【R18】悪魔に魅入られて

夾竹桃

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調査(1)

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 うぅーん⋯⋯。
えっと⋯⋯、ここは⋯⋯、私の部屋のベッドの上だ。
セルに散々弄ばれた後、私は気を失って、自分の部屋に運ばれたんだ。
それにしたって、昨日はセルが悪魔に思えた。
まぁ、事実、悪魔なんだけど、あんなにやりまくるなんて、いくらなんでも酷い。
手加減とか一切してくれない。
私が嫌がれば嫌がるほど、泣けば泣くほど、セルは喜んでいる。
セルは相当のSだ⋯⋯、わかっていた事だけど⋯⋯。
私はこのまま一生、セルにいいように弄ばれ続けるのだろうか。
⋯⋯⋯⋯。
賭けに負けたとはいえ、そんなの絶対にヤダ。
そういえばグレースさんは、なぜセルと別れたんだろう⋯⋯。
うん!?それを知ることが出来たら私もセルと距離を置くことが出来るかもしれない。

 早速調査したいけれど、物凄くお腹空いた⋯⋯。
一階に行って何か食べよう。
私は、相変わらず裸だったので、洋服を着る為に、別室のウォークインクローゼットに行った。
すると、高級な洋服やドレスで溢れかえっていた。
昨日までは、白いワンピースと、数点の服しかなかったのに。
ようやく、セルが購入した服が全て届けられたんだ。
⋯⋯、今⋯⋯、一瞬、綺麗な洋服に囲まれて、喜んでしまった自分がいる。
私って、情けないな。

 私は品が良さそうな紺のワンピースを着て一階の台所に行った。
けれど執事のブレオさんがいない。
変態のブレオさんは嫌いだけど、ブレオさんが作る料理は絶品で大好きだ。
なので、密かに、ブレオさんが作る料理を毎日楽しみにしていた。
もしかしたら食事の用意があるかもしれないと食堂に行くと、美味しそうなサンドウィッチが用意されていた。
さすがブレオさん!
私の為に用意してくれていたんだ、嬉しい。

が、すぐにがっつきたかったのに、セルも食堂にいてコーヒーを飲みながらパッドを見ている。
セルだけでなく、セルのすぐ横にグレースさんもいて同じくコーヒーを飲んでいる。
グレースさんはとても嬉しそう。
って、グレースさんに付いていた悪霊がいない!
やっぱりセルが強い悪魔だから、悪霊は逃げちゃうんだ⋯⋯。
ほんと、セルがいると穏やかで静かな空間が生まれる。
私が今まで一番欲していた静けさを、セルが意図せず私に授けてくれている。

「おはよう、サーラ」

 セルは、昨日とは打って変わって、優しく微笑む。
グレースさんは、私を無視し、素知らぬ顔をしている。

「おはようございます、セル、グレースさん」

「ブレオが、サーラの為に朝食を作ったから食べるといい」

「はい。頂きます。ブレオさんは外出しているんですか?」

 私は横目でグレースさんは見つつ、サンドウィッチを頬張る。
グレースさんは私が食べ始めると、鼻に指を当て、豚の真似をして私を馬鹿にする。

「いや、自室にいる」

 主人でもあるセルが久しぶり帰ってきたのに、執事であるブレオさんが部屋に篭っているなんて、おかしい。
何かあったのかな。

「ブレオさん、具合でも悪いんですか?」

「具合など悪くならない。昨日の動画を見ている」

「昨日の動画?」

「知らないのか、サーラ。ブレオはお前のこと盗撮している。昨日撮影した動画をじっくりと見たいそうだ」

 昨日撮影したって⋯⋯、もしかしてSMルームでの事も、ブレオさんは盗撮してたのだろうか。
物凄くありえる。
ブレオめ、なんて最低最悪な奴なんだ。

「セル、ブレオさんに動画を消すように言って。昨日のも、この前のも全部!」

「何故?」

「なぜって、昨日のはセルも写っているはずよね。セルは嫌じゃないの? その⋯⋯、している姿を他の人に見られるのは⋯⋯」

「別になんとも思わないな」

「でも、私は嫌なの。絶対に嫌。だからセルからブレオさんに消すように言って」

「そんなに嫌なら今度、一緒に見てみるか」

「どうしてそうなるの? 私は消して欲しいって言ってるのに!」

「サーラの画像を見ながら、嫌がるサーラを犯しまくるのも楽しそうだな」

「⋯⋯っ、もういいです。今の話はなかったことにして下さい」

「そうか。あぁ、そうだ。昨日言っていたご褒美をあげよう」

 セルは、私に近付き、私の首にネックレスを付ける。

「あっ、ありがとうございます。これは⋯⋯」

「ブラックダイヤのチョーカーネックレスね」

 セルの代わりにグレースさんが答える。
グレースさんは面白くなさそうに私とセルを見ている。
私はネックレスをよく見ようと立ち上がり鏡の前に行った。
グレースさんが言うように黒い宝石が真ん中に付いていて、黒のメタルがしなやかに首に沿い巻きついている。
少し大人っぽいチョーカーネックレスだ。

