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46話 少しだけの
しおりを挟む『恭平が消滅しそうになったたのを無理やり繋いだ、こっちの事を忘れている、姿は子供』
ヒカリからの連絡をうけた
「恭平さん」
「……ふーん」
「千代?」
楽しそうにしている
「父さん行ってきたら?」
「ええ、そのつもりですが」
「千代は近くで見てるからね」
お化けらしく消えた、消滅とは別で『今は見えない』だけである
兎も角と思い恭平たちの家に向かった
テントから立派なものに変わっている
「えーと」
「……私は高浜羅宇と申します」
「僕は山下恭平、お家帰れなくなっちゃってお姉ちゃんがここにいなさいって」
「何年でもいて大丈夫ですよ」
その夜、入江のテントにて
「拙者の意見だが、恭平は本当に消えかかっていたのだろう」
「オジジも同じ意見」
「転生ではなく消滅の条件は二つござろう?」
「絶望か正義か」
『自分がここにいてはならない』と判断した場合に起こるのが正義だ
「十中八九正義だろうねぇ、注意していたけれど起きちゃったか」
「皆も知っておろう?死して尚このように死を忘れた者はもう一度気付いた時に殆どが消滅している事を」
「本当はここに『囚われて』いるよりも消えられる時に消えた方がいい、分かっているんでしょ君たち?」
「俺様も分かってはいるさ」
子供グループは普段はこないが
「倉之助まで参加するか」
「絶望とか自己犠牲で消滅されるのは嫌だ」
「うむ、拙者も同じだ」
「死んでる事を隠すって事でいいな?」
「私は……反対です」
大切にしたいのに騙す事になるのだ
嘘はつきたくない
皆も思う所はあるようで
「おまえさんは嘘をつくのが苦手だったな」
「はい」
「ならヒカリと打ち合わせした『嘘はつかない』ってルールでやろう」
―――――――――――――――――――――――――――――
「おはようラウさん」
「おはよう」
普段ならこの場所はずっと『夜』だが生きていればあり得ない話だ
この集落に太陽が毎朝くるとなると少し眩くも思う
恭平がゆるやかに生きていると感じて暮らす為には仕方が無い
「朝ごはん何食べたの?」
私は食事を1年に一度ぐらいしか食べない、とは言えない
「まだ食べてませんね」
「忙しかったの?」
「……食材を買ってくるの忘れてました」
これは嘘ではない、彼が怪しむのであれば自分は食べなければならない
食べ物を仕入れる必要性を忘れていたので本当といえば本当だ
「僕のカップ麺あるから分けてあげる」
「有難うございます、えーとこれどう食べるんでしたっけ?」
ヒカリに小突かれた
「ラウってボンボンでな?食べた事なくても驚かないでやってくれ」
「ボンボン……お金もち?」
「そうそう」
「お湯を入れたら3分間待つんだよ」
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