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地球を快楽で侵略した宇宙人 カイタ編

14話 エンジェ

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これは妻が家に来た日からの話
当時の自分は長期の休暇をとにかく取れと言われていた
だから時間も与えられた家もあった


『お、おじゃまします』
「何もなくて悪いな……好きに寛いでくれ」
『カイタさん』
「何だ?」

冷蔵を開けた彼女はだらだらと汗をかいていた
だが正直な話、泣いているのと見分けが付かないので焦ったのだ
タオルでどうにか拭いた

『私はいいです』
「そんなまだ泣く!?」
『……これ汗ですから』
「なんかごめん」
『それより冷蔵庫の中に食材がカロリーブロックしかないって!!』
「安いし栄養あっていいぞ」
『幸福度は!?』
「―――――だ」

彼女は聞き返した

『……0?えっともう一度お願いします』
「だから0なの、煙草吸ってる時だけ3ぐらいある」
『不感病!?よく私の事を助ける余裕ありましたね!?』
「傘出して家に入れただけだっての」

煙草に火を付け煙を吐いた
彼女はゼリーよりも柔らかくプルプルと波打つ
人より遙かに分かりやすい表情のシグナルだった

『エクス星人にもシェフいますから、ちゃんと美味しいもの食べた方がいいですよ!!味付けの好みとかちゃんと要望を聞いてくれますし』
「味……あーそういやカロリーブロックにもチョコとかあったな」

強引に手をひっぱられてレストランに来た


『ここです!!』
「お腹空いてたのか?まぁ仕方ない奢るさ」
『ご飯を食べると元気になりますよきっと!!』

エクス星人は不思議そうにしながらも奥へと案内してくれた
彼女たちと人間がペアでいるのは滅多に無い
そして混乱の末に

『お医者様デスカ?』
『……違います』
「食べ物の店って月にあるんだな」
『カイタさんは何時から暮らして?』
「キャトられたの3か月ぐらい前だったかな……」
『医者はその間に訪問とかしなかったんですか!?』
「来るたびにウザがってたら来なくなった」

訪問されても何も無いし相手をするのが面倒で下がる幸福度
人間に死なれては困ると訪問しなくなった
ゆっくり暮らさせてもらってやっと現状に気付き始めた

宇宙人が本当にいた事と自分が置かれている現実

『わたしが家に行った時は上がってましたよ?』
「そりゃ医者でもあるまいし?」
『プロにみて貰える事より私の訪問???』
「あいつら押しかけてくるからな」
『???』

お互い、価値観が違うので不思議な会話になった
今では何となく彼女のいいたかった価値観も分かってきた
当時は本当に医者がウザかったのは確かだった


「で、ここってレストランなんだよな?メニュー表ぐらいありそうなもんだが」
『メニュー?』
「レストランには普通ないか?」
『何か食べたい物とか、子供の頃に好きだった食べ物とか』
「チビの頃はオレンジジュースばかり飲んでるけど」
『オレンジジュースですね!!店員さーんオレンジジュースお願いします!!』


5秒後に出て来た

「月だし値段高そう」
『大丈夫ですよ、一つ30円ですから』
「安いねここ」

後から知ったのだが彼らは無償提供をしていたが無償だと人が困惑するので金をとるようになったらしい


『どうぞ』
「俺が飲むのか……美味しい」
『良かったで、え!?』

泣けてきた

「あれ?おかしいな」
『美味しく無かったですか!?』
「いや、久しぶりに美味しいもの食べたから……ほっとして」
『こ、幸福度20!?』
「すごいの?」
『この調子でどんどん上げていけたらいいですね!!』
「そう……か」

ほとんど眠れていなかったのが一気に来て
テーブルに倒れ昏睡である
気が付いたら家で寝かされていた


『起きました?』
「うん」
『食事の用意がありますよ』
「……作ってくれたのか?」
『私はシェフではありませんよ?』
「ええと」

翻訳機能がまだうまく作動していないのだろうと考えていたが
彼女らにとって『シェフ』以外は料理しないのが当たり前だった
仕事はプロがやるものであり自分は違うと


『もしかして翻訳のミスが出てるんでしょうかね?』
「食事はある……んだよな」

ベッドから起きてリビングへ行くとオニギリが

『元・日本人ならこれが一番いいとシェフが言っていました』
「シェフがオニギリ作っていったの!?」
『???』

シェフというのは難しく複雑な料理を作ると思っていたので驚いた
味は普通に美味しかったしツナマヨだった
急いで食べる必要が無いまともな食事は久しぶりである


「……美味い」

それから彼女と1週間ほど生活した、理由はわりと単純で

「家が無い!?……泊まっていけよ」
『?有難うございます』

そこから主にベッドの上で色々と日常的な話した

「エクス星人って雌だけなんだ?」
『そうですよ、でも私は……』
「もしかして実は雄とか?」
『器官は壊れていても雌です』
「そりゃそうだろ、ちんこが機能しなくなったから雌ならジジイども女体化するし」


