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第七章 愛執編
拷問2★
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拷問官は、ぐったりとしたダーナを今度は仰向けに縛り付ける。両手はまた板の下に交差して縛られ、頭部をベルトで固定される。両脚は今度は板を跨いで、だらりと両側に垂らされ、床に置かれた鉄球に繋がれた。
「痛いぃぃ……痛いぃぃ……」
縛り直されている間中、ダーナは繰り返した。実際、撃たれた背中がひりひりと、まるで皮膚を剥かれたかのように痛い。裸であることの羞恥心など、もうどうでも良くなっていた。
そのダーナの口に、漏斗が充てがわれた。
「――――!!」
いや、と叫びたかったが、漏斗の管が喉深く差し込まれていて言葉にならない。顔を横に向けられないので、目だけで拷問官の動きを追う。と、目の端に、水の入ったバケツが映った。
拷問官がにたりと嗤ったような気がしたのは、錯覚だろうか――彼はすっぽりと覆面をかぶっていたから、顔つきはおろか表情などわからない。
そして口に突っ込まれた漏斗に、どぷどぷと水が注ぎ込まれた。
「がふ……っ!げほがふっがぁぁああ!!!」
喉に注ぎ込まれた水が気管に入り込み、鼻に逆流する。
(死―――ぬ――――!)
そう頭をよぎった瞬間、漏斗が外された。ダーナは激しく咳き込んだ。
「どうした?ほらほら、まだたっぷり残ってるぞ。全部飲むんだよ!!」
「きゃああああっ!!!」
拷問官が耳元で怒鳴り、ダーナは恐怖に泣き叫んだ。バケツはブリキでできていたので、どれだけ残っているのかわからない。
「ひィー―――ッ……ひィー―――ッ……ひィー―――ッ……」
引き攣るような呼吸で必死に空気を肺に入れる。だが、休む間もなく再び口にあの恐ろしい漏斗が突っ込まれた。
「あがああーーー!あがあーーーー!」
叫ぶしかできないダーナの口に、再び水が溢れた。
三度目に、ダーナは視界が真っ白になるのを感じた。
そして気を失った。
「気付いたか」
どれだけ気を失っていたのだろう。拷問官はまだそこにいた。看守もいる。
「仲間の名を言え。でないと続きが待ってるぞ」
「ひ……っ……」
ダーナは恐怖に目を見開いた。拷問官が、天井を見上げたダーナの目の前に漏斗を掲げ、ゆらゆらと振ってみせた。
「仲間、って、なんの……」
そう言いかけたところで、拷問官がダーナの口に漏斗を突っ込んだ。
「あが!」
弁明する暇もなく、また水が注ぎ込まれる。
ダーナは咳き込みすぎて、喉が切れそうだった。毎回、死を覚悟するほど苦しいのに、死ねない。
「――さあ、話す気になったか?」
看守がダーナのすぐそばに顔を近づけて言った。ダーナはとうとうコクコクと頷いた。
「で、仲間の名は?」
「ジェ……イク……」
「あとは?」
(ユーリの名は、言えない……)
「しらな……」
看守が姿勢を正した。
「どうやらまだ足りないようだな」
「えっ」
次の瞬間、拷問官がダーナの鳩尾に拳を振り下ろした。
「ごふっ……げええええええっ――――!!!」
胃にたっぷり溜まっていた水を、ダーナは吐き出させられた。
「さあ!言え!王都に潜んでいる奴らの名前、全部だ!!」
「うう、ヒィッ……ヒィ……ッ……ううう……ヒィッ……」
「言わんともっと痛い目にあうぞ」
「ヒィ……ック……ヒィーーーック……」
喋りたくても、嗚咽が止まらなくて言葉にならない。
看守は拷問官に合図して、手の平に乗るほどの器具を持ってこさせた。
「これが何か、わかるか?」
「ヒィッ……ヒィッ……」
