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地下室(2)
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午後になってもセルは戻らなかったため、私はセルの事を調べるため、書斎に潜入した。
書斎にはタブレットPCが一つ、他には難しい本が沢山本棚に並んでいる。
もちろん、タブレットPCを開こうとしたがパスワードが分からず断念。
本は、どうやら世界各国の法律本が並んでいる。
日本の六法全書まである。
もしかして、セルは弁護士だろうか。
いや、それは無さそう。
いくら羽振りがいい弁護士でも、ここまでの豪邸には住めないはず。
では、なんだろう。
セルは人間の世界で何してるんだろう⋯⋯。
他の部屋も一通り調べたけど、セルについてわかるものは何もなかった。
まぁ、服の趣味ぐらいはわかったけど⋯⋯。
セルから離れたいとか、逃げたいとは思わないけど、セルの弱点を知りたい。
力では圧倒的に敵わないけれど、セルの弱点を知れば、少しでも私が優位に立つことが出来るかも知れない。
夕食時になると、セルの元恋人グレースさんも部屋から出てきて、私に話しかけた。
「サーラは、学生なの?」
「ええ、そうです」
「あのセルが、こんな若い子を選ぶなんて、意外だわ」
「若く見られるかも知れませんが、これでも20歳です」
「20歳なのに、全く色気がないわね」
「ええ、自覚しています」
「それに、スタイルも悪いし、ブスだし、頭も悪そう。セルは貴方のどこを気に入ったのかしら」
グレースさん⋯⋯、もしかして私を威嚇しているのだろうか。
怖い⋯⋯。
グレースさんも怖いけど、グレースさんについている悪霊の方も、怖い。
「さぁ⋯⋯、私にもわかりません」
「ねぇ、あなた⋯⋯、出ていけば?」
「えっ⋯⋯?」
「邪魔なんだけど」
「私はセルの許可がなければ外に出歩けないんです」
「そんなの、私がセルにお願いしといてあげる。だから出て行って」
「むっ、無理です」
勝手に出て行ったら、セルからどんな報復を受けるか、考えただけでも恐ろしい。
悪魔との契約だけは、絶対に破ってはいけない。
それだけは、分かる。
「ふーん⋯⋯、私の言う事聞けないんだ。分かったわ」
グレースさんは、執事のブレオさんが用意した夕食のうち、サラダだけを持って部屋に戻ってしまった。
私は、そんなグレースさんと毎日過ごすのは嫌なので、セルの帰りを待ちわびたが、もう一週間も経つのに帰って来ない。
その間、私はずっとグレースさんから嫌味を言われ続けている。
特に苛つくのは、食事をする時で、「はい、豚さ~ん。私のご飯もあげますね~」とか「豚並みに食べるのね。気持ちが悪いわ」とかを言われ続ける。
そんなストレス生活で痩せるかと思いきや、部屋でお菓子をボリボリ食べてしまって結局体重は変わらないまま⋯⋯。
またグレースさんはブランド物を買い漁り、今や私以上に服が多い。
ちなみに、その支払いはセルの付けになっていると、執事のブレオさんがぼやいていた。
今日は大学に行く日で、帰りにライラとお茶をしたいのに、セルに許可を取っていないので、それもままならない。
こんなことなら、最初に色々と許可を取っておくべきだった。
はぁ、今日もあの家に帰るのか。
大学も悪霊の溜まり場だが、近寄らなければそこまでの問題はない。
しかしグレースさんは違う。
毎日のように私に近づいてくる。
そのせいで、グレースさんに取り憑いている悪霊も私が気になるのか、たまに私を見つめている。
憂鬱だ⋯⋯。
トボトボと、大学から迎えの車が停車している場所まで私が歩いていると、いきなり黒い大きなワゴン車が横付けし、その車の扉が勢いよく開いた。
叫び声をあげる間も無く、いきなり私は車の中に押し込まれてしまった⋯⋯。
「暴れるなよ」
私を連れ去ったのは合計3人で、皆、ガラが悪い。
その内の1人が拳銃をチラつかせながら、私を脅す。
私は暴れるも何も、腕や足にガムテープを巻かれ、全く身動きが取れない。
車は10分くらい走った所で止まり、私は無理やり、雑居ビルの一室に連れ込まれた。
その一室は、ベットや椅子があるが、全てがいかがわしい作りになっている。
ベットの四隅には拘束用の鎖がついてあり、椅子も股が強制的に開くような作りになっている。
また、木馬や鞭、蝋燭、縄、バイブ、ロータなども置いてある。
「怖い? 怖いよね~? こんな状況だから分かると思うけど、今から君に酷い事沢山するよ~」
「どっ、どど、どおして⋯⋯?」
「君に恨みは無いんだけどさ~。頼まれちゃって」
「誰に? 誰に頼まれたの?」
「勿論、それは言えないよ~。でも、まあ、俺らの事恨まないでね」
私を捕らえた男性はそう言うと、いきなり私のベットに押し倒し、足と手を拘束した。
もう一人はビデオ撮影を開始し、もう一人は注射器を手に取り私に近づいて来る。
「いっ、いやだ。やめて、お願い。お願いだからっ」
怖い、どうしてこんな事に⋯⋯。
どうして、なんで私がこんな目にっ。
「いいね、もっと泣き叫んで。今からレイプ画像撮りまくるからさ。あぁ、君が気持ちよくなる為に薬も打ってあげる。俺らも打つけどね」
私の腕に注射器の針が触れた。
ダメだ、もう駄目だ、注射なんかされたら、下手したら死んじゃう。
嫌だっ、嫌だっ、誰か助けてっ、セル、助けて!
