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37話 襲来
しおりを挟む「姉がお騒がせしました……」
「いいのいいの、それより仲が良さそうでよかった」
「入江さんって兄弟」
「7人いたんだけど皆オジジに会ってくれなかったから羨ましいよ」
「それブラックジョークですか?」
自分の家に沢山あつまっている、狭い
「うちの子がご迷惑かけなかった?」
「いい子ですよ」
ラウに絡む姉
「帰ってくれない?」
「まぁまぁ」
「入江さん面白がってるでしょ……」
「姉の年齢を超えてからこっち来たのに、逆らえないものなんだなぁって」
「僕と姉だからっていうのもあると思うけど」
相手が羅宇なら『普通の人』であれば惚れるとか心配するのかな
彼がゲイなのは良く知っているしありえないが
「あなた美人ねぇ」
「よく言われます」
「ぶぅ」
「あら可愛い、お嬢ちゃんも美人さんねぇ」
「コイツに美人っていうな」
千代ちゃんが膨れている
「この顔が不細工なら世の中に美人がいなくなるわ」
「……でも、こいつは」
「嫌いなの?」
「うん」
「何があったの?」
「首絞められた」
「えっ」
「……止めなさい、千代」
「嫌がらせだもん」
「ちょっと恭平、アノ人大丈夫なの?」
「家族の事いがいはまともな人、だから」
「姉ちゃんあんたがホモなのはしったこっちゃないけど家族を大事にしない人は選ばない方がいいわ」
ド正論ではある
「……うぅ」
「あら、もしかしてもう惚れてるのかしら?」
「姉ちゃんも僕に嫌がらせしにきたの?」
「じゃあ明らかに親子かなんかで首締めたっぽい奴に弟が関わってるかもしれないってなったら放置するかしら普通」
「しないけど!!」
正論なのは分かっているが、だからといって嫌いにはなれない
それに僕だったら嬉しかった
自分がいなければ生きていけないからと首を締めたのは、酷く歪だけど『愛』だ
羨ましいとすら思う
「恭平さん、庇って貰ってすみません」
「ううん、お姉ちゃんが失礼な事言ってごめん」
「真実なので私を悪くいうのは構いません、恭平さんは気にしなくていいのですよ」
千代ちゃんが姉の手をぐいぐいとひっぱっている
「お姉さん遊んで!」
「何するの?」
「かくれんぼしよう!私が隠れるね!」
「いいわよ、つきあってあげる」
「お姉さんに迷惑かけちゃ……」
もう外に行ってる
「姉ちゃんに帰れって言えなくなっちゃった」
「あっはっは!さてあの小童どこに隠れるやら」
「人の家に入らないといいんですが」
「お前さんも、本当に不器用な愛情表現しか出来ない奴だなぁはっはっは」
「笑わないで下さいよ」
「オジジは親子の云々は分からないけどねぇ、入江ちゃん可愛い」
「……私に可愛いって言えるの、あなたぐらいですよ」
「とはいえ、家の中に入ると心配だから見に行こうか」
「きゃああああああああああっ」
へ?
「今の声って、お姉ちゃ……」
「外に行きましょう!」
外に出ると、カエルの巨大なバケモノ
「なにあれ!?」
「オジジも知らない、でも多分魔物」
気絶しているのが見えたので、起こそうと叫んだ
「起きてお姉ちゃん!!」
「どういう奴かしらんが、俺の前に魔物があらわれたんなら……」
カエルに立ち向かうヒカリが、舌で投げ飛ばされた
「ヒカリさんっ!!」
「痛ってぇ……!?なんだコイツ!!」
巨大なカエルは里菜子を飲み込み、森へ
「そんな、お姉ちゃんっ……待って、おいっ」
「入江」
「分かってる、『夜』解除」
突然の昼間で太陽が見える、だが森の方に逃げたカエルが見つからない
「魔物ってこんなに巨大なのもいるんです、か?」
「……ヒカリちゃん」
「俺があの状況でふざける訳ないでしょ、本当に痛かったんすよ」
「千代!!どこです千代!?」
村の中を探したのだが、千代ちゃんは見つからなかった
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