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10話 境界線
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コンコン
「ノッ?はーい」
「……」
恭平にはテントをノックする音が聞こえ、外に出た。
今時より少し古い恰好をした男性……男性?
恭平が固まったのはメイクもばっちりでスカートにハイヒールの、いわゆるテレビでみる男が好きな人たちに分類されそうな見た目の来訪者だったからだ。
オネェタレントとやらが記憶に新しい。
「あらぁ噂通りのチョー可愛い坊やだわ~!」
「ええと、どなた?」
「アタシはねぇミツネっていうの、源氏名でごめんなさいね」
「源氏名って何ですか?」
「ニックネームみたいなものよ、本名だとごつくって嫌なのよ~」
ぬっ、と間にラウが入り込んだ
「お久しぶりです、ミツネさん」
「相変わらずいい男ねぇ」
「彼に用事ですか?」
「そうよぅ、転前の集落にもいっぱい種類があるって説明もうしたの?」
「それならまだですよ」
たしかに、ここにはホモ───ではなく男色家しかいない
『普通』の人はどこへいくのだろうなと首をひねった
そして自分が何を基準にここに来たのかも、男が好きなものは皆ここにきているのならば目の前にいるオネェの人はなぜ違う集落なのだろうかと
そして生涯で初めて、いや死んでいるのだが生で見たオネェは威圧感が強かった。
「ここの集落とアタシ達の集落とっても近いのよ、だからよかったら遊びに来ないかしら?」
「それ、は」
「時間はたっぷりあるんだし、死にもしなければ苦しい事もないわよ?あなたみたいな可愛い子なら皆々大歓迎してくれるわ!」
「僕ちょっと、女の人苦手で」
「アタシおちんちんあるわよ、見る?」
「……」
経験値の浅い恭平には何を答えていいのかわからず沈黙するしかなかった
助け舟が出てくる
「ほかの集落は何もあなたがただけではありませんし、彼はまだ来たばかりで疲れているのですよ」
「そお?じゃあ気が向いたらきてちょうだい!皆可愛がってくれるわよ」
「考えて、おきます」
嵐のように来た彼女は、嵐のように去り、恭平は一息ふうと息を吐いた。
「ほかの人と出会いたくないならば、こういうのもおすすめです」
ラウは『入り絶』と書かれた札を懐から取り出して、天井から垂れ下がるランプの下につるした。
「これ、何ですか?」
「簡単にいえば外から中へ干渉できなくなる札です、閉じこもりたいときはお使いください」
「ありがとうございます、でもいいんです」
「そうですか?」
「まだ、ほかの人が誰か……何か言ってくるかもしれない、から」
「では、外しますね……よいしょ」
「おーい!!」
外から再び声が聞こえてきた。
「ノッ?はーい」
「……」
恭平にはテントをノックする音が聞こえ、外に出た。
今時より少し古い恰好をした男性……男性?
恭平が固まったのはメイクもばっちりでスカートにハイヒールの、いわゆるテレビでみる男が好きな人たちに分類されそうな見た目の来訪者だったからだ。
オネェタレントとやらが記憶に新しい。
「あらぁ噂通りのチョー可愛い坊やだわ~!」
「ええと、どなた?」
「アタシはねぇミツネっていうの、源氏名でごめんなさいね」
「源氏名って何ですか?」
「ニックネームみたいなものよ、本名だとごつくって嫌なのよ~」
ぬっ、と間にラウが入り込んだ
「お久しぶりです、ミツネさん」
「相変わらずいい男ねぇ」
「彼に用事ですか?」
「そうよぅ、転前の集落にもいっぱい種類があるって説明もうしたの?」
「それならまだですよ」
たしかに、ここにはホモ───ではなく男色家しかいない
『普通』の人はどこへいくのだろうなと首をひねった
そして自分が何を基準にここに来たのかも、男が好きなものは皆ここにきているのならば目の前にいるオネェの人はなぜ違う集落なのだろうかと
そして生涯で初めて、いや死んでいるのだが生で見たオネェは威圧感が強かった。
「ここの集落とアタシ達の集落とっても近いのよ、だからよかったら遊びに来ないかしら?」
「それ、は」
「時間はたっぷりあるんだし、死にもしなければ苦しい事もないわよ?あなたみたいな可愛い子なら皆々大歓迎してくれるわ!」
「僕ちょっと、女の人苦手で」
「アタシおちんちんあるわよ、見る?」
「……」
経験値の浅い恭平には何を答えていいのかわからず沈黙するしかなかった
助け舟が出てくる
「ほかの集落は何もあなたがただけではありませんし、彼はまだ来たばかりで疲れているのですよ」
「そお?じゃあ気が向いたらきてちょうだい!皆可愛がってくれるわよ」
「考えて、おきます」
嵐のように来た彼女は、嵐のように去り、恭平は一息ふうと息を吐いた。
「ほかの人と出会いたくないならば、こういうのもおすすめです」
ラウは『入り絶』と書かれた札を懐から取り出して、天井から垂れ下がるランプの下につるした。
「これ、何ですか?」
「簡単にいえば外から中へ干渉できなくなる札です、閉じこもりたいときはお使いください」
「ありがとうございます、でもいいんです」
「そうですか?」
「まだ、ほかの人が誰か……何か言ってくるかもしれない、から」
「では、外しますね……よいしょ」
「おーい!!」
外から再び声が聞こえてきた。
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