ダーナは必死で嗚咽を飲み込みながら、首を振った。
それは金属でできたなにかの機械で、大人の男のこぶし大の、つるんと丸い蓮の花の蕾のような形状に、取っ手のようなものが付いていた。
「これを、こうするとな」
看守が取っ手を引っ張ると、蕾の部分が八方に逆さまの花びらのように開いた。金属の花びらの一枚一枚には、ぎざぎざの歯がついている。取っ手を戻すと、また元の蕾に戻った。
「これを、ここに――」
ダーナの視界から、蕾が消えた。と、広げられた股の間に冷たい感触が当たる。
「――挿れる」
「いやあああ!!」
蕾の先端がダーナの膣を割って、中に入った。濡れていない膣口がめりめりと軋む。
そのまま看守が一息に押し込むと、すっぽりと胎内に収まった。
「さあ、女。さっき見ただろう?これでこの取っ手を引っ張るとどうなるか」
「――――っ!!」
ダーナは青ざめた。逆向きの花びらが開くと――。
「あ……ああ……あ……」
「そう、花びらがかえしのようになって、お前の穴に喰らいつく。そして開いたまま一気に引っ張り出すと――」
「いや!いやあ!やめて、やめてええ!!」
「ここはもう使い物にならないぜ――」
「やめ、やめええっ、いやーっ!やめてえ!」
「まあ焦るなよ――まだ続きがある。ここをズタズタにしたらな、この台に乗せたまま、階下に降ろしてやる――そして、男の囚人たちの大部屋に入れてやる」
「ひ…………っ…………」
「今、大部屋には五十人はいる。みんな喜ぶだろうなぁ――こんな若い女に、挿れ放題なんだからな」
そう言って、ガシャン!と看守は取っ手を引いた。ダーナの中で残酷な花が開く。
「ぎゃあああああ!」
ダーナは両眼を見開き、四肢をびくびくと激しく痙攣させた。
「言う!言うわ!ぜんぶ言うわ!だから、あああ!」
「早く言え。でないとこのまま引き抜くぞ」
看守が僅かに取っ手を引き出すと、ざく、と歯の感触が膣に食い込んだ。
「いやあああ!ファティマと、ザラよ!」
お願い、王都から逃げ切っていて。そう願いながら、ダーナは彼女たちの名を叫んだ。
「まだいるだろう?毒を盛ったのは誰だ?」
看守はまた少しだけ、花びらを広げる。やわらかく収縮する粘膜を金属の花弁がぎちぎちと押し広げる。
「ぎゃあぁっ!知らない!知らない!!」
「他には誰がいる?女ばかりじゃないだろう!」
「ああ……っ、カスィム……カスィムよ!!」
「他には!!」
「もう、しらない……しらないの、ほんとうよぉぉ!!」
看守はダーナの中に蕾を入れたまま、花弁を閉じた。そのままぬるりと引き出す。ダーナの膣からは、僅かに鮮血が流れ落ちた。
「……まだいるはずだ。これを使って聞き出しておけ」
看守は拷問官に蕾を手渡してそう命じると、拷問部屋を出ていった。
「痛いぃぃ……痛いぃぃ……」
縛り直されている間中、ダーナは繰り返した。実際、撃たれた背中がひりひりと、まるで皮膚を剥かれたかのように痛い。裸であることの羞恥心など、もうどうでも良くなっていた。
そのダーナの口に、漏斗が充てがわれた。
「――――!!」
いや、と叫びたかったが、漏斗の管が喉深く差し込まれていて言葉にならない。顔を横に向けられないので、目だけで拷問官の動きを追う。と、目の端に、水の入ったバケツが映った。
拷問官がにたりと嗤ったような気がしたのは、錯覚だろうか――彼はすっぽりと覆面をかぶっていたから、顔つきはおろか表情などわからない。
そして口に突っ込まれた漏斗に、どぷどぷと水が注ぎ込まれた。
「がふ……っ!げほがふっがぁぁああ!!!」
喉に注ぎ込まれた水が気管に入り込み、鼻に逆流する。
(死―――ぬ――――!)
