イシュラヴァール放浪記

道化の桃

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第一章 砂漠編

7 競売★

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 それは「隙」だった。
 タリムは空を仰ぎ、射精しきった水夫たちはめいめい甲板に散らばって、ファーリアから目を離していた。
 ファーリアはその一瞬を見逃さなかった。そのまま眠ってしまいたい欲求を封じ込め、残った力を総動員して、ファーリアは音もなく駆けた。
 ざぶん。
「えっ」
 真っ先に海を覗き込んだのはタリムだ。
小舟ボートを下ろせ!」
 タリムが叫ぶ。
「あのバカ……泳げるのか?」
 上着を脱ぎ捨て、タリムは海に飛び込んだ。
 ファーリアは泳げない。辺境の砂漠しか知らずに育った奴隷は、泳ぐほど大量の水を見たことすらなかった。
(深い……!)
 底に足が着かないことに焦る。必死で水面に顔を出すが、息を吸いきる前に水中に沈んでしまう。
 ファーリアは少し後悔した。浜辺はすぐそこに見えていたが、どうすれば前に進めるのか分からない。
 想像していたよりもずっと、泳ぐことは難しかった。
「がぶっ……」
 片脚が攣って、ファーリアはうっかり水を飲んでしまった。
 そのまま暗い海にこぽこぽと沈んでいく。飲んだ水にむせそうになり、更に水を吸ってしまう。
(まさか、死ぬ……?)
 そう思った時、ぐい、と身体を引っ張られた。そのまま水面まで持ち上げられる。
「……ぷはぁっ!」
 タリムはファーリアを水面に引き上げると、ファーリアの口に息を吹き込んだ。
 げぽっ、とファーリアの口から海水が吐き出される。そのままげほげほと咳き込むファーリアを片腕で抱いて、タリムは小舟まで泳いで舟の上に引き上げた。
「お前、死ぬ気か!」
「こんなに、深いと……思わなかっ……」
 ファーリアはむせながら答える。
「くそっ……なんで僕が、こんな……」
 ずぶ濡れの髪を掻き上げて、タリムは毒づいた。
「君に死なれたら困るからね」
 毛布にくるまれ、水夫に担がれて、船に戻る。
「余興は終わりだ。そろそろ出港しよう。予定通り二日でララ=アルサーシャに着く」
 ファーリアは薄れていく意識の中でタリムの声を聞いた。

 コーヒーの香りでファーリアは目覚めた。
「起きた?飲むかい?」
 タリムが差し出したカップを受け取って、一口啜る。
「ここは、あなたの部屋?」
 そこは美しい内装が施された個室の、ソファの上だった。
 磨き込まれた床には毛足の長い絨毯が敷かれ、壁には優美なデザインのランプが取り付けられている。ファーリアの寝かされていたソファも肌触りのいい天鵞絨張りだ。そう広くはないが、船員たちの船室に比べたら別格の広さと設備だ。
「あなたは、何者なの?」
 タリムはソファの背もたれに軽く腰掛けて、相変わらずにこにこと微笑っている。この人はこの笑顔を崩すことができなくなっているんじゃないか、とファーリアは思った。
「僕は商人さ。この船のオーナーでもある。これで世界を回って、商品を買い付けては違う国で売る。コーヒー、宝石、麻薬に奴隷……まあ僕は高く売れるものしか扱わないけどね。コーヒー、美味しいでしょう?高品質なコーヒーはもうほとんど作られていないからね。僕のコーヒーは最高級品だよ」
「……あまり飲んだことがないから……わからない」
 ファーリアは正直に答えた。その黒い液体は、苦くて、後味が少しだけ甘くて、とてもいい香りがした。
「君こそ、遊牧民の格好をしていたけど、違うよね?背中の疵痕を見るに、罪人か奴隷か、嗜虐嗜好のある旦那のめかけってところだ。で、その生活に嫌気が差して逃げてきた――どう?合ってる?」
 ファーリアは答えない。
「……でもねぇ、奴隷や罪人ならどこかに焼印があるはずなんだけどなぁ……」
 そう言いながらタリムは、ファーリアの肩に彫られた刺青を指先でなぞった。
 ファーリアは、くるまった毛布の中は裸のままだった。足首には鎖のついた足枷が嵌められている。
「この刺青、砂漠の遊牧民がよく使う模様だよね」
「……」
「君さ、名前はなんていうの?」
「……」
「まあ、答えなくてもいいけどさ。ねぇ君、アルサーシャに着くまで僕の部屋ここで飼ってやろうか?そんな格好で船倉にいたら、奴隷どものエサになっちゃうでしょ」
 タリムはコーヒーカップを置いて、ファーリアに口づけた。
「……っつ」
 ファーリアに噛まれて、タリムの唇からぱたぱたと血が落ちる。
「妾ならもう少し調教されてると思ったんだけどなぁ……やれやれ、見込み違いだったかな。でもね君、凶暴な野良猫よりも躾けられた家猫のほうが、良い客がついて君も楽だよ。覚えておくといい」
 ファーリアは黒い下衣だけ返されて、再び船倉へ戻された。

