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パレット・オチャ編
263話 パレット・オチャ『COMMONEP』夏休みE
しおりを挟む『お布団をご用意しました』
2枚しかれた
「ガンタ様も眠った方が」
「俺を隣でいいのかよ?」
「何が?」
「聖女が部屋に招いて二人で―――って」
「大丈夫ですよ」
「男を信頼しないほうがいいぞマジ」
「婚約ルートですら手を出さなかった人ですから」
複雑そうな顔をされた
「よしもう寝る」
「お休みなさい」
「何かあれば叩き起こせよ」
彼が寝てから朝まで何も無かった
入り口に兵士の見張りがいるし
反乱しそうな様子もなく自分も軽く寝て
コケコッコー
庭で鶏が鳴くと共に朝食が運ばれて来た。
『ご朝食をどうぞ』
「有難うございます」
「どうも」
『王子なのに謙虚な方ですね』
「え」
『いえ、パレット様がそうではないというつもりはございませんが』
「学校じゃ大人しい奴だけど実家だと大暴れするなんて事も?」
『ありません』
そこから昼まで大きな事は無く
パレットが学園から帰った瞬間に色々と動き始めた
自分の他に聖女は4人いるのだが
「実は我が国で監禁しててな?」
「私を入れて5人がそろいますね」
「まず魔法が使えなくなった原因は先生とみて間違いない」
「先生ってまさか」
「ドウガン・オサナスギーが世界の崩壊を企んでる」
「嘘だろ敵にまわせる気がしねぇぞあんなの!!」
今まで明確に『敵』と認識『される』事は無かった
「もしかしたら先生にも私たちのような事情があるかもしれない」
「どういう事?」
「繰り返される時間の中から抜け出す方法を知っているのは先生だけだ」
「本当に考えられないようなすごい呪いなのは分かっているつもり―――でも」
「でも?」
ガンタは自分の頭をぐしゃぐしゃとかき
納得がいかない様子だが
パレットに向き直って
「何が何でもお前らを中心にかかってる呪いを解く!」
「え?」
「俺には大きな事とか本当に分からねぇけどそれだけは決めてるからな」
良心に刺さる
「ガンタとはこの世界で一生友達でいよう」
「ちょっと照れる言い方だな」
「第一にやることとして世界情勢を一度安定させなければならない」
「とんでもなくハードル高いけど大丈夫そうなの?」
「先ほど伝書バトでギクザも暴動などが起きていると連絡が来た」
女と酒の国で魔法が使えなくなる
エルフっぽいモチーフであり空を魔法で飛ぶシバエで被害が出るのは当然だ
だがギクザで体験した事に魔法がからむ事はあまり
「魔馬車で貴族とかが国から出られなくなったりした?」
「そういう事だ」
主に女遊びをしに来た男たちが取り残されて国で騒いでいるという事らしい
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