本好き魔導士の溺愛

夾竹桃

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出発

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ふんふん~♪ ふふふん~♪
うっふっふ~ん♪

「アメリア、朝から、何気持ち悪い歌を歌っているのかしら。気分が悪くなるわ」

 レーナお姉様は頭痛の痛みに耐えるかのように、額に手をあて、顔をしかめている。

「おはよぉ~♪ レーナお姉様」

「ご機嫌ね」

「うん。だって今日から仕事お休みだし、テオバルト様と一緒にお父様とお母様に会いに行けるし、もう、すっごく楽しみ」

「いいわね~、アメリアはいつものんきで。こっちは忙しくて仕方がないと言うのに」

 レーナお姉様は、この頃ずっと忙しそうにしている。
それなのに、突然イザベラ様が亡くなり、その対応にも追われた。
罪人として埋葬されるはずだったイザベラ様だが、急遽変更になり、レーナお姉様が鎮魂の祈りをし、信仰心が篤い一信者として聖教会に埋葬された。
よくわからないけど、色々な思惑があってそう落ち着いたみたい。
テオバルト様は、この件について無言を貫いている。
悲しんではいないか、寂しんではいないか、と色々心配したけど、なんかもう吹っ切れている感じがする。
その証拠に、お継母様とイザベラ様が使用していた別邸を取り壊し始めている。

「本当に、レーナお姉様は大変そうだよね。何かお土産買ってくるよ」

「最高に高級な物をお願いするわ」

「うん……、テオバルト様にお願いしてみる」

「そういえば、テオバルトの浮気疑惑はどうなったのかしら?」

「ああ、あれ。私の勘違いだったと思う。私とテオバルト様は超ラブラブだからね」

 テオバルト様の王宮図書館通いが、なぜかピタリと止まったし、何よりテオバルト様は毎日のように、私にプレゼントをくれる。
そんな私を思ってくれるテオバルト様が、プロポーズしたばかりのテオバルト様が、浮気なんてするはずがない。

「なんか胸やけしてきたわ……」

「私は今から胸がドキドキ、ドキドキしてきた」

「はいはい、もう充分嬉しいのはわかったから。それでお父様とお母様に会ったら、わたくしの手紙を必ず渡して頂戴ね」

「はーい。了解です」

「それで、準備は整ったのかしら」

「うん」

 珍しくレーナお姉様が私を見送るために、玄関まで付いてきた。
玄関には既にテオバルト様が到着していて、私を見つけると軽い足取りで近づいて来た。
そして、ふわっと私を抱きかかえ、頬にキスした。

「おはよう、アメリア」

「おはようございます、テオバルト様」

 私とテオバルト様は見つめ合い、小さな笑みを交わした。
その二人だけの幸せな時を壊すように、レーナお姉様は盛大に、溜息を溢した。

「はぁ゛~~~~、どうしたのかしら、急に吐き気がしてきたわ、わたくし」

「聖女レーナ、早く部屋に戻って休んだ方がいいぞ」

「まぁ、テオバルト様が、わたくしを気遣ってくださるなんて、嬉しいですわ」

「で、何の用だ? 俺にもう用などないはずだが」

「そんなことをおっしゃらないで。わたくしはただ、二人の出発をお見送りに来ただけですわ」

「怪しいな」

「そうかしら。わたくしは、心から二人には幸せになって欲しいの。ですから、テオバルト様、どうかわたくしの両親を必ず説得して下さいね」

「そんなこと、わかっている」

うん? 説得ってどういうことだろう。
私の両親が結婚に反対なんか、するはずないよね?
だって、テオバルト様、公爵様だよ?それも、大金持ちの。
ないない、絶対反対なんてするはずない。
レーナお姉様も、変なところ心配するんだな~。