 イシュラヴァール王国の王都ララ=アルサーシャは、王国の北西に位置する。西に海、南西に砂漠、北を守る山岳の向こうは隣国だ。
 アルサーシャへの玄関口である港町レーに、タリムの船は入港した。
「出ろ」
 タリムが運んできた奴隷は百人近くいた。鎖で繋がれた足枷を更に一列に鎖で繋ぎ、並ばされて船を降りる。
 一歩ごとに、ジャラッ、ジャラッ、と音が響く。子供は歩幅が小さいので着いていくのに必死だ。
(まるで家畜だ)
 列の中でファーリアは思った。そして、かつて同じように手鎖を荷車の車輪に繋がれたまま眠っていたことを思い出した。
 奴隷の競売会場の広場につくと、砂埃の舞う地面に直に座らされる。競りが始まるまで待たされるのだ。待っている間に、奴隷の首に番号を書かれた札が下げられた。
 競りは正午すぎに始まった。
 正午、といっても砂漠の真昼ほどには灼熱ではない。太陽は出ているが、絶えず海風が吹いていて心地いい。
 あちこちから運ばれてきた奴隷は全部で三、四百人ほどに膨れ上がった。客も増え、広場は人でごった返している。
「客は仲買人が半数ほど、あとは直接買い付けに来ている農場主や工場経営者などなど……様々だ」
 タリムが頼んでもいないのにファーリアに説明する。
「貴族やちょっとした金持ち、地方の領主なんかは、普通は直接奴隷市に買い付けには来ない。仲買人がお得意から注文を受けて、条件に合う奴隷を探して買い付けるのさ」
 奴隷たちは一人ずつ台の上に立たされて、その場でぐるりと回らされる。競売人が奴隷の年齢や出自を紹介し、価格を釣り上げていく。
「3000!3100!3500出ました!3500!次はないか?3800!3800ラーナで落札!」
「次、5000ラーナスタート!若くて屈強!5200!5200!5300!……」
 競売人の声がけたたましく響き渡り、客たちも次第に大声になっていく。落札されると、首から下げた札に落札者の名が書き込まれ、奴隷は台を降りる。
「君はこっちだ」
 タリムは、ファーリアの鎖を持った水夫を従えて、広場にある大きなテントに入っていく。
 テントの中はむわっとした熱気に包まれていた。
 明らかに外の競売場と様子が違う。客たちは誰もが羽振りが良さそうだったが、男も女も皆一様に独特の眼つきをしていた。険しく、一分の隙もなく値踏みする、蛇のような眼。
 ぞわり、と背筋に悪寒が走った。
「この人たちは……?」
「女衒」
 ぎり、とファーリアを捕まえている水夫の手に力が入った。
「それから娼館の楼主。このテントの中で取引される女は破格の値がつくんだ」
 前方の壇上では、裸にされた女が競りにかけられていた。
「10万、10万5千、10万6千、次は?次はないか?10万6千!10万8千!あ、12万!12万出ました!」
 確かに、外の価格とは桁が違う。
「くっ……」
 ファーリアはもがいたが、水夫の腕はびくともしない。足枷が重くて蹴ることもできない。
「ばかだなぁ。さすがに二度目はないよ」
 タリムがくすっと笑って言った。
 ファーリアの番号が呼ばれ、水夫に後ろ手に拘束されたまま壇上に引き出される。
「次は……ライラ、推定十七歳、身体が丈夫な遊牧民出身。8万ラーナスタート」
 タリムが、もがくファーリアの髪を掴んで、顔を上げさせた。
 数え切れないほどの蛇の眼が、ファーリアの躰を舐めるように見ている。
(嫌だ……早く、降りたい……ここから逃げたい……)
 ファーリアは屈辱に震える。こんなのは犯されるより酷い。
「ライラ、身体を見せて」
 競売人に言われて、タリムはファーリアの長い下衣の裾に手を掛けた。
「やめて!」
 思わずファーリアが叫んだ。
「うるさいよ」
 タリムがファーリアの鳩尾みぞおちに拳を打ち込む。あまりに素早かったので、観客席からは何が起きたのか見えないほどだった。
「くっ……は」
 衝撃で息が吸えない。痛みのあまり視界が暗くなった。
「……面倒だな」
 タリムは呟くと、脱がすのをやめ、小さなナイフを取り出して下衣の真ん中をまっぷたつに裂いた。
 ファーリアのふんわりと形の良い乳房と、細く引き締まった肢体が露わになる。
「……9万、10万ラーナ、10万5千、12万、13万、13万5千、14万……」
「すごいよ君、どんどん釣り上がってく」
 タリムはにこにこと笑って言ったが、ファーリアは吐き気に襲われて顔も上げられない。
「背中も見せて」
 競売人が言った。
 タリムはちっ、と小さく舌打ちしたが、笑顔は崩さないまま水夫に合図した。
 下衣が完全に脱がされて床に落ちる。ファーリアは観衆に背中を向けて、右腕を水夫、左腕をタリムに掴まれ、ぶら下がるように立たされた。
 一瞬、会場が水を打ったように静かになった。
「――えー、只今の価格、14万……」
「15万」
「16万!」
「17万5千」
 ぽつり、ぽつりと、値を釣り上げる声が響く。
「……へぇ……」
 タリムは面白そうにその様子を見ていた。
「なぁんだ、心配いらなかったな。この国の人間はこういうのもお好みなのか」
「……タリム……」
 俯いたままのファーリアが、ぽつりと言った。
「ん?なんだい?」
「あなたは、どこの国から来たの?」
「……東のほうさ。もうないけどね」
 タ、ターン!と競売人のハンマーが鳴った。
「20万!20万ラーナで落札!」
 タリムは細い目でにっこりと笑った。
「じゃ、これでお別れだね、坊や。儲けさせてもらったよ」