そう、私の心の中でセルを呼んだ次の瞬間、注射器が突如パリンっと割れた。
書斎にはタブレットPCが一つ、他には難しい本が沢山本棚に並んでいる。
もちろん、タブレットPCを開こうとしたがパスワードが分からず断念。
本は、どうやら世界各国の法律本が並んでいる。
日本の六法全書まである。
もしかして、セルは弁護士だろうか。
いや、それは無さそう。
いくら羽振りがいい弁護士でも、ここまでの豪邸には住めないはず。
では、なんだろう。
セルは人間の世界で何してるんだろう⋯⋯。
他の部屋も一通り調べたけど、セルについてわかるものは何もなかった。
まぁ、服の趣味ぐらいはわかったけど⋯⋯。
セルから離れたいとか、逃げたいとは思わないけど、セルの弱点を知りたい。
力では圧倒的に敵わないけれど、セルの弱点を知れば、少しでも私が優位に立つことが出来るかも知れない。
夕食時になると、セルの元恋人グレースさんも部屋から出てきて、私に話しかけた。
「サーラは、学生なの?」
「ええ、そうです」
「あのセルが、こんな若い子を選ぶなんて、意外だわ」
「若く見られるかも知れませんが、これでも20歳です」
「20歳なのに、全く色気がないわね」
「ええ、自覚しています」
「それに、スタイルも悪いし、ブスだし、頭も悪そう。セルは貴方のどこを気に入ったのかしら」
グレースさん⋯⋯、もしかして私を威嚇しているのだろうか。
怖い⋯⋯。
グレースさんも怖いけど、グレースさんについている悪霊の方も、怖い。
「さぁ⋯⋯、私にもわかりません」
「ねぇ、あなた⋯⋯、出ていけば?」
「えっ⋯⋯?」
「邪魔なんだけど」
「私はセルの許可がなければ外に出歩けないんです」
「そんなの、私がセルにお願いしといてあげる。だから出て行って」
「むっ、無理です」
勝手に出て行ったら、セルからどんな報復を受けるか、考えただけでも恐ろしい。
悪魔との契約だけは、絶対に破ってはいけない。
それだけは、分かる。
「ふーん⋯⋯、私の言う事聞けないんだ。分かったわ」
グレースさんは、執事のブレオさんが用意した夕食のうち、サラダだけを持って部屋に戻ってしまった。
私は、そんなグレースさんと毎日過ごすのは嫌なので、セルの帰りを待ちわびたが、もう一週間も経つのに帰って来ない。
その間、私はずっとグレースさんから嫌味を言われ続けている。
特に苛つくのは、食事をする時で、「はい、豚さ~ん。私のご飯もあげますね~」とか「豚並みに食べるのね。気持ちが悪いわ」とかを言われ続ける。
そんなストレス生活で痩せるかと思いきや、部屋でお菓子をボリボリ食べてしまって結局体重は変わらないまま⋯⋯。
またグレースさんはブランド物を買い漁り、今や私以上に服が多い。
ちなみに、その支払いはセルの付けになっていると、執事のブレオさんがぼやいていた。
今日は大学に行く日で、帰りにライラとお茶をしたいのに、セルに許可を取っていないので、それもままならない。
こんなことなら、最初に色々と許可を取っておくべきだった。
はぁ、今日もあの家に帰るのか。
大学も悪霊の溜まり場だが、近寄らなければそこまでの問題はない。
しかしグレースさんは違う。
毎日のように私に近づいてくる。
そのせいで、グレースさんに取り憑いている悪霊も私が気になるのか、たまに私を見つめている。
憂鬱だ⋯⋯。
トボトボと、大学から迎えの車が停車している場所まで私が歩いていると、いきなり黒い大きなワゴン車が横付けし、その車の扉が勢いよく開いた。
叫び声をあげる間も無く、いきなり私は車の中に押し込まれてしまった⋯⋯。
「暴れるなよ」
私を連れ去ったのは合計3人で、皆、ガラが悪い。
その内の1人が拳銃をチラつかせながら、私を脅す。
私は暴れるも何も、腕や足にガムテープを巻かれ、全く身動きが取れない。
車は10分くらい走った所で止まり、私は無理やり、雑居ビルの一室に連れ込まれた。
その一室は、ベットや椅子があるが、全てがいかがわしい作りになっている。
ベットの四隅には拘束用の鎖がついてあり、椅子も股が強制的に開くような作りになっている。
また、木馬や鞭、蝋燭、縄、バイブ、ロータなども置いてある。
「怖い? 怖いよね~? こんな状況だから分かると思うけど、今から君に酷い事沢山するよ~」
「どっ、どど、どおして⋯⋯?」
「君に恨みは無いんだけどさ~。頼まれちゃって」
「誰に? 誰に頼まれたの?」
「勿論、それは言えないよ~。でも、まあ、俺らの事恨まないでね」
私を捕らえた男性はそう言うと、いきなり私のベットに押し倒し、足と手を拘束した。
もう一人はビデオ撮影を開始し、もう一人は注射器を手に取り私に近づいて来る。
「いっ、いやだ。やめて、お願い。お願いだからっ」
怖い、どうしてこんな事に⋯⋯。
どうして、なんで私がこんな目にっ。
「いいね、もっと泣き叫んで。今からレイプ画像撮りまくるからさ。あぁ、君が気持ちよくなる為に薬も打ってあげる。俺らも打つけどね」
私の腕に注射器の針が触れた。
ダメだ、もう駄目だ、注射なんかされたら、下手したら死んじゃう。
嫌だっ、嫌だっ、誰か助けてっ、セル、助けて!
そう、私の心の中でセルを呼んだ次の瞬間、注射器が突如パリンっと割れた。
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