「何か対策は考えてますわよね?」

「無論だ」

「それは良かったですわ。では、アメリア、テオバルト様、行ってらっしゃい」

 私達は、レーナお姉様に見送られ、馬車に乗車して、教会を出発した。
暫くすると、国都の城壁が見えてきて、それを越えると気持ちいい草原が見えた。
その時を見計らってか、テオバルト様は、魔法で二つの箱を出現させた。
とても既視感がある、大きな箱と中くらいの箱。

「アメリア、俺はこの瞬間をとても楽しみにして仕事に励んできた。だからいいよな? アメリア式の幸せになる時間を俺がこれから体験しても」

 わかっていましたよ、わかっていました。
この長い馬車の旅でテオバルト様がエッチなことを仕掛けてくることを。
もちろん大好きなテオバルト様の要望だから、できるだけ叶えてあげたい。
けれど、この旅は片道だけで5日もある。
その5日全部、テオバルト様のエッチ時間で占められたら、私の身体がどうにかなってしまう。
だから私は、ちゃんとこの日のための対策を練ってきた。

「テオバルト様、私だってせっかくのお休みです。私も幸せな時間を体験したいです」

「それもそうだが……」

「ですので、これからの貴重な休暇をどう過ごすのか、それを決定する良い案があります」

「どんな案だ?」

「それはですね、じゃじゃーん、王様ゲームです」

「王様ゲーム?」

 私はテオバルト様にざっと王様ゲームのルールを説明した。
2本の棒の内、赤い印がある方が王様で、ない方が平民。
その赤印を隠して、お互い棒を引き、王様に当たったほうが、その日どうするかを決めていい権利がある。
と、大まかに述べた。

「ふーん。ちょっと棒見せて?」

 テオバルト様は2本の棒を確認している。
不正がないか確認していると思われる。

「どうですか? いい案だと思いませんか? あ、平民は王様の命令には絶対に従わなきゃいけませんよ」

「平民は王様の命令には従わない場合もある。尚且つ、平民が王様を殺す場合だってある」

「まあ……、現実はそうかもしれませんが、これはゲームなんで……」

「ならば赤い印が王様で、ない方が奴隷にしよう」

「わかりました。ではさっそくやりましょう」

 私はテオバルト様から2本の棒を返してもらい、赤印が見えないよう握りしめた。

「テオバルト様から引いていいですよ、どうぞ、どうぞ」

 テオバルト様は迷いなく、一本の棒を引いた。
その棒には赤印が付いている。

「テオバルト様って、運も良いんですね」

「そうだな。じゃ早速、アメリア式の幸せな時間を体験しようか」

 テオバルト様は私が今座っている足元付近から板のようなものを取り出し、簡易ベッドを作り上げた。
そこに魔法でクッションを何個も出現させ、私をそのクッションの上に寄りかからせる。
次に、テオバルト様は大きな箱を開け、拘束具を取り出した。
その拘束具は4つに分かれていて、それぞれ私の両手首、両足首につけた。
またその拘束具にはフックみたいなものが付いていて、右手左手をそのフックで固定し離れないようできる。
テオバルト様も当然、そうするかと思ったのに、私の右手右足、左手左足を離れないよう固定させた。
その瞬間、ゾクゾクした感覚が身体に走る。

「テっ、テオバルト様っ、これはちょっと恥ずかしいです」

 少しでも、股が開かないようモゾモゾ動いていたら、テオバルト様はスカートをたくし上げ、下半身を露出させた。

「前に言っただろう。俺はアメリアの恥ずかしがる姿を見るのが大好きだ」

 テオバルト様は私の顔をじっと見つつ、右側の下着の紐を引っ張る。
徐々に紐が緩み、全て解けると、今度は左側の紐も引っ張り、下着を脱がした。

「アメリア、俺はまだ何もしてないのに、濡れている」

「だって、だって、テオバルト様が拘束するからっ」

「アメリアは拘束したら濡れるのか?」

「そっ、それは……」

「そうだ、これを出すのを忘れていた。アメリア、飲んで」

 テオバルト様は中くらいの箱から、銀色の小瓶を取り出した。
その小瓶を、私の頭を少し手で起こしてから、口元に近づけた。

「その中身は何ですか? 教えてください」

「感情をさらけ出す媚薬だ。自白剤に近いな」

 私は抵抗しても無駄だとわかっていても、口をギュッと閉じた。
もちろん媚薬のことだって飲む覚悟してたけど、いざ目の当たりにすると、どうしても拒絶反応を起してしまう。

