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37話 ブロック戦
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『それでは5分後にAブロックの試合を開始とする! 各々準備をしろ』
リリィ先輩から号令が出た、ボクたちはそれに従う。
Aブロックに選ばれている人間は、ほぼ全員がその場に残る。
他のブロックの人間は離れ、観客席に映る。
ボクは手前側の観客席に座る、Aブロック、フォストがいるブロック。実物だな。
少しでも彼奴の魔法を見切る。
雷の魔力は未だに謎が多い、元々事例が少ない為、情報が少ない。
だからこそ雷魔法は強力ともいえる。
何よりフォストは自分の魔力に理解がある、鬼才の軍師としての才もあるのだろう。
魔法や痛みは目に見えてたら、案外耐えれる物。それでも奇襲に遭えば、前者よりダメージが大きい。
特にフォストは奇襲を主に扱っている。雷魔法を音も気配もなく、視界にも映らない。
ある意味最強な魔力、だが、これはフォストだからできる事。
『それじゃあ皆、今から魔導戦のAブロックを始める!』
リリィ先輩の号令、下にいる生徒たちからピリピリさを感じる。
クラスもバラバラであり、学年も様々、その中で異様に目立つのがフォスト。
ブロック戦といってもどの様になるかは、まだ詳しく説明をされていない。
それ以前に準備期間の間、誰も詳しい説明をしてくれなかった。
ボクは今ぶっつけ本番に出会している。
特にアナウンスもない、どうやら五人生き残りのバトルロワイヤル制。
「フォスト! 貴様からぶっ飛ばしてやる!」
一人の大男が雄叫びを上げながら、フォストに向かっていく、その姿に見覚えが合った。
男は拳を振り抜き、フォストは上体を反らし躱す。
軽く、一、二回、後ろにステップする、男から距離を取る。
直感的に分かる、フォストは魔法を放つ気だ。
フォストは左手を反らす、男の体が痙攣する。
無詠唱で魔法を放った、軌道も魔力も全く感じなかった。
少し手合わせした時と、比べ物にならない。
「なんだ弱いじゃん」
続け様に同じ動作をし、一人、また一人と薙ぎ倒して行く、あっという間に八人まで減った。
一ブロック推定三十以上、それをフォストは一人で片付けた。
後、三人脱落すればAブロックは終わる。
八人の中に風紀員もいる、後は黒虎とか高いクラスの人間、流石のフォストでも簡単にはいかない。
フォストが使っていた魔法。
ボクに撃ってきたのとは違う代物。
まだ、隠し玉を持っていると考えた方がいい。
「フォスト彼奴強すぎだろ!」
「これは優勝候補の一角だな」
観客席の生徒はフォスト戦い振りを見て、感激している物も、唖然としている人もいる。
その中で出てきた言葉、優勝候補の一角。
優勝候補に誰がいるのか、聞きたい物だ。でも、フォストの戦いから目を離せない。
少ない情報でもいい、彼奴を攻略する。
八人まで減ったからなのか、フォスト以外、動きが固くなっている。
その証拠に魔力の流れが波を打っている。
フォストは安定、どんだけ肝が据わっているんだ? 鬼才の軍師。
ボクは何か腑に落ちない物が合った。
鬼才の軍師、色んな意味で強い異名。
何か大事な所を見逃している気がして、仕方ない。
「おいあれを見てみろ!!」
後ろから声が聞こえ、ボクはハッとする。
どうやら思考を巡らしている間に、場が動き始めた。
三人一斉にフォストに向かって、魔法を放つ。
一人、一人の魔法では埒が明かないと思ったのだろう。
結局は後三人脱落させればいい、それならば、強い相手を協力して倒すのも一つの手。
逆にこれはボク的には助かる、簡単に避ける事は難しい。
必然的に魔法で防ぐか、相殺。
次の行動次第で、ボクのスタイルも考えれる。
「あぁ本当にだるいな」
フォストの体から魔力が溢れ出す、始めて外に魔力を出した。
雷の魔力らしく金色の色、放たれる魔法に手を向け、フォストは詠唱しだす。
「雷竜の鍵爪」
フォストの前方に、八芒星の魔法陣が現れ、魔力でできた竜が顕現する。
ビリビリっと雷を纏い、大きいな爪で魔法を切り裂く。
