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16話 魔物
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『魔物が出た!!』
外で警告のような声が聞こえた
「え、この世界に魔物がいるんですか?」
「いますよ、大半の方には関係無い事ですが」
「何故です?」
「魔物が出た所で傷つかない人が多いんですよ『攻撃が当たらない』ので」
「……僕に当たった、り」
「する」
「え」
「しかし基本的には中まで入って来たりしないから大丈夫ですよ」
「外にでない方がいい?」
「今は止めとくのがオジジのおススメ」
レストランの中から出ようとしていた者たちも魔物でたねー何て会話をして元居た席に戻って行くのが見えた。
「あなたは、まだ『死が浅い』だから生前に感覚が近くしばらくは生きていた頃と同じように暮らす事をおススメします」
「こんどは消滅しねぇといいがなぁ――――」
えっ消滅?
死んでいるのに何だかさっきから恐い単語が多い
「不必要に脅えさせないで下さい」
「でも状況確認だって大事だろ?」
「消滅って魔物に消されるとか、そういう事ですか?」
「望まなければ消されませんよ」
消されることを望む、それも死んでから?
生きているなら自殺するのも分からなくもない
恭平だって海を見ていた時に飛び込んでやろうかと少しは思っていた
周りの会話が聞こえてくる
『今回長いねー』
『怪我人とか出て無きゃいいけど』
『ハンターさんも、よくやるよねぇ』
「ハンター?」
「ああ、魔物と戦う人々の事ですよ」
レストランの中に剣を持った男が入って来て
「魔物は討伐しました!」
「うわっ」
まるでRPGのようだといきなり出て来た剣に驚きの声をあげた。
現実ではコスプレか、今時軍人でも刀なんか持っていないだろう。
そして声がしたので剣の男が恭平の方へ向いた
「……うん?男色家の集落に新しく来た!?」
「そっうです」
どうにも、まだ慣れない、男色家だと言われる事が恐い
また気持ち悪いと言われたらどうしよう合わせなければと
もう無いのだろうか?
「俺はヒカリ、宜しく」
「漢字は光るの?」
「いやカタカナでヒカリだよ」
「苗字は?」
「……」
「えっと、聞いちゃ駄目な事でしたか!?」
「まぁヒカリさんって覚えていてね」
触れてはいけないものに触った空気になり、恭平は助けてという意味でラウの袖をひっぱった。
「彼は平成に亡くなった子で名前は恭平です」
「平成中期!?それがどうして今まで転前に来なかったのか気になるけど、好きな人にでも憑りついていたって所かな」
「僕はその、覚えて無くて……」
「死因も?」
「それは溺れて、死にました」
「海難事故とかかい?」
入江がトントンとヒカリの肩を叩いた
知り合いらしくお久しぶりですと声をかけあっている
そして最後に
「この子が死んでしまったのは2011年の3月11日、意味は分かる?」
「えぇ!?永く現世に留まる人は確かにいるけど両極端な場合が多いのに」
「オジジも『まだいるか』と『何で今?』って思った」
随分親しげで、入る隙がなくなんとなく恭平はラウの後ろにかくれた。
するとラウは嬉しそうにヒカリと入江に割り込む
「まだ来たばっかりだから、いろいろと教えてあげるのを手伝ってください」
外で警告のような声が聞こえた
「え、この世界に魔物がいるんですか?」
「いますよ、大半の方には関係無い事ですが」
「何故です?」
「魔物が出た所で傷つかない人が多いんですよ『攻撃が当たらない』ので」
「……僕に当たった、り」
「する」
「え」
「しかし基本的には中まで入って来たりしないから大丈夫ですよ」
「外にでない方がいい?」
「今は止めとくのがオジジのおススメ」
レストランの中から出ようとしていた者たちも魔物でたねー何て会話をして元居た席に戻って行くのが見えた。
「あなたは、まだ『死が浅い』だから生前に感覚が近くしばらくは生きていた頃と同じように暮らす事をおススメします」
「こんどは消滅しねぇといいがなぁ――――」
えっ消滅?
死んでいるのに何だかさっきから恐い単語が多い
「不必要に脅えさせないで下さい」
「でも状況確認だって大事だろ?」
「消滅って魔物に消されるとか、そういう事ですか?」
「望まなければ消されませんよ」
消されることを望む、それも死んでから?
生きているなら自殺するのも分からなくもない
恭平だって海を見ていた時に飛び込んでやろうかと少しは思っていた
周りの会話が聞こえてくる
『今回長いねー』
『怪我人とか出て無きゃいいけど』
『ハンターさんも、よくやるよねぇ』
「ハンター?」
「ああ、魔物と戦う人々の事ですよ」
レストランの中に剣を持った男が入って来て
「魔物は討伐しました!」
「うわっ」
まるでRPGのようだといきなり出て来た剣に驚きの声をあげた。
現実ではコスプレか、今時軍人でも刀なんか持っていないだろう。
そして声がしたので剣の男が恭平の方へ向いた
「……うん?男色家の集落に新しく来た!?」
「そっうです」
どうにも、まだ慣れない、男色家だと言われる事が恐い
また気持ち悪いと言われたらどうしよう合わせなければと
もう無いのだろうか?
「俺はヒカリ、宜しく」
「漢字は光るの?」
「いやカタカナでヒカリだよ」
「苗字は?」
「……」
「えっと、聞いちゃ駄目な事でしたか!?」
「まぁヒカリさんって覚えていてね」
触れてはいけないものに触った空気になり、恭平は助けてという意味でラウの袖をひっぱった。
「彼は平成に亡くなった子で名前は恭平です」
「平成中期!?それがどうして今まで転前に来なかったのか気になるけど、好きな人にでも憑りついていたって所かな」
「僕はその、覚えて無くて……」
「死因も?」
「それは溺れて、死にました」
「海難事故とかかい?」
入江がトントンとヒカリの肩を叩いた
知り合いらしくお久しぶりですと声をかけあっている
そして最後に
「この子が死んでしまったのは2011年の3月11日、意味は分かる?」
「えぇ!?永く現世に留まる人は確かにいるけど両極端な場合が多いのに」
「オジジも『まだいるか』と『何で今?』って思った」
随分親しげで、入る隙がなくなんとなく恭平はラウの後ろにかくれた。
するとラウは嬉しそうにヒカリと入江に割り込む
「まだ来たばっかりだから、いろいろと教えてあげるのを手伝ってください」
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