人生で一番と言っていいほどに穏やかだったと思う
食事もするようになった、のだが驚きの連続だった
ソファーでした何気ない会話もよく覚えている

「エクス星人と同じ物って食べれないの?」
『エクス星人ですか?私の事を食べたいと?』
「そんな恐ろしい事は言ってないけど!?」
『???』

彼女らは共食いするし、それが日常的であり悪ではない

「寿命が3000年?」
『はい、エクス星人の力で引き延ばす事が出来る限界はそれぐらいですね』
「恐っわ」
『長生きはいい事ですよね???』

彼女らと人間の恐怖の感覚は大分違っていた

ある日、求人のサイトを見ていた時だ

「一応、人間が出来る仕事もあるんだな」
『しなくても生活はつづけていけますが?』
「出来れば人の役に立ちたいなって」
『私たちと同じですね』

笑った顔がとても可愛いと思った
幸福度はぐんぐんと回復していく
しかしいつまでも名前が覚えられない(名前が長すぎた)


「名前えーと……」
『無理して覚えなくてもいいですよ、好きに呼んで下さい』
「エンジェとかなら覚えられるんだけどな」
『可愛いですね』

お前がな

「最近は煙草も減ったし元気になれてきた気がする」
『ご飯が美味しいと煙草を吸わなくなる事もあるそうですからね』

同じベッドで寝ていた
起きたら必ず先に彼女が動いていたので不思議に思っていたら
エクス星人は人間より睡眠時間が短く1時間しか寝ない事が多いそうだ


医者が来たのだが

『幸福度がとても上がっているそうで……でも今まさに激下がりしましたね』
「医者は嫌いなんだって俺、言いましたよね?」
『これだけ回復すれば処置もできそうですね』
「帰れって言って……」

『カイタさん』
「どうしたエンジェ?」
『お医者様の処置ぐらい受けたほうがいいかと、地球人みんな受けてるのに』
「え、そう?じゃあ受ける」

日本人に産まれて社畜を経験したら【皆やってるのにお前だけやってない】と言われると弱いのだ、あと惚れた女

『・・・・・・』
「処置ってチンコ触るとかだろ?ほら」

ぬちゃぬちゃされても気持ち悪いだけだった
耳の中にも何か入って来たが

『脳の損傷が激しすぎて改造処置も厳しそうですね』
『駄目かぁ』
「エンジェはこれ出来ないの?」
『私は医者ではありませんよ』
「俺の勉強不足で悪いけど医者でないと出来ないのこれ?」
『普通はそうです』

エクス星人は≪禁止≫が≪ない≫
全てが彼女らの善意だ
道端でエクス星人が地球人を犯すおかしな光景も善意によるもの

脳を支配された地球人は受け入れて幸福

「地球人とエクス星人って価値観、かなり違うんだな」
『何か感じませんか』

まだ医者が俺のチンコをシコってた

「彼女でも無い奴にされてもな」
『???』
『???』

彼女らにはカップルという文化が無く首(足?)を90度曲げた
意味は理解出来るが一途というのは不思議なんだそうだ
医者は帰る前に不思議な話をした


『明日も来ますね』
「なんでだよ、月に一回だったろ?」
『また明日』

本当にエクス星人は強引である







次の日、エンジェの姿は家の中に見当たらなかった

「……?」

食材でも買いに行ったのだろうか、今まで無かった事なのにと不思議に思う
少しだけ時間が経過して朝早くの訪問者が来た
ベルの音に呼び出されて行けば医者がいて


『おはようございます、近頃の幸福度があがった件についてなんですが……』
「アンタ、エンジェの事を何か知らねーか?」
『?』
「別に仲も良くないし知らないよな」
『彼女なら≪処分場≫だと思いますが』
「……」
『それでですね、うわ!?』