魔法は爆散し、地面には魔法の残骸が散らばる、ボクを含め、観客席で見ている人間は息を呑む。
まるで時が止まったかのように、動きも止まる。
あの三人が脱落でこのブロックは、終了だな。
ボクは観客席から立ち上がり、通路に向かう。
「彼奴余裕そうだな」
「あぁリステリの執事な」
「彼奴が一番の優勝候補の一人」
◇
通路に出るとユウナさんが立っていた。
ボクはなんの前触れもなく、近付く、ユウナさんはこっちに気付いて、手を振ってくる。
「どうしたんですか?」
「うーんちょっと緊張かな、私はこの魔導戦には出るとは思ってもいなかったし、出れるのは光栄だけど」
「不安ですか?」
「……うん。私なんかが出ていいのかなと思ってしまう。クロ君のお陰でクラス上がった物だし」
そんなに卑下しないで欲しい物だ、確かにクラス昇格にはボクが、関係している。
それでも約一月の間、貴女は魔道具での模擬を頑張ってきた。
もう少し、自信を持って欲しい、こういう時、気を利いた事を言った方がいいのだろう。
「ボクはユウナさんに不安を持ちません。信じています。頑張って下さい」
ボクにはそんな言葉はない、どんな言葉を言えば、この人が喜ぶか分からない。
だからボクは本心で言う。
正解も不正解とか関係ない、自分の言葉に嘘偽りはないのだから。
ユウナさんを信じて待つ。
「うん、ありがとう! じゃあ私行ってくるね!」
ユウナさんは自信満々に言い、戦いの場所に向かった。
ボクも一旦観客席に戻るか、この後、ボクは信じられない光景を見た。
『次、Bブロック戦』
アナウンスと共に戦いが始まり、一斉にユウナさんを集中攻撃。
ボクを含め、誰もが第一の脱落はユウナさんと思った。
あの人を信じてはいる、でも、この数を一人で対処しきれない。
と、思っていたが現実は違い、ユウナさんは生き延び、多くの人が脱落した。
一体何が起きたかは分かり辛い、魔力の流れを感じる事ができる為、何が起きたか分かる。
ユウナさんは持ち前の魔道具を使い、魔法の軌道を変え、相手にぶつけた。
魔法のカウンター、複数の攻撃が織り混ざり、一点に絞られた反撃。
轟音と共にユウナさん以外の生徒は、倒れる。その中で四人だけ立ち上がり、そこで終了した。
ほぼ、ユウナさんの一人勝ちだ。
「はは、これは予想以上だ。ボクも頑張らないと」
リリィ先輩から号令が出た、ボクたちはそれに従う。
Aブロックに選ばれている人間は、ほぼ全員がその場に残る。
他のブロックの人間は離れ、観客席に映る。
ボクは手前側の観客席に座る、Aブロック、フォストがいるブロック。実物だな。
少しでも彼奴の魔法を見切る。
雷の魔力は未だに謎が多い、元々事例が少ない為、情報が少ない。
だからこそ雷魔法は強力ともいえる。
何よりフォストは自分の魔力に理解がある、鬼才の軍師としての才もあるのだろう。
魔法や痛みは目に見えてたら、案外耐えれる物。それでも奇襲に遭えば、前者よりダメージが大きい。
特にフォストは奇襲を主に扱っている。雷魔法を音も気配もなく、視界にも映らない。
ある意味最強な魔力、だが、これはフォストだからできる事。
『それじゃあ皆、今から魔導戦のAブロックを始める!』
リリィ先輩の号令、下にいる生徒たちからピリピリさを感じる。
クラスもバラバラであり、学年も様々、その中で異様に目立つのがフォスト。
ブロック戦といってもどの様になるかは、まだ詳しく説明をされていない。
それ以前に準備期間の間、誰も詳しい説明をしてくれなかった。
ボクは今ぶっつけ本番に出会している。
特にアナウンスもない、どうやら五人生き残りのバトルロワイヤル制。
「フォスト! 貴様からぶっ飛ばしてやる!」
一人の大男が雄叫びを上げながら、フォストに向かっていく、その姿に見覚えが合った。
男は拳を振り抜き、フォストは上体を反らし躱す。
軽く、一、二回、後ろにステップする、男から距離を取る。
直感的に分かる、フォストは魔法を放つ気だ。
フォストは左手を反らす、男の体が痙攣する。
無詠唱で魔法を放った、軌道も魔力も全く感じなかった。
少し手合わせした時と、比べ物にならない。
「なんだ弱いじゃん」