「これはネックレスじゃない。首輪だ。俺にしか外せない」

「えっ⋯⋯、そんなっ」

確かに、ネックレスを外す留め具がない。
お風呂に入る時、つけたまま入っていいのだろうか⋯⋯。
って何くだらないことを心配してるんだろう、私って。

「本当に、外れない⋯⋯」

「マゾのサーラには、よく似合っている」

 セルは後ろから私の胸を弄り、私の首筋に口付けをする。

「ちょっ⋯⋯、やっ、やめてっ」

「そうよ、セル。するなら私としましょうよ。私の方がセルを最高の気分にしてあげられるわ」

 グレースさんはセルに近付き、セルの背中に人差し指を当て、上から下に、ツーっと撫でる。
セルは少し眉をしかめると、グレースさんの方に振り向いた。

「俺に触るな、グレース。したければ勝手に自慰でもしてろ」

「セル、ふざけないで。私はセルとしたいの。そんな女ほっといて私と遊びましょうよ」

「俺は多頭飼いはしないんだ。それに性格の悪い女は嫌いじゃないが、汚い女は嫌いだ。今のグレースは悪臭がしそうなぐらい汚い」

「わっ、私のどこが汚いって言うのよっ。サーラより断然私の方が綺麗なのにっ」

「確かに外見は素晴らしいな。だがグレースの魂はヘドロの様に汚い」

「なっ、魂って⋯⋯、わけわかんないっ。じゃあ私が教会にでも通えばいいのかしらっ」

「さらに最悪になるな」

「じゃあ、どうすればいいのよ!!」

「さあな。俺ではなく、人間の男を相手にすれば何も問題ないんじゃないか」

「私は、セルが欲しいの。絶対に諦めないんだからっ」

 グレースさんは、食堂のドアを煩く叩き閉め、怒りを露わにさせながら自分の部屋に戻って行った。
あんなに酷い事言われたのに、グレースさんはまだ居座るつもりだろうか。
その太々しさに、ある意味尊敬する。

 でも今回、グレースさんには申し訳ないけど、わかった事がある。
セルは汚い魂は嫌いなんだ。
だとすると、魂を汚くすれば、セルは私から離れるんだ。
そもそも、私の魂って綺麗なのかな。
私の姉の魂は最高に綺麗だと、噂で聞いたことがあるけど⋯⋯。

「セル、私の魂は綺麗なの?」

「いや、けがれている」

 なんだ、私の魂も汚いのか。
少しでも期待してしまった自分が恥ずかしい。

「じゃあなんで、私を側に置いているの?」

「サーラの魂は、俺のけがれがこびり付いている。他の誰でもない俺だけの穢れだ。だから綺麗じゃなくても何も問題ない」

「そうなんだ⋯⋯。でもグレースさんの魂もセルのせいで汚れたんじゃないの? それだったらなんで私は良くてグレースさんは駄目なの?」

「グレースは俺だけではなく、色々な穢れが纏わりついている。人間の怨みは人の魂を穢すからな」

「⋯⋯、グレースさんは怨まれたから魂が汚れてしまったんだ。でも、もう悪霊は取り憑いていないよね! それなのに⋯⋯」

「グレースは相当怨まれている様だからな。またすぐに取り憑かれるだろうな」

「そっか⋯⋯。その⋯⋯、グレースさんとは何で別れてしまったの?」

「やたらと質問が多いな。答えてもいいが、その代わりサーラも俺の質問に答えてもらう。正直に。いいな?」

「わかりました」

「グレースは一年の契約だったからな。一年間恋人ゴッコをして、一年経ったから別れた。それだけのことだ」

「そうなんだ⋯⋯」

でも何で私は一年とかじゃなく一生なんだろう⋯⋯。
そんなに私に魅力があると思えないし。

「俺の質問だが、サーラは右の乳首と左の乳首、どっちが気持ちがいいんだ?」

セルは突然私を、食堂のテーブルに押し倒し、両方の手で私の乳首を捏ねくりまわす。

「ええっ⋯⋯、その⋯⋯、んっ、あの⋯⋯、んっっ」

「正直に答えろ」

「両方です⋯⋯」

 また、セルのいいように弄ばれ始めた気がする。
けれど今だったら、セルは色々答えてくれる気がする。
このチャンスは逃せない。
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