【R18】悪魔に魅入られて

夾竹桃

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決意(4)

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「もっ、もうっ、やめて、セル。お姉ちゃんに気づかれちゃったじゃない」

「そうだな。だが、姉に認めてもらいたいのだろう。だったらもっと見せつけるべきじゃないか」

「そうだけど。こんなこと見せつけても、お姉ちゃんは軽蔑するだけで、私とセルが愛し合っているってわかってくれない」

「まだ、愛し合ってはいないがな⋯⋯」

「まだ⋯⋯、まだってことは可能性はあるんだっ! なんか嬉しい。私はずっと一方通行のままだと思ってたから」

「まぁ、頑張れ。そんなことよりも、早く尻を突き出せ」

「えっ?」

「サーラは気持ちよくイッたかもしれないが、俺はまだだからな。早くしろ」

「⋯⋯うん。わかった」 

「今回は随分、素直だな」

「セルの言う通り、私⋯⋯、気持ち良かったから。恥ずかしかったけど。だから私もセルにも気持ち良くなって欲しい。私、頑張る」

「いい心構えだ」

 私は、自分で下着を脱ぎ、四つん這いになって、セルの方にお尻を向けた。
するとセルは、私の上半身をソファーにもたれ掛けさせ、クイっと私のお尻をさらに持ち上げた。
恥ずかしいけど興奮しちゃって、何もしていないのに、トロリと私のアソコが濡れくる。
するとセルは、私のスカートの裾をたくし上げ、指先で私のアソコの状態を確認する。
セルの指先が冷たくて、少し触れただけで、ビクビクしてしまう。

「濡れすぎだ」

 セルがそう言った瞬間、セルのペニスが私の奥深くを貫く。

「ぅんっ、あぁぁっ、あっ、あっ」

 セルは私が一番感じる所をグリグリとペニスで刺激し、まだイッたばかりのクリトリスを優しく摩る。
私はセルに気持ちよくなって貰いたいのに、これでは私が感じすぎて、気持ち良すぎて何も考えられず、セルに身を任すだけになってしまっている。

「ぐちょぐちょだな」

「セルっ、もっっ、もっとゆっくり動いて、お願いっ。私もちゃんと動きたい。セルにもっと気持ちよくなって欲しいのっ」

「サーラ、余計なことは考えるな。ただ、俺を感じ、喘いでいればいい」

「でっ、でもっっ、あっ、ああぁ、んんっ⋯⋯」

 セルの動きが力強くより早くなり、ペニスも硬く大きくなるのがわかる。
一回イッたばかりなのに、もう私の方が、イキそう⋯⋯。

「あっ、あっ、あぁっ⋯⋯、んんっーーっ、イッちゃうっ」

 挿入されてからたいして経っていないのに、私はイッてしまった。
アソコが収縮し、セルのペニスにギュッと絡みつく。
クリトリスも充血し、大きくなっているのが、わかる。
こうなると少しの刺激でも、セルが吐く息が肌に触れるだけでも、ビクビクと感じてしまう。
それなのにセルは容赦なく、ペニスを動かし続ける。
感じすぎて辛いっ。

「もうっ、あぁ、もうもうっ、ああぁっ、だめっ、だめなのっ」

「まだ、始まったばかりだろう」

 セルはそう言うと絶頂に達したが、私のアソコからペニスを抜かない。
それどころか、すぐに腰を動かし、私の身体中を舐めまわし始めた。
セルはそれから何度イッても、抜いてくれない。
その間、私もイキ続け、ひたすら激しく喘いだ。

 ようやくセルが満足し、私を解放してくれたのは、辺りが真っ暗になってからだった。
身体を起こし辺りを見渡すと、応接間ではなく何故か私の部屋だった。

「あれ、いつの間に私の部屋に戻ったんだろう⋯⋯」

「あぁ、挿入と同時にサーラの部屋に転移した。ちなみに隣の部屋に、お前の姉がいる」

「えっ⋯⋯」

「聞こえただろうな、サーラの激しい喘ぎ声が」

「なっ⋯⋯、最低! 最低、最悪! セルのバカっ」

 セルは私の抗議を無視し、シャワーを浴びた。
いつもだったら、仕事とかしに何処かへ行ってしまうのに、何故か今日は私のベットに横たわり、私の大学の教科書を読み始める。
このまま、もしかしてセルは私と寝るつもりだろうか⋯⋯。
だから私も急いでシャワーを浴び、セルの横に寝転んだ。
寝転びながらセルと色々と話したかったのに、横になった瞬間、急激な睡魔が襲い、あろう事か、私は眠ってしまった。
ただ、寝ている時にはいつも感じなかったセルの気配を今日は感じる。
それはとても心地よく、私を安心させた。

