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ガンタ・パイレーツ編

123話 ガンタ・パイレーツプロローグA

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気が付けば学園の廊下

「ユメカさんは僕のクラスに入る事になりましたよ」
「……そうですか」

前回はリンが騒がしかったが今回はどうだろうか
いくら何でもカモックが騒がしい事は無いだろう
多少不安ではあるが何もなさそうな教室の扉を開けた。



「あ゛あ゛ああああああぁぁ!!」
「……えーと」

カモックがパレットに抱き着いて泣いてる

「何があったんです?」
「それが分からないのよ、ついさっき急に抱き着いて泣き出してね?」
「呪いにでもかかったんですかね?」

想定外の出来事でどうするかと思っていたらカモックがこちらを向いた

「ユメカ……?」
「今日からこのクラスでお世話になるユメカ・マボロシです」
「そっの!!俺が力に……なるから、だから」

扇でペシペシと頭を叩かれた

「ワタクシのクラスにこーんな庶民がいるなんて何を考えてますの?」
「ええと」
「この!!ワタクシこそがクルリーナ・タテロールですわ」

ドヤ顔している
他のクラスメイトも自己紹介していく
やがて全員の自己紹介が終わると


「すまない自己紹介が遅れたがパレット・オチャだ」
「よろしくお願いします」
「……私は庶民だからといって差別したりしないから気軽に頼ってくれ」
「食堂ってどちらでしょうか?」
「ああそれなら私が」

「……ッ俺が案内する!!」
「カモック様?」
「こっちだ」

手を取って無理やり連れて行かれたに近い
間違いなく記憶が残っていると確信はした
しかしリンのように協力してくれるだろうか?


「ありがとうございます」
「困った事があれば俺を……」

水が後ろからぶっかけられた
振り向くとクルリーナがいて
空に成ったコップを握って激おこな様子で

「庶民の癖にワタクシより先に食事を始めるなんてありませんわ!!」
「……申し訳ありません」
「い、いや俺に付き合って貰っただけで」
「ほらクルリーナもカモックも庶民いじりはその辺にしなよ」
「俺はいじってなど……!!」

リンがカモックとクルリーナを連れて行った


「災難だったな、これを使え」

パレットにハンカチを受け取って濡れた髪の毛を拭いた

「あーあ、目ぇつけられちまって可哀想になぁ……」
「カモックも庶民の味方がしたかっただけだろうが裏目に出たな」
「これから大丈夫なのかしらね?」


夕食が終わって自室へ戻る
前回のままで豪華に成っていた
机も椅子もあるしベッドはプレゼントされたふかふかの布団

「入るぞユメカ」
「パレット様?」

その後ろには

「……」

カモックも一緒であった。

「大事な話があるんだそうだ」
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