医者の話によると幸福度が0を下回って何をしてしまったのか分からずに本当に焦ったらしいが此方はエクス星人ほどに汗が出てパニックだった

「エンジェが殺されるって事か!?何で!?」
『???』
「何も悪い事してねぇだろ!?俺が医者を拒否ったからか!?」
『使用人に使っていたのですか?新しいのを手配しますよ?』
「……エンジェの所につれていってくれ」
『え』
「テメェの処置とか全部つきあってやるよ、だからエンジェの所に連れていけ!!」



処分場で、彼女は処分にSTOPがかけられていた



『どうしたので……』
「俺はお前がいないと幸せになれねぇッッッ!!!!!!」
『何で!?』

向こうからすれば個体や思い出を全く考えない種族なので本気で分からなかったらしい
そして殺されるではなく【自己処分】である
医者が緊急会議を開いたとかは置いて


家に好きな女を家につれて帰った


「焦った、本当に」
『わたしよりもっと出来のいいエクス星人でなくていいんです?』
「俺が惚れのはエンジェなんだよ!!」

初めてのキスをした、ら

『……は、はいいいいい!?』

顔が初めて真っ赤になった
もう本当に赤い宇宙人
いままでファンタジーなクラゲだったけど茹でた蛸

「エクス星人も照れるんだな、なぁエンジェ」
『なんでしょうか?』
「セックスしようぜ」
『私は医者では無いのですが!?』
「地球人は本来、惚れた相手とセックスするの!!……医者じゃなくてもさ、お前に気持ちよくして貰いたい」
『……私の触手を体内に入れたいって事でしょうか?』
「そう」


――――――――――――――――――――

ベッドで裸になった

『流石に資格が無いのでお医者様に教えてもらいながらになりますからね!?迂闊になにかするとエクス星人では人間をすぐ壊してしまうので!!」

ビビビ

「いいよ、エンジェになら壊されたっていい」
『人を壊すなんて駄目です!!』
「俺も出来ればエクス星人を壊してほしくねぇな、エンジェだけは絶対駄目だ」
『……それで幸せになれるなら、いいですよ』

触手に身体を持ち上げられる
ぬるぬると液体を出しながら体内に一つ入ってきた
細い触手だが確かに腹の中にあって

「ッえん、じぇ……♡」
『いっぱい気持ちよくなって幸せになりましょうね!』
「ふ、う……ん♡」

幸せが奥に入ってくる
気持ちがいい、ずっと忘れていた『快楽』だった
尻の中なんて何がいいのか今まで不思議で

でも、エンジェの触手がゆっくり奥をとん♡とん♡する度にビクビク身体が跳ねる


『気持ちいいですか?』
「いっ……もっと、してくれ……あっ♡」

とん♡とん♡ぐちゅ♡

『だいじょうぶ、沢山やりますから』
「ん、ふ、あっ!?♡♡♡」

出てはいなかったが確かにイった
人生で初めての事で何が起きたのか出てもいないしと混乱した
目がちかちかして天井から宇宙が透け見える事に初めて気付いた


『たくさん幸せになれてますね!』

体内に細い触手が増え奥をついてくる、きつい筈なのに幸せで

「お、ほう!?♡♡♡」
『乳首も気持ちがいいそうですよ』
「ど、どうじにされ、ると何かっ!?♡♡♡」

乳首を極細の触手が掴んでぐにぐにと弄ってくる
染み出ている液が乳首の感度をあげていた
男でも感じるのは知らなかったので


「何で、こんなとこでっ!?♡♡♡こんなぁ♡♡♡んん♡♡♡」
『いっぱいビクビクしてて可愛らしいですね』
「うあ!?♡♡♡お、俺がっ可愛い……!?♡♡♡」
『可愛いですよ』

頭と共にチンコまで撫でられて今度は確かに登ってきた


びゅくっ♡♡♡

「で、でたッ……イッたぁ……あっ!?♡♡♡」
『出ましたねーもっと沢山イけますかね?』
「出来、る……ッ!!」

エンジェがしてくれるのが嬉しい
沢山イくとエクス星人は喜ぶ
なら返事はYESしか無かった

『いい子ですね』
「……んあぁ!?♡♡♡」

びゅるるるるっ―――――♡♡♡♡♡















数日後

『ここまで回復するなんて……!』
「可愛い嫁がいるもんでな、それじゃあ面接に行ってくる」
『働かなくてもいいのに』
「外交官がいねーとエクス星人が困るし地球人も困るからな」











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