 翌朝目覚めると、珍しくセルも私の横に寝そべっている。
薄っすら目を開けて私を物欲しそうに見つめている。
まさか⋯⋯、またやる気なのだろうか⋯⋯、セルは。

「おはよう、セル」

 と言いつつ、私はそろりとベットから出ようとした。
が⋯⋯、やはりと言うかセルに捕まり押し倒された。
セルの顔がゆっくり私に近づいてきた。
キスされると思い目をギュッと瞑ったが、一向にキスされない。
目をそっと開け辺りを確認しようとした時、クリトリスに生暖かい感触が触れた。
セルが舐めている。

「んんっ⋯⋯、気持ちいぃ」

 昨日いっぱいイッたのに、またイキたくなってしまった。
セックスすればするほど、何故かすぐにイクようになっちゃうし、身体が貪欲にセルを求めている。
もう、私の意思とは関係なくセルに触れられるだけで私の体は力が抜け、拒むことが出来ない。

「あっ、ああっ、っつ⋯⋯⋯」

 充分にアソコが濡れるとセルの硬いペニスが深く挿入される。
今日も朝から獣のように、狂ったようにセルと私は抱き合った。
そして気付いた時には、夕暮れ時だった。

 ⋯⋯、まずい⋯⋯、また思っ切り喘いだ気がする。
隣にいる姉に聞こえただろうな。
はぁ⋯⋯。
私って最低だ。
セルはと言うと、散々セックスしたからか、かなり上機嫌で鼻歌でも歌いそうな感じだ。

「セル、お姉ちゃん⋯⋯、まだこの家にいるよね?」

「あぁ、いる」

「はぁ、私、もう一度お姉ちゃんを説得してみる」

 シャワーを浴び、着替え、私は姉の部屋に向かった。
セルは一階に行き、ブレオに夕食の準備をするよう伝えに行った。

コンコン、「おっ⋯⋯、お姉ちゃん? いる?」

 姉はすぐに部屋から出てきて、ギロリと私を睨んだ。
姉は鬼の形相をしている。

「沙羅には心底、幻滅したわ!」

「だったら、もう私をほっといて日本に帰ったら?」

「そうね、そうしたいところだけど、姉として、一族の長として、沙羅を野放しにしておけないわ。取り敢えず、部屋に入りなさい」

 姉は自分の部屋に入るようにと大きくドアを開け広げた。
部屋の中には、龍の化身、桐生もいる。
もし、素直に姉の部屋に入ったら、主導権は姉になるだろう。
私一人では、情けないけど姉を打ち負かせない。

「いや、その前に食事にしようよ。皆んなで食べよう」

「いいわ。悪魔と、どうせ決着つけなきゃいけないしね」

 私と、姉、桐生が一階の食堂に行くと、もう既に夕食の準備が出来ていた。
メニューはイギリス家庭料理定番の丸ごとチキンのロースト、茹で野菜、ポテト。
それぞれ大皿に乗っていて、執事のブレオが取り分け、個々のお皿に綺麗に盛り付けている。
セルはワインの栓を抜き、グラスに注いでいる。

 しかし、そのテーブルを桐生がいきなり蹴り倒した。
当然、料理はぐちゃぐちゃだし、ワインも飛び散って、食堂が散々な状態になってしまった。
ブレオは、ビックリし過ぎて固まっている。
同じく、私も固まった。

「決着をつけましょう」

 お姉ちゃんがそう言うと、床が青白く光り、その青白い光の中から鋭い弓矢のような光が現れた。
その弓矢のような光は、私とセルを突き刺した。
その瞬間、セルは身動きが取れなくなり、私は、全身が冷たくなり、その場に倒れた。

