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15話 ゴーストレストラン

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「それより、レストランに来たんだから腹すかせてないか?」
「お腹すきました」
「相席しても?」
「俺も食べるー」
「入江さんもいたのか」
「おひさだね、円満にやってるの?」
「まだ死にたてなので」

死にたてって言葉あるのか、なんて思ってたら店員が来た

「ご注文はお決まりですか?」
「あ、えっと」
「好きな物たのんで大丈夫ですよ」
「じゃあ『ハンバーク定食』で」
「私オムライスで」
「俺ちゃんはパフェ」

甘いものが好きなのは分かったが、何故朝ごはんにパフェ?
胃もたれが心配だが幽霊に胃もたれも無いとすぐ結論に至った


……奈良産まれの人ってパフェ食べるの?






―――――――――――――――――――――――――
下らない話をしていると

「お待たせいたしました、どうぞ」

普通に店員は注文品を置いてそそくさとどこかへ


「お金って、本当に大丈夫なんでしょうか」
「食べてくれる人って貴重で案外ゆるいんです」
「へ?」
「人はやらなくてもいい事であればやらなくなるんです、料理作りたくても食べる相手がいなくて困るって結構ここではききますから」

天国ではお腹がすかない、確かに恭平にもそのイメージのほうがずっと強かった。
とはいえ亡くなった祖父に線香をあげるのもよく分からず行っていた為に曖昧も曖昧だ。
料理に口をつけるとハンバーグは普通に美味しい、味も歯ごたえも感じていた。

「ほんとにアの世……?」
「混乱してしまうのも分かります、というか殆どの人が自分が死んだ事をしっかり自覚するまで時間がかかるのですよ」
「俺ちゃんがここに来た時はまだレストランって無かったからさ~?食料配給ってイメージだったのよ」
「何だか戦時中みたいな響きですね」
「実際そうよ?戦に戦、また戦で農民だって飢えていたんだからさ」
「その頃から、食料を配ってたんですか?」
「うん」

パフェのコーンをさくさくと食べつつ、平安産まれの男は何でもない事のように話す
転前ではよくある事のようで特に周りは恭平たちに注目する

事もあった、良く周りをみてみれば興味の眼があちらこちら

「目立ってません?」
「いやーそりゃ、着物だし俺ちゃん」
「平成でも着物の人がいたら見るっしょ」
「見ます」

レストランに着物の人が来たら、そんなの気になるに決まっている。
何の仕事をしているならレストランに着物で来るような事に成るのだろうか?
恭平の中では落語家くらいしか思いつかなかった。
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