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36話 これから
しおりを挟む「……助かったの、か」
零した涙を拭き姉に向き直った
「作文が出た日に、あんたはこっちに来たの」
「現世で彷徨ってた時の事覚えて無かったから……うわ」
周りの涙と鼻水が凄い事に
「たす、だすかってよかったなぁその子ッ―――!!」
「ヒカリさん泣きすぎですよ」
「『お兄さん』は俺が面倒みるからしっかり生きてからこいよ!!交通事故には気をつけて……それでっ」
「これからどうするの?」
「えっ」
「私は街で暮らしている、アンタどこかの集落にくらしてるんでしょ?」
「……」
「時々あいにいくから場所ぐらい言いなさい」
「女の人、これない」
「は?」
「待て、女性が来れないって訳ではない!!家族は別!!」
確かにラウの娘は集落にこれていたので、家族は別なのだろう
「何だそうなの?」
「でも、あの集落は」
「ゴミしかいない治安最悪な場所だったりする?」
「違う!!皆やさしくて……」
ふと、ラウさんの事がよぎる
「優しいの?」
「僕には優しい」
「何で目がそれるのよ」
「とにかく集落の皆はっ」
「もしもし入江?悪いけど女の子一人つれて戻るわ」
ヒカリの電話に
「あら、連れて行ってくれるの?」
「いいんですか?」
「責任は俺がとる、お姉さんの事案内してあげな」
「でも、あの集落は」
「早く案内しろバカ」
「……はい」
自分を助けて死んだ姉に逆らえる人この世にいるのだろうか?
「あら、キャンプ地みたいな集落ねぇ」
何だ何だと集落の皆が出て来た
「いらっしゃい、オジジはこの集落の長をしている入江中守」
「私は山下里菜子です」
子供たちがひそひそ話を大声でしている
「恭平のおっちゃん女の子苦手だって言って無かった?」
「子供はセーフなんじゃね?」
「それはそれで危ない人っぽいけど……」
「して、山下殿?この集落が衆道の者が集まっていると知って来たのか?」
菊里さーーーーーーーん!?!?!?
「あんたそういう事は先にいいなさいよ!」
「申し訳ありませんでした」
ふくらはぎを蹴らないでほしい
「あれ幼い子がいるのに千代じゃない?」
「千代ここにいるもん」
ラウと一緒にいる千代に少し安堵した
「皆さんこの度はうちのバカ弟がお世話になったようで」
「お姉ちゃん、痛い……僕の姉です」
バシバシとふくらはぎを叩かれながら、姉を紹介した
大滝兄弟が
「なんだ恭平の姉ちゃんか!そういう事なら案内してやれよ」
「家族の仲がいいのはいいことですからね」
「お姉ちゃん、あの」
「何?」
「僕がホモの集落にいるって聞いて、驚かなかったの?」
「お姉ちゃんとっくに気付いてたけど?」
「え」
「アンタってゴレンジャーが変身するとがっかりするし、俳優さんに夢中だったから」
「ちょっお姉ちゃん止めて!?」
身内に幼いころの事いわれるのは何だか恥ずかしい
「ま、いいわほらこれ」
姉が寄越したのは、現代の携帯電話
「スマホ!?」
街の人々は皆これいじっていたけども
「ここが気に入ってんでしょ?何かあったら私がいる街に来なさい」
「お姉ちゃん……」
「連絡手段がないと困るでしょうが」
「ありがと」
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