「お姉ちゃん、なっ、何したの?」

「今から、悪魔と結んでいる契約を壊すわ」

 青白い光は、縄のような、鎖のような形状になり、私の中から何かを絡め取る。
その絡め取られた何かが私から吸い出され、赤黒い魔法陣が浮かび上がった。
セルからも私と同じく魔法陣が浮かび上がっている。
するとお姉ちゃんは、何処からか真剣を取り出し、私から浮き出ている魔法陣目掛けて真剣を振り下ろした。
しかし、すんでのところで、セルがその真剣を握りしめ、魔法陣は斬られなかった。
どうやらセルはすぐに動けるようになったらしい。

「いいのか。こんな事をしたら妹のサーラがどうなるかわかっているのか?」

 セルはお姉ちゃんに怒りを滲ませながら言う。

「こうも容易く動けるとわね⋯⋯」

 お姉ちゃんは、真剣をセルの手から抜こうとしたが、びくともしない。
桐生はと言うと、いつの間にか赤黒い短剣のような物が、桐生の四肢に突き刺さっていて、動けないでいる。

「セル、魔法陣を切られたら、わっ、私、どうなっていたの?」

 私は、セルとは違いまだ動けず、這いつくばっている。

「サーラの魂は欠損し、良くて記憶喪失、最悪、廃人だな」

「お姉ちゃん、本当なの? 本当にそんなことをしようとしたの?」

「そうよ、沙羅」

「酷い、酷すぎるよ、最低よっ、お姉ちゃん」

「このまま悪魔に溺れる方が最低だわ。今でも、充分貴方は一族に泥を塗っているのよ」

「一族、一族って、今は何世紀だと思っているのよ。頭、古過ぎるよ、お姉ちゃん」

「沙羅には、わからないわ」

「ほんと、まったくわかんない。私はこれからもセルと生きて行くから。もうお姉ちゃんは諦めて日本に帰って」

「もし、貴方が悪魔と別れないと言うなら、一族から追放する。勘当よ」

「別に構わないよ、それでも」

「そう。そうなれば貴方は私の敵になるのよ」

「私を殺すの?」

「⋯⋯、そうね」

「お姉ちゃん⋯⋯」

 お姉ちゃんは、険しい表情をし、俯いた。
その瞬間、セルは、赤黒い剣を何処からか出現させ、お姉ちゃんに向かって刃を振り下ろした。

「死ぬのは、お前だ」

 セルは、そうお姉ちゃんに言葉を発したが、桐生が庇い、お姉ちゃんは無事だった。
桐生は、腕を切られ痛みに顔を歪めている。
また桐生は、四肢を刺されいたので、全身血だらけだ。
それなのに、セルは容赦なく桐生と、お姉ちゃん目掛けて再度剣を振りかざした。

「セルっ、やめてーっ」

 私は重い身体を起こし、セルの前に立ちはだかる。
セルの刃はギリギリ私の鼻先で止まった。

「お前は馬鹿か? 姉はお前を殺すつもりなのに何故庇う?」

 セルは冷ややかに私に言う。

「だから、私は馬鹿なんだって。セルに愛されなくても私はセルを愛すし、お姉ちゃんに殺されるかもしれないけど、私は、お姉ちゃんが殺されるのは嫌なのっ!」

「はぁ。本当に、サーラは馬鹿だな」

 セルは溜息をこぼし、赤黒い剣を消した。

「はぁ⋯⋯。本当、沙羅は大馬鹿だわ。こんな大馬鹿に構ってられないわ。桐生、もう帰りましょう」

 お姉ちゃんも、盛大に溜息をこぼした。
桐生は血だらけだったのに、お姉ちゃんがちょっと肩を振れただけで、全快し、すくっと立ち上がった。

「お姉ちゃん⋯⋯、日本に帰るの?」

「ええ、帰るわ。さようなら、沙羅」

「今、もう帰るの?」

「ええ。そうよ」

「夕御飯食べて行けばいいのに⋯⋯」

「はぁ。 はぁ⋯⋯。 はぁ⋯⋯⋯⋯。セル、とてつもなく大馬鹿な妹を頼むわ」

 お姉ちゃんは、また溜息を盛大に3回もこぼし、セルに憐れみの目を向けながら言葉を発した。
そして、お姉ちゃんは玄関から帰る時にも盛大に溜息をこぼし、一瞬だけ私の方を振り返ると、バイバイと手を振った。

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