【R18】悪魔に魅入られて

夾竹桃

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決意(3)

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 翌日、 私とセルはパリで美味しい朝食を頂いてから、ロンドンのセルの邸宅に戻った。
戻る時は、プライベートジェット機で。
搭乗する際は赤いカーペットの上を歩き、機内に入るとウエルカムドリンクとしてシャンパンを渡された。
最高にラグジュアリーなひと時。
けれど⋯⋯、そんなひと時を満喫できるほどセレブ慣れしていない私は、相変わらず、驚き戸惑ってしまう。
庶民な自分が、なんだか情けない。

 ロンドンに着いて、飛行場から車に乗った際、チラリと運転手を確認したが、以前襲撃時に撃たれた人だった。
いや、人ではなく悪魔だけど、どうやら無事だったよう。
ブレオもそうだけど、意外と弱い悪魔って多いんだな。

 セルの邸宅に入ると、執事のブレオが待ってましたとばかりに、私とセルを出迎える。
心なしかブレオの顔が引きつっている。

「お帰りなさいませ。それで、セっ、セル様、あの⋯⋯」

「あぁ。分かっている」

 セルは私の方をチラッと見ると、足早に応接間へと歩き出した。
私もつられてセルの後ろをついて行く。
すると応接間のソファーに私がよく見知った人物が優雅に腰掛けている。
そう、何故か私の姉がいる。
姉は私とは違い、かなり強い霊能力者だ。

「おっ、お姉ちゃんっ。なんでここにいるの!?」

「それは私のセリフだわ。何故悪魔と一緒にいるのかしら」

 姉はセルを睨んでいるが、セルは気に留めていない。
セルは私の腰に手を回し、姉の対面にあるソファに腰掛けるよう促した。
私は素直にそれに従い、セルも当然のように私の隣に腰掛けた。

「それは、悪魔の賭けに負けて⋯⋯。いや違うの、お姉ちゃん。私、悪魔のセルを好きというか、愛しているのっ。だから一緒にいるの」

 恐らく姉に何を言っても聞く耳を持ってくれないだろうが、それでも私は姉に真実を述べた。

「沙羅、何馬鹿なことを言っているのっ」

「まだ私の愛は小さいかもしれないけど、私は本当にセルを愛していて、これからその愛を大きくしていくのっ。だから私のことは、ほっておいて」

「ほっとけるわけないでしょう。沙羅、今すぐに日本へ帰るわよ」

「わっ、私は帰らない。それに私はセルと契約しているの、離れないっていう契約を」

「なっ⋯⋯。そんな⋯⋯。なんて馬鹿な事を⋯⋯」

 姉は青ざめ険しい表情を私に向ける。
多分私よりも姉の方が、悪魔との契約に関して詳しいはずだ。
だから姉は、悪魔との契約について私よりも数倍、深刻に受け止めている。

「そうだよ。私は馬鹿だよ。悪魔を本気で好きになっちゃうぐらい馬鹿なの」

 姉は無言で立ち上がり、私の横に来ていきなり手を掴んだ。
その次の瞬間、氷のような冷たい感覚が私の身体を這い、身体が硬直した。
それなのに相変わらずセルは動じていなく、涼しい顔をして、ただ私と姉を見守って見てる。

「これは⋯⋯っ」

 姉がポツリと言葉を発した。
そしてその言葉の先を、澄み切った声が引き継いだ。

「この悪魔との契約は、身体だけではなく魂も縛っている。無理に剥がそうとすると魂も壊れる」

 その澄み切った声の主は、姉が契約を交わしている龍の化身、桐生だ。
桐生はいつの間にか私の背後に立っていて、私の肩に手を置いている。
姉も桐生も、私が悪魔と取り交わした契約内容を私の身体に触れる事で調べたようだ。

「最悪ね。どうしたら契約を取り消せるのかしら」

 姉が桐生に問いかける。

「この契約は、悪魔にしか取り消せない。ただ方法がないわけじゃない」

「どんな方法?」

「悪魔を打ち負かし、従えるしかないが⋯⋯」

 桐生がそう言った瞬間、その場の空気が張り詰めた。
姉はセルをじっと見つめ、今にも攻撃しそうだ。
桐生からも、ただならぬ雰囲気を醸し出している。
恐らく姉がセルを攻撃したら桐生も同時にセルを攻撃するだろう。
流石のセルでも2対1では分が悪い気がする。

