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26話 新しい生活

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「相変わらず、集落の皆はキャンプ暮らしなんだな」
「ヒカリさんも昔はこの場所で暮らしていたんですよね」
「少しの間だけだったけどな……この布団使っていいか?」

別に自分は構わないが、その布団では

「ええと、それ入江さんが寝ていた布団ですけど」
「潔癖症じゃあるまいし平気だよ俺は」
「そうなんです?」
「お前友達の家で寝泊まりってしたことねぇの?」
「たしか無いです、それと僕お腹すいてきて……」
「そこに食材たくさんあるよな」

お米とか、野菜とか、調味料など
それにテントの中でも使えるガスコンロなどが

「……どうしたら?」
「お前もしかして」
「僕、料理が出来ないんです!」

絶望的に出来ない
作ろうって気が起きなかったのもある
男が料理すると気持ち悪いかと思ってたから

「何か得意な事あればいいんだがなぁ」
「アクションゲームなら少しは得意ですよ」
「そりゃいい、ちょっと待ってろ」


――――――――――――――――――――――――――
テントにて

「私が来ました」
「ラウさん、どうも」
「悪いな来てもらって」
「ヒカリさんの頼みであればすぐに来ますよ、それで?」
「飯つくってくれない?俺も出来なくて困ってた」
「10人前作ります」
「せめて3人前で頼むわ」

慣れた手つきでラウは炒飯を作り、二人に渡して来た

「いただきます……(もぐ)美味しい!!」
「良かったです、ほらヒカリさんだってまだお腹すくでしょう?」
「食べるけど悪いな本当、俺まで」
「貴方の事も狙ってますからね」
「誰でもいい訳では無いとか言ってなかったか?」
「勿論そうですよ、そして私の愛を受けとめきってくれる人がいいですね」

山盛りの炒飯を出しながらニコニコしている

「愛っていうか胃が重い」
「そういえば恭平さん、菊里さんでも魔物は切れるのに何故彼を指名したんですか?」

たしかに、魔物を切るだけなら菊里でいいし
元から里にはいるので、本来であれば頼むべきなのかもしれないが

「江戸から思い人を待ってる人に『傍にいてほしい』なんて言えません」
「確かに彼にはつけいる隙がありませんからね」
「恭平君は俺と『そういう関係になりたい』とかある?」
「えっ」

無いとは言わないし、もし思ってくれるのなら嬉しいは嬉しいが
自分の為に来てくれた彼に悪いような気もするのだ

「あくまで、気が少しでもあるのか聞いてるだけだからな?」
「少しなら」
「え、マジであるの!?」
「……すみません」
「違う違う、俺バイなんだけどそれでも!?」
「バイって何でしたっけ?」
「俺は男でも女でも恋愛出来る」
「じゃあ僕何かでも、大丈夫?」
「お前さんが思うより自分の価値は高いぞ、もしお前に好かれたら俺もオとされるかもな」

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