   *****

 砂漠に数カ月ぶりの雨が降った。
 岩場の中は薄暗い。まして雲が垂れ込めた今日のような日はほとんど光が入ってこない。
 ランタンの灯が、岩壁に映し出された影を揺らめかせている。
 ユーリ・アトゥイーは今朝から岩場に籠っていた。
 砂漠の民は、雨が降る予兆は勘でわかる。数日前から(そろそろ降るな)と読んでいたユーリは、年に数回しか降らない雨を安全な場所でやり過ごすために、岩場ここに目星をつけた。果たして読みどおり、ユーリが岩場に到着した数時間後に雨は降り出した。
 雨の日は、常に移動している遊牧民にとって、身動きが取れない貴重な時間だ。
 ユーリは何本かあるナイフの手入れをし、一丁だけ持っている銃を丹念に掃除した。衣類のほつれを縫い直し、革でできた馬具や靴に油を塗り込み、保存食のナッツを炒る。
 そうして最後に、大事に懐に仕舞い込んでいた小さな金属を取り出した。
 棒状の金属に、短い足がついて、それが丸い留め具に差し込まれている。ユーリはそれらを細い革紐で縛って繋げた。
 その時、岩場を訪ねる者があった。
「アトゥイー、いるか?」
 それは同じ部族の男だった。ユーリと同様、この岩場で雨を凌ごうとやってきて、外に繋いだユーリの馬を見つけたのだろう。
「近くの涸れ谷で人が流された。手を貸してくれ」
 男は自分の荷物を岩場の中に置くなり、早口で言った。
「わかった」
 丁度作業が終わったところだった。ユーリはランタンの火を消して、革紐を首に回して後ろで結んだ。
「何だそれは?」
「……願掛けかな」
 首から下げられたそれは、ファーリアの残していった轡だった。
「お前はまだ一人でいるのか。部族には戻らんのか?」
「人を探しているんだ。見つかったら、戻るかもな」
「ほう、人探しとは珍しいことを聞いた。誰だ?一族の者に声を掛けて探させよう」
「いや……今は、一人で探したいんだ」
 ユーリは視線を遠く雨にけぶる地平線に彷徨わせた。
「……まあ、好きにするさ。自由が信条の我が一族だ。――だが、そろそろ悠長なことも言っていられなくなるぞ」
「ああ、ジェイクから聞いている」
 男は頷いた。
「あちこちに人が集まってきている。あと一年も粘れば……」
「……反乱か」
 ユーリの瞳に暗い光がぎった。
「そうだ」
 二人は涸れ谷に到着した。
 普段は砂漠を横切るただの砂礫の道なのに、今日は轟々と大気を震わせながら濁流が流れている。
 その中央、中洲のように僅かに顔を出した部分に、一頭の駱駝と荷車がひとつ立ち往生していた。
「今助けるぞ!しっかり捕まってろ!」
 ユーリは叫んで、ロープの端を自身に結びつけて濁流に飛び込んだ。
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