「アメリア、王様の命令は絶対だよな?」

テオバルト様は、小瓶の口を、リップでも塗るように、私の唇に這わせる。
このまま拒絶し続けることはできない、それはわかっている、もう覚悟を決め飲むんだ、私。
大好きなテオバルト様のために。

「うぅぅぅ。わかりました」

 私が口を緩めると、テオバルト様は薬をトロリと口内に垂らした。

「あっ、あまぃ」

 口全体にその甘さが染み込むと、頭がぽわ~~んとしてきた。

「そうだろう。薬の味をさせないようにしたからな。それでアメリアは拘束されると感じるのか?」

 そう言いながら、テオバルト様は布で割れ目を拭う。
ひだに沿うように布越しに指を這わせ、何度も拭う。

「んん゛ぅ゛っ……、拘束されると、わたし、っ ん……、かっ、からだがゾクゾクする……のぉ」

「やはりアメリアは拘束されるのが好きみたいだな。それにしても、拭いても拭いても濡れてくるな」

「だって、テオバルト様が、さわるからぁ、あっ、そこっっ、さわると、感じちゃうっ、んっ……」

「困ったな。どこを触ったら一番濡れるかを観察したかったのに、これじゃ駄目だな」

「ん゛、んんっ、そこっ、ゃっ  んっっ、ぁあっ、かんじちゃうっ」

「ここか?」

「はっ、はぃ、ぁっ あっ、そっ、そこですっ」

「もっと触って欲しいか?」

「もっと、んっっ、もっと……、もっとぉ、さわって」

 テオバルト様は布越しではなく、直に指で摩り始めた。
指にトロミをつけ、それを擦り付けながら、私が一番感じる箇所をクリクリと摩る。

「んっ、 ん゛ん゛っ……っぁ、もっ…もぅ……、ィ、イっちゃうっっ」

 もうイキそうだったのに、テオバルト様は突然、アソコから手を離してしまった。

「まだ、イっては駄目だ。少し我慢しろ」

「うぅっ、やだっ、やだやだっ、テオバルト様のバカっ、イキたいのにぃ、もっとさわって、さわってください」

「アメリア、最後はイカせてやるから。少しぐらい我慢しろ」

「やだやだっ。今すぐイキたい、イキたいのにぃ、ぐすっ、テオバルト様の、ぐずぅっ、バカっ、いじわる」

 媚薬のせいで、思っていること全部口にしてしまう。
それに感情も高ぶって、涙も出てくる。

「おっ、お願いです、テオバルトさま……、イカせて下さい、お願いですから……、おねがいっっ」

 そう私が言い続けていると、テオバルト様はもうこれ以上私が何も言えないように、唇で唇を塞いだ。

「くふぅ、 んっ……   」

 舌と舌が絡みつき、一つになるような、とろけ合う感覚。

「ふぅ、少しは治まったか?」

「おっ、おさまりませんっ、だからもう一度して下さい」

 テオバルト様は、もう一度キスする。
下唇をハムハムと甘噛みしたり、唇の輪郭なぞるように、ちゅっ、ちゅっ、と軽く唇を押し付けて行く。
ああ、気持ちいいよぉ。

「もう、いいか?」

「もう一回、キスしてください」

 テオバルト様はあきれつつも、もう一度キスする。
今度は私の舌を吸い出し、涎が首筋に滴り落ちる中、ねっとりと絡ませた。
またテオバルト様の手は、私の胸に触れ、ゆっくりと揉み始める。

