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パレット・オチャ編

266話 パレット・オチャ『COMMONEP』夏休みH

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パレット視点


「これで、なん、とか」

夜もほぼ寝れず2週間が経過した
クソ親父には昔から早く退場するよう願っていたがタイミングが最悪だ
疲労は限界ギリギリで現実世界で13連勤した時よりきつい


「お疲れ様です」
「ユメカがこういう風に出迎えてくれたらいいのにな……」

幻覚が見え始めたのは7日目ぐらいである
真夜中であるし忙しさから考えてなるべく来ないように言ってある
髪の毛に触れた気すらしてきた

「パレット様?」
「ひざまくら」
「え?」
「どうせなら『ひざまくら』を」

―――――――――――――――――――






久々によく寝た朝を迎えた
何かおかしい事に気付いたのは布団を剥ぐ前で
ユメカと目がバッチリ合ったのだ

「え゛」
「お目覚めですか?」
「ごごごごごごごごごごごめんッ!!」

すぐに退いたが

「昨夜はもし疲れすぎて眠れないようならと渡されたお湯を持ってきたのですが」
「どうりで部屋にユメカが」
「足がしびれたので少し待っていただいても良いですか」
「僕をどかしてくれてよかったんですよ!?」
「動くと気配で起こすかもしれないと思って」

確かに昔から寝ている間に襲撃が来ないよう警戒していた
とはいえ何時間もひざまくらするのは非常に大変なのは
弟にせがまれた時に10分でギブアップしたからよく知っている

『パレット様』
「すまんじいやが呼んでいるので行ってくる」
「少ししたら自分で部屋に戻りますね」

全国に食料やら布やらを手配したから国民の怒りはたまる
かに思えたがそうでも無かった
父の強い圧政に脅えていた人々は案外手を貸してくれた

『パレット王子――じゃない国王様についていくだけですよ』
『あの鬼のように厳しい人よりずっと楽です』
『命令分かり易いですし』


父親の悪評というか部下を食い物にしてきたツケをさんざん聞いた
自分が国王になり安定させ今まで子供であっても勝手に城に入れば死刑
みたいなのを徹底的に排除した

反感だけ買うし嫌な奴の子供を城へなげいれる何ていう事件が過去にあったりして

「はあぁぁぁぁぁぁぁッ」

シティ系(町を発展させるジャンル)のゲームがいかに楽か
実際に国王の立場となれば忙しくて死にそうである
どうせ出ていく世界と思わなくもない

部屋に帰るとまだユメカがいた。

「お疲れ様です」
「相手できなくてごめんね」
「それよりもうじき夏休みが終わりますが学園に戻れますか?」
「学園には戻るつもりでいる」
「国から離れていいのでしょうか?」
「学園はフタギロ領土だからギリギリだしなにより」
「なにより?」
「このループを終わらせないといけないからな」
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