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彼女が好きだ。大事でたまらない。それの何がいけないんだ。
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彼女は家を出て行った。
報道は私が否定すると収まり、やがてファンの間でも騒がれる事がなくなった。
結婚してからも、彼女に構ってやれる時間は少なく、殆どが夜だった。仕事を終えて帰ると、寂しさが襲ってくる。
3ヶ月ですっかり彼女のいる生活が染み付いてしまった。不摂生な生活に逆戻りし、みるみる痩せた。もともと、これが私にとっての適正体重ではあったのだが。
布団に残る微かな彼女の香りに体が反応した。その事に苛立つ。なんとも使えない。必要ない時にばかりこんなに疼きやがって。
「華、、、。」
下着の中に手を入れる。苦しそうに、脈打っていた。
「華、、華。」
どうしようもなく愛おしいのに、彼女を傷つけ、追い詰めてしまった。彼女を前にすると、途端に反応しなくなるそれはいとも簡単に射精した。
レコーディングの日、精神的ストレスのせいか、声の調子が悪い。しかし、今休んだりすればこの間の報道と結びつけられかねない。ファンとは勝手なものだ。うまく行っている時には誰よりも持ち上げ、何か疑惑が出れば誰よりも騒ぎ立てる。
電話やメッセージを送るが、華から返答はなかった。今どうしているのだろう。
フェスが来週に控えていた。
1時間半、歌い切れるだろうか。
結果、ライブは散々だった。機材トラブルにも対応出来ず、歌詞を飛ばすしまい。
次のライブは中止をした。
ファンからはあれよこれよと噂を立てられ、掲示板などの書き込みも酷かったようだ。私は普段から見ないので、分からないが、マネージャーにそう言われた。
「結婚の事を、噂している人もいるみたいです。」
「どこから漏れるんだ、そんな事。」
「というか、ヤってないのになんで否定しないんですか?」
「ヤったヤってないの問題ではないからだ。」
「いや、大事でしょう?」
「私があの娘を抱けないのが問題なのだ。」
「はあ。動画の彼女めちゃくちゃ可愛かったのに、何でなんですか?処女じゃあ気が重いって事ですか?」
黙っていた。そんな簡単なものでもないのだ。
「もしそうなら、僕は大歓迎ですからね。」
思わず胸ぐらを掴んでしまう。
「調子に乗るな。」
「え、す、すいません。」
抱く事もできず、手放す事も出来ない。彼女を自由にしたかったのに、これではまた幸せを奪ってしまう。
「くそっ。」
帰りに精力剤を買った。彼女がもし帰ってきてくれたら、今度は満たしてあげたい。自分に、彼女の身も心も預けて欲しい。
自宅に戻ると、明かりがついている。
まさかと思い駆け込む。
「華、、、!」
報道は私が否定すると収まり、やがてファンの間でも騒がれる事がなくなった。
結婚してからも、彼女に構ってやれる時間は少なく、殆どが夜だった。仕事を終えて帰ると、寂しさが襲ってくる。
3ヶ月ですっかり彼女のいる生活が染み付いてしまった。不摂生な生活に逆戻りし、みるみる痩せた。もともと、これが私にとっての適正体重ではあったのだが。
布団に残る微かな彼女の香りに体が反応した。その事に苛立つ。なんとも使えない。必要ない時にばかりこんなに疼きやがって。
「華、、、。」
下着の中に手を入れる。苦しそうに、脈打っていた。
「華、、華。」
どうしようもなく愛おしいのに、彼女を傷つけ、追い詰めてしまった。彼女を前にすると、途端に反応しなくなるそれはいとも簡単に射精した。
レコーディングの日、精神的ストレスのせいか、声の調子が悪い。しかし、今休んだりすればこの間の報道と結びつけられかねない。ファンとは勝手なものだ。うまく行っている時には誰よりも持ち上げ、何か疑惑が出れば誰よりも騒ぎ立てる。
電話やメッセージを送るが、華から返答はなかった。今どうしているのだろう。
フェスが来週に控えていた。
1時間半、歌い切れるだろうか。
結果、ライブは散々だった。機材トラブルにも対応出来ず、歌詞を飛ばすしまい。
次のライブは中止をした。
ファンからはあれよこれよと噂を立てられ、掲示板などの書き込みも酷かったようだ。私は普段から見ないので、分からないが、マネージャーにそう言われた。
「結婚の事を、噂している人もいるみたいです。」
「どこから漏れるんだ、そんな事。」
「というか、ヤってないのになんで否定しないんですか?」
「ヤったヤってないの問題ではないからだ。」
「いや、大事でしょう?」
「私があの娘を抱けないのが問題なのだ。」
「はあ。動画の彼女めちゃくちゃ可愛かったのに、何でなんですか?処女じゃあ気が重いって事ですか?」
黙っていた。そんな簡単なものでもないのだ。
「もしそうなら、僕は大歓迎ですからね。」
思わず胸ぐらを掴んでしまう。
「調子に乗るな。」
「え、す、すいません。」
抱く事もできず、手放す事も出来ない。彼女を自由にしたかったのに、これではまた幸せを奪ってしまう。
「くそっ。」
帰りに精力剤を買った。彼女がもし帰ってきてくれたら、今度は満たしてあげたい。自分に、彼女の身も心も預けて欲しい。
自宅に戻ると、明かりがついている。
まさかと思い駆け込む。
「華、、、!」
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