「もうキスはお終いだ。胸はどうだ?」

「んっ……、もっと、ちゃんと触って欲しいです」

「ちゃんと、とは?」

「胸の、その、服の上からじゃなくて、そのっ、直に乳首を、触って欲しいです」

「乳首ね、どう触ってほしい? こうか?」

 テオバルト様は私の上着を持ち上げ、胸を露出させた。
そして乳首を親指と人差し指で、摘まむように触る。

「んっ……、ちがうっ、そっ、そうじゃなくてっ……」

「こうか?」

 今度は人差し指の爪でカリカリと摩る。

「あっ、  んんっ、これっ、きもちいいっ、きもちいぃです」

「そうか、なら両方の乳首を同じように触ってやる」

「ぁっっ、んっ、 んんっ……、きもちいぃぃっ、あっ、 ぁあっ、きもちいよぉ……」

「ピンと固くなっている、美味しそうだな」

 片方の乳首をテオバルト様は甘噛みしつつ、もう片方の胸を乱暴に揉む。
そんな中、テオバルト様の指が私のアソコ、一番感じ部分に触れる。
人差し指と中指を使って、クリクリと摩る。

「あっ、つっっ、  うっ……、ぁあっ んんっ」

「ぐちゃぐちゃだな」

「ああっ、 んんっ、 ん、ん゛ん゛っ、きもちぃぃ、きもちよすぎちゃうよぉ、ああぁっ」

「少し早いが、イっていいぞ」

「うっ……、  んんっ、イちゃう、もうっ、んっ、わっ、わたしっ、イっちゃう、もうダメっっっ」

 ビクビクと強烈な刺激が起き、すぐに、じわぁ~っと、イク感覚が全身に伝わる。

「凄いな、全身の肌もビクビクと痙攣をおこしている、そんなにも気持ちいいのか?」

「…………っ」

「まだ喋れないか」

 しばらく放心状態で、フワフワした気持ちい感覚の中にまどろんでいたのに、それなのに、またテオバルト様は敏感になっている部分を摩り始め、そのせいで私は一挙に現実に戻された。

「テオバルト様っ、もうだめ、もうだめです、やっ、やぁっつ、さわらないでっ、これいじょうはっっ、 んん」

「無理かどうか、やってみたい。もう一度イケるか試したい」

「ダメっ、かっ、かんじすぎてっ、つらいからぁっ、ダメです、やっ、んんっ」

 テオバルト様は、全くやめてくれない。
拘束されているから、手を払いのけることも、足を閉じることも、身をよじって快楽から逃れることも、何一つできない。

「あぁっ、やっ……、 ん゛ん゛っ ぁつ、ああっ、 んっ」

「まだまだ溢れてくる」

 テオバルト様は両手を使って、アソコのひだを広げ、ぷっくりと膨れ上がっているであろう突起を円を描くように転がすように摩る。

「んっ、かんじすぎちゃう、  ん゛ん゛ん゛っ」

「アメリア、ここ、舐めて欲しいか?」

「っ、なめられたら、わっ、わたし、おかしくなっちゃうぅぅ」

 私がいいって言ってないのに、舐めて欲しいって言ってないのに、テオバルト様は剝き出しになった突起をペロっと舐めた。その瞬間、私の中心がビクっと脈だった。
それを手の感覚で感じ取ったテオバルト様は、執拗に突起を舐め始めた。
ずっと、ずっと、舐めている、終わらない、きっと、私がイクまで終わらない。
でも、なんだか、また私の身体がジンジンしてきて、イク感じになってきている。
もしかして、もう一度イっちゃうの……、怖い。
けど、もうイクの自分では止められないっ。

「やぁぁっ、わっ、わたしっ、イっ……、 イっちゃう、やっだぁっっ、んんーーー」

 私はもう一度、イってしまった。
全身を痙攣させながら、イってしまった。
そんな私の姿を、嬉しそうに、満足気に、テオバルト様が見下ろしている。
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