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7話 テントの生活

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恭平への自己紹介も終わり、解散になってこの後の案内は誰に頼みたいかと聞かれてラウに頼むことにした。

「ラウさん、あの」
「何です?」
「僕もラウさんと同じようなテントがほしい、です」
「ああ、すこし目を閉じていてください」


目を閉じて、10秒もせずに開けていいと言われたので開けた
テントが建築されており中を見てみると必要最低限の寝袋やタオルなどの生活に必要そうなものが揃えられていた

「凄い」
「これくらい、慣れれば出来ますよ」
「僕は何かを想像するって苦手で、一生出来なかったらどうしよう・・・・・・」
「一生ではありませんよ、もう死んでいますよ」
「そうでした」

死んでいるといわれなければ自覚できない
息もしているし触れれば肌で感じる
お化けになった感じ、なんて思ったよりあっさりしているようだ。

ラウはテントの中で布を敷くと、恭平を手前に座らせた

「でも、ここでの一生というのならば困ることはありませんよ?私がいますから」
「え」
「私はずっと、愛を受け止めてくれる方を待ち続けていたのです。今までここに来た方々はすぐ転生するか『タチ』の方々でしたからね」

転生は分かるが、そのあとのタチとは何だろうか
しかしすぐに聞くための声が出てこない
大学生になってから人と話をするのをだいぶ避けていた為
それでも何とかお腹に力を入れて手のひらを握りしめて言葉を出す

「え、と!」
「質問ですかね、なんでもどうぞ」
「タチってなんですか?」
「うーん、男色家にも『したい側』と『されたい側』がいまして」
「男色ってホモの事ですよね、タチっていうのは?」
「タチは『愛したい』なんです」
「愛したい人のほうが、多い?」

愛したい人が多いなど自分のイメージと逆で、テレビに出る男が好きな男の芸能人などは女性のようで、そういう人たちは皆男に『愛されたい』のだと思っていた。
少女漫画のようにイケメンに愛されたいと、愛してくれる人が欲しいのだと

「それと大事な話をもう一つ、男が好きであるという言葉として『ホモ』というのは今後やめること」
「え?何故でしょうか?」
「一番大きな理由は誤解されない為、いまではホモというと『男が好きな男をからかう言葉』として認識している人が大勢いらっしゃいますので」
「え、じゃあ何て言ったら?」
「この集落では『男色家』が最も多いですね、現代では『ゲイ』が一般的らしいですが」
「なら男色家で、ちなみにホモって使うとどうなります?」
「スキンヘッドの人にハゲって言ったみたいな空気になります」
「やめます」
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