
『でしょー?』
ハンバーガー、美味しい
「そういやラギちゃん、なんかロイドに言ったんだって?」
ニヤけた顔でメルドが問いかけた。
「えと、先輩になら殺されてみたいって」
「死にたい?」
「いえ、先輩に愛されて……いいなって」
「ふーん、俺らにそういう目で欲情してほしいの?」
「ごめ、んなさい」
「いいよー」
え?
「あっ、の、いいよって、何が」
「俺ちゃんの趣味でおせっせしようぜ」
「ええ、と、その」
「嫌?」
「ちがっ、とても、嬉しいです、けど」
「けど?」
「まだ……僕、何も出来てませんから」
皆、お昼を食べてお部屋に戻っていった。
「お兄様……」
「……」
言葉を封印して貰っている、その棘はあまりに痛いから抜いてもらった。
どんな言葉を彼が自分に言ったのかを覚えていない。
ただあまりに、悲しい思いでだった事だけが妙に思い出せる。
「こうして、一緒に寝てくれる日がくるなんて……すごく嬉しい」
『ふーん』
「先生?」
『苦しくはありませんか?』
「……えと、大丈夫」
『少し無理をさせましたね、お詫びに一緒に寝てあげますよ』
「一緒に?ええと」
『嫌ですか?それとも、嬉しいですか?』
「嬉しい……先生の事、大好きで、もっといっぱい、お話聞きたいです」
『お話、ふむ、昔話でもしましょうか?』
「してくれるの、うれしいです」
「よっす!」
「先輩!?えーと」
「ロイド先輩が遊びに来ましたぁ」
「でも、ボクの部屋は……何もないですよ」
「飯まだ?一緒に食べようぜ」
ここはホテルの一室
ベッドと机くらいで風呂は併設されているが本当にそれだけの部屋。
「……あの、先輩」
「ん?」
「僕、先輩になら殺されてみたいです」
「うお!?そんなに懐く要素あった?」
「懐く、って犬をしつける、っていうアレですか?」
先輩は少し考えたあと
「昼飯、食べようぜ」
「……はい」
「まずは飯だろ!」
「ご飯?」
「好き勝手にくってこそ悪の意味もあるってもんだ」
ハンバーガーを机の上にドサドサと置いていくが、量が多い
「先輩、これ食べきれますか?」
「無理」
「……ですよね」
「メルドたち呼んでくるわ!」
「え」
何故に僕の部屋で先輩が全員集まってるのだろうか?
「ウガマ様ー」
『なぁにー?』
「この部屋狭いんで広くしてください」
『部屋主が願ったらいいよ』
「ラギ、このへや広くしてもらってもいい?」
「あ、はい、ボクはお構いなく」
ウガマが指を鳴らすと、部屋が広くなる
机が広くなって椅子が増えた。
レーネがラギに抱き着いて頭を撫でる。
「ほんと可愛い弟分がきたもんだねぇ……何かあればアタイに相談して頂戴!何でも大丈夫だから!」
「あ、ありがとう、ございます」
「おっぱい飲む?」
「え、えと」
「揉んでもいいわよ?」
「後輩を困惑させるな」
「えっと、平気です、先生もお昼これからですか?」
シーン
「え、えと?」
しばらくすると
ウガマはハンバーガーに向けて長い舌を出して
カメレオンのような食べ方をした。
『んー、人の作り出したもの……久々に食べましたね』
「先生って、ご飯たべないんですか?」
『食べる必要が無いだけで食べれはします』
それぞれが好きに食べ始めた。
「そういやラギ一個きいていい?」
「ど、どうぞ」
「ベッドにいる人形みたいな悪神ってお前が作ったの?」
「ご、ごめんなさい」
「へ?違う違う!お前って優しいからさ?元人間の悪神を作るの意外だったんだよ」
「……お兄様なんです」
「蘇らせて貰ったとか?」
「え」
「ん?」
「死んでも蘇生、が、できるんですか?」
「ウガマ様ぐらいだけどな……その程度の願い訳ないんじゃないか?」
「でもアタシはおすすめしないわねぇ、もう一度死なす事にもなるし」
そう、だったのか
「ボクの為に何かしてくれる兄って、憧れだったんです、だから……」
『ラギ君のおにいさんの『ヨスト』さんです』
「へぇ」
『ちなみに米宮(こめみや)グループの長男で会社をついでるけど弟には一切興味ナシでしてね』
「でも、いいんだ……もう、守ってくれるお兄様だから」
シーン
「あんた、本当に苦労してたのねぇ……!!ほんっと、何でも言ってね?」
レーネに頭を撫でられ悪くない顔をするラギ
「いいんだからな?何しても、俺っ生意気な事いってたやつぶち殺そうか?」
「でもぉ、らぎくんは~~~そういうの趣味っぽくないよねー」
マキアのいう事は最もで、人を殺したいという訳ではない。
「この間ヒーローと会ったろう?あれ、酷い事言われなかったか?」
「ううん、僕……あの人と、戦闘したんだ」
「戦闘!?」
「お兄様を出して、それで……勝ったよ」
「いくら俺達みたいな籠の悪神だっていってもな、まだまだ弱いって聞いてたろ?」
そう、ラギは悪の道にくればあっというまに何でも出来る訳でも最強になる訳でもない。
たまたま強かったにすぎず必殺技でわずかに上回ったに過ぎない。
もし負けていても後悔は無かった戦闘だった。
「救いたいって、言ってて……僕より、弱いのに」
「熱血系のヒーローたまにそういうのいるからな」
「倒されて殺されてても、良かったから、助けられて、みたかった」
「ラギ、ヒーローは悪を助けたりしないぞ?」
「でも、倒してはくれるかなって」
「なんていうか健気すぎて眩しいんだけど、俺が悪者とか関係なく、お前ほんと可愛い」
『でしょー?』
ハンバーガー、美味しい
「そういやラギちゃん、なんかロイドに言ったんだって?」
ニヤけた顔でメルドが問いかけた。
「えと、先輩になら殺されてみたいって」
「死にたい?」
「いえ、先輩に愛されて……いいなって」
「ふーん、俺らにそういう目で欲情してほしいの?」
「ごめ、んなさい」
「いいよー」
え?
「あっ、の、いいよって、何が」
「俺ちゃんの趣味でおせっせしようぜ」
「ええ、と、その」
「嫌?」
「ちがっ、とても、嬉しいです、けど」
「けど?」
「まだ……僕、何も出来てませんから」
皆、お昼を食べてお部屋に戻っていった。
「お兄様……」
「……」
言葉を封印して貰っている、その棘はあまりに痛いから抜いてもらった。
どんな言葉を彼が自分に言ったのかを覚えていない。
ただあまりに、悲しい思いでだった事だけが妙に思い出せる。
「こうして、一緒に寝てくれる日がくるなんて……すごく嬉しい」
『ふーん』
「先生?」
『苦しくはありませんか?』
「……えと、大丈夫」
『少し無理をさせましたね、お詫びに一緒に寝てあげますよ』
「一緒に?ええと」
『嫌ですか?それとも、嬉しいですか?』
「嬉しい……先生の事、大好きで、もっといっぱい、お話聞きたいです」
『お話、ふむ、昔話でもしましょうか?』
「してくれるの、うれしいです」
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