そう頭をよぎった瞬間、漏斗が外された。ダーナは激しく咳き込んだ。
「どうした?ほらほら、まだたっぷり残ってるぞ。全部飲むんだよ!!」
「きゃああああっ!!!」
拷問官が耳元で怒鳴り、ダーナは恐怖に泣き叫んだ。バケツはブリキでできていたので、どれだけ残っているのかわからない。
「ひィー―――ッ……ひィー―――ッ……ひィー―――ッ……」
引き攣るような呼吸で必死に空気を肺に入れる。だが、休む間もなく再び口にあの恐ろしい漏斗が突っ込まれた。
「あがああーーー!あがあーーーー!」
叫ぶしかできないダーナの口に、再び水が溢れた。
三度目に、ダーナは視界が真っ白になるのを感じた。
そして気を失った。
「気付いたか」
どれだけ気を失っていたのだろう。拷問官はまだそこにいた。看守もいる。
「仲間の名を言え。でないと続きが待ってるぞ」
「ひ……っ……」
ダーナは恐怖に目を見開いた。拷問官が、天井を見上げたダーナの目の前に漏斗を掲げ、ゆらゆらと振ってみせた。
「仲間、って、なんの……」
そう言いかけたところで、拷問官がダーナの口に漏斗を突っ込んだ。
「あが!」
弁明する暇もなく、また水が注ぎ込まれる。
ダーナは咳き込みすぎて、喉が切れそうだった。毎回、死を覚悟するほど苦しいのに、死ねない。
「――さあ、話す気になったか?」
看守がダーナのすぐそばに顔を近づけて言った。ダーナはとうとうコクコクと頷いた。
「で、仲間の名は?」
「ジェ……イク……」
「あとは?」
(ユーリの名は、言えない……)
「しらな……」
看守が姿勢を正した。
「どうやらまだ足りないようだな」
「えっ」
次の瞬間、拷問官がダーナの鳩尾に拳を振り下ろした。
「ごふっ……げええええええっ――――!!!」
胃にたっぷり溜まっていた水を、ダーナは吐き出させられた。
「さあ!言え!王都に潜んでいる奴らの名前、全部だ!!」
「うう、ヒィッ……ヒィ……ッ……ううう……ヒィッ……」
「言わんともっと痛い目にあうぞ」
「ヒィ……ック……ヒィーーーック……」
喋りたくても、嗚咽が止まらなくて言葉にならない。
看守は拷問官に合図して、手の平に乗るほどの器具を持ってこさせた。
「これが何か、わかるか?」
「ヒィッ……ヒィッ……」
ダーナは必死で嗚咽を飲み込みながら、首を振った。
それは金属でできたなにかの機械で、大人の男のこぶし大の、つるんと丸い蓮の花の蕾のような形状に、取っ手のようなものが付いていた。
「これを、こうするとな」
看守が取っ手を引っ張ると、蕾の部分が八方に逆さまの花びらのように開いた。金属の花びらの一枚一枚には、ぎざぎざの歯がついている。取っ手を戻すと、また元の蕾に戻った。
「これを、ここに――」
ダーナの視界から、蕾が消えた。と、広げられた股の間に冷たい感触が当たる。
「――挿れる」
「いやあああ!!」
蕾の先端がダーナの膣を割って、中に入った。濡れていない膣口がめりめりと軋む。
そのまま看守が一息に押し込むと、すっぽりと胎内に収まった。
「さあ、女。さっき見ただろう?これでこの取っ手を引っ張るとどうなるか」
「――――っ!!」
ダーナは青ざめた。逆向きの花びらが開くと――。
「あ……ああ……あ……」
「そう、花びらがかえしのようになって、お前の穴に喰らいつく。そして開いたまま一気に引っ張り出すと――」
「いや!いやあ!やめて、やめてええ!!」
「ここはもう使い物にならないぜ――」
「やめ、やめええっ、いやーっ!やめてえ!」
「まあ焦るなよ――まだ続きがある。ここをズタズタにしたらな、この台に乗せたまま、階下に降ろしてやる――そして、男の囚人たちの大部屋に入れてやる」
「ひ…………っ…………」
「今、大部屋には五十人はいる。みんな喜ぶだろうなぁ――こんな若い女に、挿れ放題なんだからな」
そう言って、ガシャン!と看守は取っ手を引いた。ダーナの中で残酷な花が開く。
「ぎゃあああああ!」
ダーナは両眼を見開き、四肢をびくびくと激しく痙攣させた。
「言う!言うわ!ぜんぶ言うわ!だから、あああ!」
「早く言え。でないとこのまま引き抜くぞ」
看守が僅かに取っ手を引き出すと、ざく、と歯の感触が膣に食い込んだ。
「いやあああ!ファティマと、ザラよ!」
お願い、王都から逃げ切っていて。そう願いながら、ダーナは彼女たちの名を叫んだ。
「まだいるだろう?毒を盛ったのは誰だ?」
看守はまた少しだけ、花びらを広げる。やわらかく収縮する粘膜を金属の花弁がぎちぎちと押し広げる。
「ぎゃあぁっ!知らない!知らない!!」
「他には誰がいる?女ばかりじゃないだろう!」
「ああ……っ、カスィム……カスィムよ!!」
「他には!!」
「もう、しらない……しらないの、ほんとうよぉぉ!!」
看守はダーナの中に蕾を入れたまま、花弁を閉じた。そのままぬるりと引き出す。ダーナの膣からは、僅かに鮮血が流れ落ちた。
「……まだいるはずだ。これを使って聞き出しておけ」
看守は拷問官に蕾を手渡してそう命じると、拷問部屋を出ていった。
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