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18話 供物バザー
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「僕、まだ魔物に襲われるかもしれなくて―――」
「襲われる奴って後悔しまくって自分が嫌いな奴とかの特殊な事情抱えているわけだけど……まぁうん、若いし後悔もありそうだな?護衛してやるよ」
「怖ければ私が手をつなぎますよ?」
「えっ」
「お前、その『構いすぎ』で前も逃していたのに」
「性分なもので」
「でも、はぐれないように手をつないでくれると有難いです」
嬉しそうにラウは恭平の手を握った
「さぁ、行こうか」
隣町のようなイメージだったが、歩けば霧の中から現れた。
何をどうみても『バザー』としか思えない
地面にシートが敷かれ、食べ物や服など様々なものが並んでいて人がいる
「オジジちょっと代表のところ行ってくる」
「ああ、レイシェルさんの?」
「嫌な顔されるんだろーな、楽しみ」
ケラケラと笑いながら、着物の袖を揺らしてどこかへ消えた
「ラウさん、レイシェルさんってオジジさんとは親しいんですか?」
「古い縁があるようですがレイシェルさんって女性なので……」
「女性の人とも交流あるんだ!?」
「不思議なことにあの人たち出会えるのですよね」
「不思議?」
「片方が出会いたい意志が無いなら、永遠に会えないものなんですが……」
『そこの着物のおにいさん、何かいるものある?』
お爺さんというには少し失礼なくらいの年齢の男性が声をかけてきた
見たところ饅頭や衣類、そしてなぜか線香
「えっなんで線香?」
『おっと死にたての坊やか、これは宗教によるが死んだら線香って食い物だからな』
「食べるんですか!?」
『おーよ、タバコみたいなもん』
「彼はまだ空腹を感じるようですので、食料を分けてくれますか?」
『それ先に言えよ!!何かアレルギーとかある?』
「え、とくには……」
店主(?)は袋に慌てて饅頭やお菓子を詰めだした
そして隣の店にいって何やら大慌てで伝えている
死に立てで空腹を感じる、という事が大事らしく伝言ゲームである
「あの、そんなに珍しいのでしょうか?」
「死ぬ人は毎日いますけど空腹を感じる人ってめずらしいですね」
「僕はどうして感じるんです?」
「若い人で自殺以外の方だとそういう事多いみたいですよ」
話していると、大勢が押し寄せてきてラウの後ろに隠れた。
「おいおい、隠れなくってもいいだろ、あと何で俺じゃないんだ」
「ラウさん安心するから、つい」
「有難うございます」
ラウはヒカリにドヤ顔をしている
『ほら、急いでかきあつめた食料!あとタオルとか、いるだろ?』
『何かあれば頼っていいからね!?』
『どうせ余りものだ、沢山あるし俺たちは困ってない』
男も女もいて、老人から子供のような人までが沢山の袋を差し出して来た
「お礼言っとけ?」
「ありがとう、ございます」
「……店主さん」
『ん?』
「3・11への供物ってどこですかね?」
『はぁ!?』
口々に驚きの声をあげているが
何で皆驚いているのだろうか、と
彼は日付を言っただけなのに注目がひどく集まった
自分が死んだ日というだけなのにと不思議に思う
「線香を一本でもいいので、渡しておくべきかと」
「襲われる奴って後悔しまくって自分が嫌いな奴とかの特殊な事情抱えているわけだけど……まぁうん、若いし後悔もありそうだな?護衛してやるよ」
「怖ければ私が手をつなぎますよ?」
「えっ」
「お前、その『構いすぎ』で前も逃していたのに」
「性分なもので」
「でも、はぐれないように手をつないでくれると有難いです」
嬉しそうにラウは恭平の手を握った
「さぁ、行こうか」
隣町のようなイメージだったが、歩けば霧の中から現れた。
何をどうみても『バザー』としか思えない
地面にシートが敷かれ、食べ物や服など様々なものが並んでいて人がいる
「オジジちょっと代表のところ行ってくる」
「ああ、レイシェルさんの?」
「嫌な顔されるんだろーな、楽しみ」
ケラケラと笑いながら、着物の袖を揺らしてどこかへ消えた
「ラウさん、レイシェルさんってオジジさんとは親しいんですか?」
「古い縁があるようですがレイシェルさんって女性なので……」
「女性の人とも交流あるんだ!?」
「不思議なことにあの人たち出会えるのですよね」
「不思議?」
「片方が出会いたい意志が無いなら、永遠に会えないものなんですが……」
『そこの着物のおにいさん、何かいるものある?』
お爺さんというには少し失礼なくらいの年齢の男性が声をかけてきた
見たところ饅頭や衣類、そしてなぜか線香
「えっなんで線香?」
『おっと死にたての坊やか、これは宗教によるが死んだら線香って食い物だからな』
「食べるんですか!?」
『おーよ、タバコみたいなもん』
「彼はまだ空腹を感じるようですので、食料を分けてくれますか?」
『それ先に言えよ!!何かアレルギーとかある?』
「え、とくには……」
店主(?)は袋に慌てて饅頭やお菓子を詰めだした
そして隣の店にいって何やら大慌てで伝えている
死に立てで空腹を感じる、という事が大事らしく伝言ゲームである
「あの、そんなに珍しいのでしょうか?」
「死ぬ人は毎日いますけど空腹を感じる人ってめずらしいですね」
「僕はどうして感じるんです?」
「若い人で自殺以外の方だとそういう事多いみたいですよ」
話していると、大勢が押し寄せてきてラウの後ろに隠れた。
「おいおい、隠れなくってもいいだろ、あと何で俺じゃないんだ」
「ラウさん安心するから、つい」
「有難うございます」
ラウはヒカリにドヤ顔をしている
『ほら、急いでかきあつめた食料!あとタオルとか、いるだろ?』
『何かあれば頼っていいからね!?』
『どうせ余りものだ、沢山あるし俺たちは困ってない』
男も女もいて、老人から子供のような人までが沢山の袋を差し出して来た
「お礼言っとけ?」
「ありがとう、ございます」
「……店主さん」
『ん?』
「3・11への供物ってどこですかね?」
『はぁ!?』
口々に驚きの声をあげているが
何で皆驚いているのだろうか、と
彼は日付を言っただけなのに注目がひどく集まった
自分が死んだ日というだけなのにと不思議に思う
「線香を一本でもいいので、渡しておくべきかと」
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