12 / 50
12話 無念の痛み
しおりを挟む「負けると、思わなかった!」
子供チームが全員でハイタッチをしている
「いえー!」
「やったな!」
「うん!」
別に大人チームが手を抜いていた訳ではない
「それだけ、勝ちたいって思ったんでしょうね」
「足も玉をすごい早くて驚いたんですが……」
「ここは『想い』の場所だからねぇ、心の強さがそのまま強さなのよ」
「そうで……えっ」
サッカーボールを持ってきた子供が、倒れた
「お、おいどうした!?」
「……くる、しい」
「落ち着け、もう大丈夫だから!」
恭平が駆け寄ろうとすると、何故か入江に止められた
「何するんです!?」
「お前さんこそ世界に来たばかりで何が出来る?この世界だとよくある事だ」
「でもっ苦しいって!!」
「いいんだよ」
「何で!?」
「……サッカーやって、苦しいって想いをするのも『やりたくて出来なかった事』だからだよ」
「え、え?」
入江だけでなく、ラウも同じように遠くから子供たちを見守っていた
「……ありがと、も、だいじょうぶ」
「家まで運んでやるよ、オイラは良い奴なんだ!」
「本当に良い奴なの笑えるな」
子供たちは集落へ戻っていった
「やりたくて、出来なかった……?」
「お前さん最初、オジジの事を『気持ち悪い』っていっただろ?」
「うっ、本当にその」
「あーもう気にしてないから大丈夫、けどな?それよりお前さんのその言葉で今まで誰か傷つけてきた可能性に気付いてるか?」
「え」
「他の奴と一緒に、気持ち悪いって合わせてきたんだろ?男色家なんてお前さんみたいに隠れてる奴だって多いからな……お前さん『自分もそうだ』って言えてたらって考えたことあるかい?」
「えっと、釣りをしていた時に、考えてた、かも」
「じゃあ賛同者しかいない傷のない『自分もそうだ』がお望みかい?そのあと受けるであろう『気持ち悪い』の声も巻き込んで後悔してないか?」
「そんな事……」
===========================
誰だっけ、誰かが言ったんだホモかよって
「あんな奴らと一緒にしないでよ、気持ち悪い」
浮きたくない、友達でいてほしい、だから合わせただけで
それらは全て自分の言い訳
否定されるのが恐い、だから間違って無い
でも、今伝えていたら。どうなっていただろう?
『やっぱりか』
『気持ち悪ぃ』
『え、まじで?』
友達は嫌がっただろうか、嫌がっても、言えなかった後悔
===========================
想いが、形になるのなら
「痛みも後悔の一つなのか……そっか」
「ただ心配は心配よ?ああいう子は『治る』イメージ沸かない事もあるから」
「え」
「彼らがいるから、大丈夫ですよ、それに彼には目的がありますし」
「目的?」
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
よしき君の発見
理科準備室
BL
平成の初めごろの小3の男の子のよしき君は和式でのうんちが苦手で、和式しかない小学校のトイレでのうんちで入学以来二回失敗しています。ある日大好きなおばあちゃんと一緒にデパートに行ったとき、そこの食堂で食事をしている最中にうんちがしたくなりました。仕方なくよしき君はデパートのトイレに行ったのですが、和式は開いていてももう一つの洋式のはいつまでも使用中のままでした・・・。
お兄ちゃんと内緒の時間!
成瀬瑛理
BL
「お兄ちゃん、○○って何?」小1の弟から突然そんなことを聞かれた俺は……!
*友達のお兄ちゃんからある言葉を教えてもらった小学一年生の弟は、初めて知る言葉を年の離れた高校生の兄に尋ねると兄は弟にその言葉の意味を教えるが――。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!
しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎
高校2年生のちょっと激しめの甘党
顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい
身長は170、、、行ってる、、、し
ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ!
そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、
それは、、、
俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!!
容姿端麗、文武両道
金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい)
一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏!
名前を堂坂レオンくん!
俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで
(自己肯定感が高すぎるって?
実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して
結局レオンからわからせという名のおしお、(re
、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!)
ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど
なんとある日空から人が降って来て!
※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ
信じられるか?いや、信じろ
腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生!
、、、ってなんだ?
兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる?
いやなんだよ平凡巻き込まれ役って!
あーもう!そんな睨むな!牽制するな!
俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!!
※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません
※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です
※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇♀️
※シリアスは皆無です
終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします
猫が崇拝される人間の世界で猫獣人の俺って…
えの
BL
森の中に住む猫獣人ミルル。朝起きると知らない森の中に変わっていた。はて?でも気にしない!!のほほんと過ごしていると1人の少年に出会い…。中途半端かもしれませんが一応完結です。妊娠という言葉が出てきますが、妊娠はしません。
バッドエンドの異世界に悪役転生した僕は、全力でハッピーエンドを目指します!
あ
BL
16才の初川終(はつかわ しゅう)は先天性の心臓の病気だった。一縷の望みで、成功率が低い手術に挑む終だったが……。
僕は気付くと両親の泣いている風景を空から眺めていた。それから、遠くで光り輝くなにかにすごい力で引き寄せられて。
目覚めれば、そこは子どもの頃に毎日読んでいた大好きなファンタジー小説の世界だったんだ。でも、僕は呪いの悪役の10才の公爵三男エディに転生しちゃったみたい!
しかも、この世界ってバッドエンドじゃなかったっけ?
バッドエンドをハッピーエンドにする為に、僕は頑張る!
でも、本の世界と少しずつ変わってきた異世界は……ひみつが多くて?
嫌われ悪役の子どもが、愛されに変わる物語。ほのぼの日常が多いです。
◎体格差、年の差カップル
※てんぱる様の表紙をお借りしました。
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる