追放者蜘蛛の目

ミナティ

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謎と恐怖

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あれから一年ほどが経った。
霧生きりいさんやアオクリヌシは、今では一番信頼できる仲間だ
。。。とはいっても、知っている人がこの二人しかいない。

竹ボウキで枯れた葉を掃除する。
心地いい風と鳥の声が重なり、心が落ち着く。

「おーい!りつ!アオクリヌシの盆を変えてやってくれ!」
「あ、はい!」
私は、ほうきを片付け、盆を変える作業に取りかかった。
「栗ぅ!こっちにも枯れ葉が残ってるぞ!」
少しばかり大変だが、以前はもっと過酷だった気がする。
盆を持ち、アオクリヌシが祭られている祭壇の方へ向かった。
ふと生温いなまぬるい風が首辺りを通りすぎた。


ゾクゾクゾクッ

一瞬にして身体中の毛が逆立ち始めた。
震えが止まらない。
ガダンッ
震えのせいで手に持っていた盆を落としてしまった。
足や手から力が抜けていくのがわかる。
その場にばたりとたおれこんだ。
目の前がぐらぐらする。

二人の駆けてくる音や声までもが意識と共に遠退いていく。

   「いやァすっかり馴染んじゃってるねェ。」
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