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3話 異世界転生する前に
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大きく黄色いテントの中に案内され、座布団の上に互いに座る
「ここは私の家です」
「えーと」
家と言うには狭く、部屋の隅っこに布団とカバンと机があるのみ
「お腹がすかないので、私の家に水や食料は置いていません」
「服とかも無いの?・・・・・・無いんですか」
「タメ口とやらで構いませんよ、同じ穴の狢です。それと服も汚れる事もなく興味もあまりなくて」
「よごれない?」
「現世のオバケだって何日も何年も同じ服着てますよ」
「そういえば」
恭平が着てる服は、少し特殊で父のツテがあって作ってもらったオーダーメイド製である。
だが、何年もさまよい挙句にそもそも溺死だったはずの服は元に戻っていた。
「オシャレがしたいという欲があるならば、今日はあの服が着たいと念じてみてください」
「念じて?」
「空中にあるリンゴを想像して掴んでみてください」
やってみると、現れるリンゴ
「え!?」
「生きてるものだけは無理ですが林檎くらいなら簡単にだせますよ」
「なんでもできるんですね・・・・・・ここ」
「すぐに窮屈さには気づくと思います、想像したものした作れないのは過酷なこともありますから」
何でも出来そうなのにと思ったが
想像したものしか手に入らない
漫画も雑誌も誰かが作ってくれた物だ
「もしかして、あらゆるものを自分でつくる必要がある?」
「そうです」
上手くイメージできないとどうなるのやらと
言葉で表すのは難しいものを想像して握ろうとしたが何も現れなかった
「現れるイメージが出来ないなら無理ですよ」
「そっか・・・・・・天国って思ったより不便」
「あと、ここは「転前(てんまえ)」と言って、転生する前に一時的に暮らす場所なんです」
転生する、死んでるのだから転生は分かる
だが一時的にというイメージがない
「僕は来世でカエルとかになったりする?」
「出来ますけどお勧めしません」
「何で?」
「選べるんですよ、転生する世界」
「世界を選べるって何!?」
「来世では女性に生まれたい!って女になれる世界に飛び込んだ方もいます」
確かに女性になればホモって言われることも無いのかもしれないと少し魅力はあった
「転生してみたいかも」
「でも、ここにいる方々とは二度と会えません」
「何で!?」
「異世界には異世界の天国や地獄、つまりあの世のルールがありますから、ここには戻れません」
「・・・・・・いつまで、僕はここにいていいの?」
男が好きだと言うだけで嫌がられない世界は魅力だが、既にいまの場所は願いが叶っていた
せっかく出会えた優しく同じ心を持ったものかと離れるのは寂しかった
単純にラウに、惚れたというのもあったのかもしれない
「何時まででも、私たちは貴方を歓迎していますから」
「ここは私の家です」
「えーと」
家と言うには狭く、部屋の隅っこに布団とカバンと机があるのみ
「お腹がすかないので、私の家に水や食料は置いていません」
「服とかも無いの?・・・・・・無いんですか」
「タメ口とやらで構いませんよ、同じ穴の狢です。それと服も汚れる事もなく興味もあまりなくて」
「よごれない?」
「現世のオバケだって何日も何年も同じ服着てますよ」
「そういえば」
恭平が着てる服は、少し特殊で父のツテがあって作ってもらったオーダーメイド製である。
だが、何年もさまよい挙句にそもそも溺死だったはずの服は元に戻っていた。
「オシャレがしたいという欲があるならば、今日はあの服が着たいと念じてみてください」
「念じて?」
「空中にあるリンゴを想像して掴んでみてください」
やってみると、現れるリンゴ
「え!?」
「生きてるものだけは無理ですが林檎くらいなら簡単にだせますよ」
「なんでもできるんですね・・・・・・ここ」
「すぐに窮屈さには気づくと思います、想像したものした作れないのは過酷なこともありますから」
何でも出来そうなのにと思ったが
想像したものしか手に入らない
漫画も雑誌も誰かが作ってくれた物だ
「もしかして、あらゆるものを自分でつくる必要がある?」
「そうです」
上手くイメージできないとどうなるのやらと
言葉で表すのは難しいものを想像して握ろうとしたが何も現れなかった
「現れるイメージが出来ないなら無理ですよ」
「そっか・・・・・・天国って思ったより不便」
「あと、ここは「転前(てんまえ)」と言って、転生する前に一時的に暮らす場所なんです」
転生する、死んでるのだから転生は分かる
だが一時的にというイメージがない
「僕は来世でカエルとかになったりする?」
「出来ますけどお勧めしません」
「何で?」
「選べるんですよ、転生する世界」
「世界を選べるって何!?」
「来世では女性に生まれたい!って女になれる世界に飛び込んだ方もいます」
確かに女性になればホモって言われることも無いのかもしれないと少し魅力はあった
「転生してみたいかも」
「でも、ここにいる方々とは二度と会えません」
「何で!?」
「異世界には異世界の天国や地獄、つまりあの世のルールがありますから、ここには戻れません」
「・・・・・・いつまで、僕はここにいていいの?」
男が好きだと言うだけで嫌がられない世界は魅力だが、既にいまの場所は願いが叶っていた
せっかく出会えた優しく同じ心を持ったものかと離れるのは寂しかった
単純にラウに、惚れたというのもあったのかもしれない
「何時まででも、私たちは貴方を歓迎していますから」
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