227 / 284
パレット・オチャ編
226話 パレット・オチャ プロローグC
しおりを挟む「今晩、私の部屋に来てほしい」
夜に彼女が部屋に来る事など何度も経験した筈
緊張して心音がバクバクと聞き取れるぐらい五月蠅い
つい割った壺は片付けたしベッドも丁寧に―――
期待しているみたいで恥ずかしい
「こんばんは」
「……入れ」
そこまで話をする方ではないパレットだが
女性経験が無い方の真実がいいの?ほんとうにいいの?と
心の中の自分がとても喋ってくる
「それで、私に用事って何ですか?」
取り逃がしてしまわないように弱い所に取り入ろう
女の子が夜に部屋って改めて考えるとすごい
「少し話がしたくて―――ゅ」
「ゅ?」
「椅子に腰かけて楽にしてくれ」
まずは情報を聞いて同情して好意を少しあげておく
急にキスとかしたらダメ?って聞きかけた
現状でパレットでなくなったら驚くだろうしシナリオ崩壊は困る
「何か入っていたりします?」
「え?ホットケーキならプレーンで焼いたけど(そっちの方が好みだったか?)」
第二人格で喋っちゃった
「やりなおしても?」
「どうぞ」
「そっちの方が好みだったか?」
「求められるのはうれしいですから」
「うれしい?」
「何も聞かずに私を助けてくれた優しい人に、出せるものは身体ぐらいですから」
彼女の方からキスされた
「付き合ってください!!」
「……ごめん」
「どうして!?」
「だって私は人じゃないから」
まるでドラマでも見ていたかのように少女の記憶が流れ込んできた
「パレット様は何をしますか?」
「過去を聞かせてくれ」
「妹にこき使われた日々はつらかったですよ」
「叶絵さんは?」
「へ!?」
「あっごめんなさい!!僕……その事もききたくてつい」
「何故?」
「元の世界にもどっても、その―――仲良くしたいので」
さっさと押し倒せとパレットという内なる人格が
そこまで言ったら告白しろヘタレと言ってくる
年齢差があるものの珍しい事でもない、よね?
「……私は、人間ではないんですが」
「へ?」
「あ、その―――隠していたつもりは無かったのですが」
「人間じゃないって実は宇宙人とか」
「人形なんです」
人形と聞いて?が浮かんだ
「大学に受かったと」
「それは本当です!!」
「友達がいると」
「私の親友は『魔法使い』なんです」
「信じるよ」
「――――シナリオ通りにいきましょう」
まだ聞きたいことが山ほどある
フタギロの王子がまた余計な事を申し出た
身体に聞けばいいじゃないか
セロ:E
お前いよいよ本気出して来たな
「この男を舐めるなよ?」
あれ、なんだか勝手に喋って
「え?」
「初恋はゲームのキャラだったからな」
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
【完結】子供が出来たから出て行けと言われましたが出ていくのは貴方の方です。
珊瑚
恋愛
夫であるクリス・バートリー伯爵から突如、浮気相手に子供が出来たから離婚すると言われたシェイラ。一週間の猶予の後に追い出されることになったのだが……
聖女のわたしを隣国に売っておいて、いまさら「母国が滅んでもよいのか」と言われましても。
ふまさ
恋愛
「──わかった、これまでのことは謝罪しよう。とりあえず、国に帰ってきてくれ。次の聖女は急ぎ見つけることを約束する。それまでは我慢してくれないか。でないと国が滅びる。お前もそれは嫌だろ?」
出来るだけ優しく、テンサンド王国の第一王子であるショーンがアーリンに語りかける。ひきつった笑みを浮かべながら。
だがアーリンは考える間もなく、
「──お断りします」
と、きっぱりと告げたのだった。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは小説の世界だ。
乙女ゲームの悪役令嬢が主役で、悪役にならず幸せを掴む、そんな内容の話で私はその主人公の姉。しかもゲーム内で妹が悪役令嬢になってしまう原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私は所謂モブ。
この世界のルールから逸脱しないように無難に生きていこうと決意するも、なぜか第一王子に執着されている。
そういえば、元々姉の婚約者を奪っていたとか設定されていたような…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる