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3話 攻略対象と悪役令嬢

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「まぁ、このクラスに庶民をいれるなど何をお考えなのかしら?」
「クルリーナさんも自己紹介をどうぞ」
「先生の前ですし一応名前ぐらいは教えt……」


舌を噛んだ、痛そう

「名前ぐらいは教えて差し上げますわ、ワタクシは『クルリーナ・タテロール』でしてよ?」
「ユメカ・マボロシです」
「これでクラスメイトは全部ですよ」


男女比どうなってるんだこのクラス、あと少ないな自分入れて10人しかいない
モブとかいないのか?

=========================

「自己紹介が終わったあとの昼休みにね、ご飯を食べているときにクルリーナっていう悪役令嬢が水をぶっかけてくるの!」
「よくある奴だ」
「すごい性格が悪い、妹も悪役令嬢だからキャラ被ってるんだよねー」

=========================


「思い出した」

タオルでも用意するか、食堂からバックレする?
そうなるとルートから外れる恐れがありそう


「何をです?」
「あっ気にしないで下さい、大した事ではないですから」


ずんずかと王子の一人、攻略するつもりのパレットがこっちに来て

「たとえ庶民でも安心してくれ」
「えっ」
「俺が……間違えた、私が必ず救ってみせる」
「どうしたんですか!?」

友人が熱く『聖女だと分かるまではすごく冷たい対応だったのが手のひら返すの!』と
これのどこが冷たい対応なのだろうか?

「君の事なら校長に聞いた、今まで辛かっただろう?これからは私が導く」
「これルート合ってる?」
「このルートしか戻れないんだ!……ん?」


ん?


「あの、今『ルート』って」


キーンコーンカーンコーンのチャイム、義務教育みたいな合図だな


「昼休みに食堂で話そう!」
「分かりました!」

まさか私以外に、この世界に入った人がいるとは

―――――――――――――――――――――

昼休みの食堂


「僕の本名は七色勇気(なないろゆうき)」
「私は佐々木叶絵です」
「カナエ……うん、日本人だね?年は?」
「まだ18歳で大学が始まったばかりです」
「僕は24歳で社会人、レストランのシェフ」
「えっ凄い!」
「この世界みたいなもので親がレストラン経営しててそのまま跡を継いだ、本当は違う仕事したかったけどね」

どの世界にもそういうのあるなぁ

「この世界がゲームだって分かってる人の発言でしたよね?」
「それは分かってるけど、僕は乙女ゲー詳しくないんだ」
「このあと私はクルリーナに水をぶっかけられます」
「何故」
「……勇気さんもこのゲームやった事ないんですね?」
「え!?カナエさんも無いの!?」
「友達がやったので感想を聞かされただけです」
「僕なんかSNSでネタバレみただけだよ」


クルリーナが近寄ってきた


「とりあえず水をかけられるかどうか、見ていてください(小声」


ずんずんと近づいて


「手がすべってしまいましたワー」


グラスの水が零れて10CCぐらいかかった
何故こんなに少ないのだろうか


「きゃあ(棒)」
「ごめんあそばせ?あなたが生意気にも同じ食事を食べているものですから」
「何てことをするんだ!」
「そんなキャラだったの!?」


キャラ?


「まって、あなたもまさか……日本人だったりする?」
「え、貴方も!?」
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