「ちょっ、ちょっとやめてよ。お姉ちゃん。変なことしないでよねっ」

 私も立ち上がり、姉の前に立ち塞がった。

「変なこと? 妹を救う事が変な事なの? いい加減、目を覚ましなさい、沙羅」

「お姉ちゃんこそ、いい加減に私のことほっといて」

「そうだな、いい加減兄弟喧嘩はやめてもらおうか。座ってお茶でも飲もう」

 今まで無言だったセルがようやく声を発した。
それも流暢な日本語を。
その日本語を理解したのかわからないけど、執事のブレオがタイミング良く部屋に入って来て、紅茶をみんなに差し出した。
その紅茶を差し出したブレオの手が震えている。
どうやらブレオは姉、もしくは桐生が怖いようだ。

 姉はセルの言葉に従うのが癪だったようだが、桐生に促されソファーに再度腰掛けた。
桐生も姉の隣に腰掛ける。

「セル⋯⋯、と言ったかしら。妹の契約を取り消して貰えないかしら。なるべく争うことはしたくないから」

 姉は一口紅茶を飲み、セルにゆっくりとした口調で問い掛けた。

「取り消す事はしない」

 セルがそう言うと、私を抱き寄せ、私の首に唇を這わせ、アソコに手を伸ばした。
いくら何でも姉の前では、恥ずかしすぎる。
だから私はセルを払い除けようと抵抗したが、力では敵わず、全くの無駄だった。
せめて喘ぎ声だけは出すまいと手で口を塞ぎ、必死に耐える。

「実力行使するしかなさそうね⋯⋯」

 姉はセルに弄ばれている私を見て、怒りを露わにし、身体から霊気を放出させ、セルを威圧した。
しかしセルは、その威圧を物ともせず、下着の中にまで手を入れ私のクリトリスを摩り始めた。
姉に見られて恥ずかしくて嫌なのに、アソコがトロリと濡れてきてしまう。
一生懸命我慢してるけど、セルが私の一番感じる部分を執拗に責め続けるせいで、声が、喘ぎ声が漏れてしまいそうになった。
その瞬間、桐生がどこからか刀を取り出し、一直線にセルを貫いた。

 刺されてしまったっ、セルが刺されてしまったって思ったけど、それは違った。
セルは無事で、セルを刺そうとした刀は折れ、刃先が無くなってしまっている。
刀を持っている桐生は、攻撃が失敗に終わったにも関わらず、何故か妙に納得し落ち着いている。
どうやら桐生は本気ではなく、試しにセルを攻撃したようだ。
こんな状況にも関わらず、セルは、なおも私のクリトリスを摩り続け、私の口に舌を入れ絡ませて来た。

「この悪魔っ、やめなさいっ」

 姉は顔を真っ赤にしてカンカンに怒っている。
何としても私達の淫らな行為をやめさせようと、姉はセルに近づき手を伸ばした。
しかし姉はセルに触れる瞬間跳ね飛ばされた。
その跳ね飛ばされた姉を桐生は難なく受け止める。

「邪魔をしないで貰おうか⋯⋯。だが、まあ、せっかく来た事だし、妹の淫らな姿を見学して行くがいい」

 セルは姉を見下し、冷笑した。
そんなセルに、姉はまた近づき攻撃しようとしたが、桐生に静止させられた。

「やめろ。この地では敵わない」

 桐生は姉をグッと抱き寄せ、私とセルから数本退いた。

「離しなさい、桐生」

 姉は桐生に命令した。
しかし桐生は従わず、さらに私達から離れた。

「駄目だ、離さない。私は沙羅ちゃんより君の方が大事だからね。一旦出直そう」

「くっ⋯⋯」

 姉は唇を噛み締め、険しい表情をしている。
どうしても私を諦めきれないようだ。

「何も出直さなくても。良かったらここに泊まっていけばいい」

 セルは何を思ったのか、姉と桐生にそう提案した。
そんな提案に対して姉は一瞬驚いたが、不敵な笑みを浮かべた。

「それはいい案ね。そうさせて貰うわ」

 姉がそう返答すると、この部屋を覗いていた執事のブレオが、ビクビク怯えながら部屋に入ってきた。

「おっ、おおお部屋にご案内しますので、私について来て下さい」

 ブレオは姉と桐生を連れ立って部屋を出て行く。
私はと言うと、もうイク一歩手前だった。
早く、一刻も早く姉と桐生とブレオには、部屋から出て行って欲しかった。
しかし姉達が部屋を出て行く寸前、セルが見計ったように私の乳首をギュッと摘んだ。
そのせいで、その瞬間に私はあっけなくイッてしまった。

「んんっ⋯⋯、」

 今まで必死に喘ぎ声が出ないように耐えていたのに、私はくぐもった声を発してしまった。
その声に反応して姉はピタリと止まり、私に対して軽蔑の眼差しを向けた。
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