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31話 女の子

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入江の家から帰って


「ただいまもどりまし……た?」
「わーっ!?」

5歳程度の女の子が寝ていた

「えーと、ヒカリさんバイなんでしたっけ?」
「違う違ういやバイなのは合ってるけどこれは違う!!」
「誰です?」
「俺が知りたい」
「えっ」
「不法侵入してきたんだよこの子、朝おきたらいたっていうか」
「可能なんですかそんな事?」

関りの無い者同士は会えないとか
この集落には男色家しか入れない筈?


「ん~朝?」

眠い目を擦りながら自分の布団から幼子、それも女子

「お、おはよう?」
「おはよー」
「君はだれ?」

すると、ハッキリと

「ちよ!一十百千の『千』に依り代の『代』」
「えーとちよちゃん?何しにきたの?」
「嫌がらせ」
「僕なにかしたかなー!?」
「んーん」

首を横にふっている

「ここは女の子がくるような場所じゃあねぇぞ?」
「知ってる」
「……前にもここに来た事は?」
「あるよー」
「その時、誰に案内してもらった?」
「……」

だんまりだと分からない


「参ったな、とりあえず入江さんを呼ぶとか?」
「魔物って訳でも無さそうだが」
「これ美味しい」

勝手にポテチ食べられてる

「こらっ人のもの勝手に食べるな!」
「いいですよ、お腹すいてるのかもしれない……し?」

そこにあった漫画を適当に開いて読んでいる
見た目は『こどもがちゃんじ』なのだが内容は難しくないのだろうか
自分より前に産まれた子供なんてこの集落だけで二人いる


「俺見張ってるから、入江よんで来てくれ」
「他の人でも何か知らないか聞いて来ますね」

入江のテントに向かうが既にいない、出かけているのかと集落を巡る
道中で子供たちに出会って入江が大滝の家にいると聞いて初めてお邪魔する事に



「こ、こんにちは~」

でかい家なので萎縮しつつもノックして挨拶すれば、少しすれば出てきてくれて

「よう」
「いらっしゃいませ」

兄(竜)弟(善空)揃ってる

「あの、ここに入江さん来てます?」
「君まだ携帯ないんだっけ?」
「はい、死んだ時に持っていたものは全部無くしたみたいで」
「入江に何の用事が?」
「女の子が部屋にはいってきて」



奥の部屋に通された、入江だけでなくラウもいて
机を囲んで真ん中の捨ててある札からババ抜きしていたのが分かった
大人が4人あつまってババ抜きするんだ、という言葉を呑みこんだ


「なに笑ってんの?」
「いや、なんか恭平君が女の子が部屋はいっちゃったって」
「あら迷子ちゃんかなぁ?」
「どーにも迷子にしては様子がおかしくて、嫌がらせだっていうし」
「嫌がらせ?それって魔物じゃないの?」
「名前もはっきりと答えるしヒカリさんはその魔物―――?魔物なのかな、『ちよ』って」


ガタッ!!!!!



「え」
「あー……」

ラウが、椅子から落ちた

「大丈夫!?」
「ごめんなさい」
「えっ僕こそ何か驚かせること言って、ごめんね」
「違うんです、私のせいで……とにかく今どこに?」
「僕の家に」
「行くしかないですか」

嫌そうにしているラウ

「別にそこまで困った事されてる訳でもないから、嫌ならこなくても」
「でも家にあがりこんでしまったのでしょう?」
「そうだけど、だから責任者?の入江さんに」
「ラウ行ってやんなよ」
「……」
「魔物なんかじゃないでしょ?」









「あれ、なんでラウさんが来て」
「……」

まだ女の子は漫画を読んでいた


「お久しぶりです、千代」
「んー今いいところだから後で」
「漫画くらい送ります、何をしにきたのですか?」
「……」
「千代」
「今、良いところだから後で」
「あのーラウさん?この子と知り合いっすかね?」


パタン

女の子は本を閉じると

「言ってないんだ?」
「……」
「嫌がらせしに来てよかった」
「千代、他の人を巻き込まないで下さい」
「お父さんが悪い」


お父さん!?

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