続け様に同じ動作をし、一人、また一人と薙ぎ倒して行く、あっという間に八人まで減った。
一ブロック推定三十以上、それをフォストは一人で片付けた。
後、三人脱落すればAブロックは終わる。
八人の中に風紀員もいる、後は黒虎とか高いクラスの人間、流石のフォストでも簡単にはいかない。
フォストが使っていた魔法。
ボクに撃ってきたのとは違う代物。
まだ、隠し玉を持っていると考えた方がいい。
「フォスト彼奴強すぎだろ!」
「これは優勝候補の一角だな」
観客席の生徒はフォスト戦い振りを見て、感激している物も、唖然としている人もいる。
その中で出てきた言葉、優勝候補の一角。
優勝候補に誰がいるのか、聞きたい物だ。でも、フォストの戦いから目を離せない。
少ない情報でもいい、彼奴を攻略する。
八人まで減ったからなのか、フォスト以外、動きが固くなっている。
その証拠に魔力の流れが波を打っている。
フォストは安定、どんだけ肝が据わっているんだ? 鬼才の軍師。
ボクは何か腑に落ちない物が合った。
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何か大事な所を見逃している気がして、仕方ない。
「おいあれを見てみろ!!」
後ろから声が聞こえ、ボクはハッとする。
どうやら思考を巡らしている間に、場が動き始めた。
三人一斉にフォストに向かって、魔法を放つ。
一人、一人の魔法では埒が明かないと思ったのだろう。
結局は後三人脱落させればいい、それならば、強い相手を協力して倒すのも一つの手。
逆にこれはボク的には助かる、簡単に避ける事は難しい。
必然的に魔法で防ぐか、相殺。
次の行動次第で、ボクのスタイルも考えれる。
「あぁ本当にだるいな」
フォストの体から魔力が溢れ出す、始めて外に魔力を出した。
雷の魔力らしく金色の色、放たれる魔法に手を向け、フォストは詠唱しだす。
「雷竜の鍵爪」
フォストの前方に、八芒星の魔法陣が現れ、魔力でできた竜が顕現する。
ビリビリっと雷を纏い、大きいな爪で魔法を切り裂く。
魔法は爆散し、地面には魔法の残骸が散らばる、ボクを含め、観客席で見ている人間は息を呑む。
まるで時が止まったかのように、動きも止まる。
あの三人が脱落でこのブロックは、終了だな。
ボクは観客席から立ち上がり、通路に向かう。
「彼奴余裕そうだな」
「あぁリステリの執事な」
「彼奴が一番の優勝候補の一人」
◇
通路に出るとユウナさんが立っていた。
ボクはなんの前触れもなく、近付く、ユウナさんはこっちに気付いて、手を振ってくる。
「どうしたんですか?」
「うーんちょっと緊張かな、私はこの魔導戦には出るとは思ってもいなかったし、出れるのは光栄だけど」
「不安ですか?」
「……うん。私なんかが出ていいのかなと思ってしまう。クロ君のお陰でクラス上がった物だし」
そんなに卑下しないで欲しい物だ、確かにクラス昇格にはボクが、関係している。
それでも約一月の間、貴女は魔道具での模擬を頑張ってきた。
もう少し、自信を持って欲しい、こういう時、気を利いた事を言った方がいいのだろう。
「ボクはユウナさんに不安を持ちません。信じています。頑張って下さい」
ボクにはそんな言葉はない、どんな言葉を言えば、この人が喜ぶか分からない。
だからボクは本心で言う。
正解も不正解とか関係ない、自分の言葉に嘘偽りはないのだから。
ユウナさんを信じて待つ。
「うん、ありがとう! じゃあ私行ってくるね!」
ユウナさんは自信満々に言い、戦いの場所に向かった。
ボクも一旦観客席に戻るか、この後、ボクは信じられない光景を見た。
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と、思っていたが現実は違い、ユウナさんは生き延び、多くの人が脱落した。
一体何が起きたかは分かり辛い、魔力の流れを感じる事ができる為、何が起きたか分かる。
ユウナさんは持ち前の魔道具を使い、魔法の軌道を変え、相手にぶつけた。
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