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死の淵から生還しました
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もみじみたいな小ちゃい手を俺に伸ばして、「ママ」と呼ぶ愛しい我が子。
ふくふくのほっぺたを更に丸くして笑う息子に、デレデレと鼻の下が伸びてしまう。
「ん~、可愛いでちゅねぇ」
タコ顔負けに唇を突き出して息子に顔を近づけた俺を見て、「奥様……?」と乳母のフィオナさんが困惑をあらわにした。
その瞬間、ハッとして辺りをキョロキョロ見回した。
「え、あれ? 俺、なんで……」
おかしい。ついさっきまで、確かに俺は病室のベッドにいたはずだ。
指先一本すら動かせなくなった俺の傍らで、母さんとばあちゃんがおいおい泣いていた。寡黙な父さんも目に涙を滲ませて、「よく頑張ったな。もう苦しくないからな」と俺の右手を強く握っていた。
その力強さと温もりに静かに涙を流して、俺は二十五年という短い生涯に幕を下ろした。
そのはず、なのに──
「俺、生きてる……?」
ぺたぺたと自分の頬を触る。
「おお……」
人肌の温もりに感動する俺に向かって、またしても小さなもみじが伸ばされた。
「マァマ」
「あ……、うん。ママだよ~?」
「ママ、だっこぉ」
「ん"ん"っ!」
あどけない笑顔でそんなことを言われて、思わず変な声が出てしまった。でも仕方ない、だって可愛いんだもの!
「お、奥様、お加減が優れないようでしたら、私共はお暇いたしますが……」
「ああ、いえ! 元気です! めっちゃ元気です!」
フィオナさんの声にハッとして、慌てて力瘤を作って元気アピールをする。
残念ながらもやし体型の俺の二の腕は大した変化を見せなかったけど、こうして自由に手足を動かせるだけでも十分嬉しかった。
すごい、本当に俺、めちゃくちゃ元気だ。
「病気、治ったのかな」
「病気? やはりお加減が優れないのですか?」
「あ、いや違うんです! むしろ今が一番元気なくらいなので! ……ちなみにあの、奥様って、俺のことで合ってます、か?」
どこからどう見ても平凡な男を捕まえて奥様呼びはちょっと違和感がある。
自分で言ってて恥ずかしくなりながら、確認を込めて恐る恐る尋ねてみる。
ぽかんと口を開けたフィオナさんが、パチクリと瞬きした。
「もちろんでございます」
「そ、そうですか……。で、ですよね……」
嘘偽りのない真っ直ぐな目を前にして否定もできず、奥様呼びを甘んじて受け入れることにした。
いやでも、本当になんで? 俺、奥様なんてあだ名付けられたことあったっけ? いや、ない。
田丸幸治って名前の人間に、奥様なんてトリッキーなあだ名を付ける知り合いは絶対にいない。
「あの……、つかぬことをお伺いしますが、俺の名前ってなんでしたっけ?」
「お、お名前? 奥様のお名前ですか?」
「あ、はい。いや急にすみません! なんかふと気になっちゃって! 俺、田丸幸治で合ってますよね?」
「タマルコージ? 奥様のファーストネームはマテオ様ですわ」
「マテオ……」
田丸幸治から改名してマテオになったとか? うん、なるほど、よく分からん。
「えっと、あの……本当に俺、田丸幸治じゃないんでしたっけ?」
「はい。マテオ・リル・ベリサリオ侯爵夫人に間違いございません」
「べるさいあ……?」
「あ、いえ、ベリサリオ夫人です」
いよいよ雲行きが怪しくなってきた。
これ、もしかして流行りの異世界転生とか、そんな感じだったりする?
長い病室生活のお供はもっぱらテレビや小説といった娯楽で、最近は異世界転生ものが多いなぁ、なんてぼんやり思っていた。だからなんとなく、今の状況に既視感を覚えてしまう。
「あの、ちなみに今って西暦何年ですか?」
「セイレキ? すみません、その年号は存じ上げませんわ。太陽神ギュネージュ様が我々に生を与えてからは1423年経ちますが……」
「1423年……えっとじゃあ、日本は……」
「ニホン、ですか?」
「あ、ジャパンはどうですか? ジャポーネとか!」
「ジャパン……あ、ジャポーニャのことでしょうか? 奥様のお母君の故郷がそちらだとは聞き及んでおりますが……」
「奥様のお母君……? え、あっ、俺の母さんの!? あ、はい、確かに母は日本生まれの日本育ちですけど……」
「知識不足で申し訳ありません。私はニホンというものを存じ上げないのですが……」
「あっ、そうですよね! こちらこそすみません! 全然なんでもないです!」
困惑したように俺を見るフィオナさんに、色んな意味でダラダラと汗が流れた。
これはいよいよまずいことになったぞ。
いやでもまだ確定じゃないし! もしかしたら俺の知らない国の可能性もあるし! うん!
「あの、ちなみに鏡とかってあったりしますか?」
「あ、鏡台でしたらあちらに……」
フィオナさんに促されて、女の人が化粧する時に使うような、鏡のついたタンスみたいなものの前に立つ。
恐る恐るそれを覗き込むと、そこに映っていたのは見慣れた自分の顔、ではなく、見知らぬ男の顔だった。
いや、正確に言えば全く知らない顔ではない。どことなく見覚えがあるというか、俺がもしハーフだったらこんな顔してるかも? みたいな感じの薄ぼんやりした感じの地味な青年だ。
「これが、俺……?」
純日本人らしい黒髪は赤茶色に、目はカラコンを入れたみたいに澄んだ緑色をしていた。
頰にはそばかすが散っていて、前世と同じく低めの鼻は、丸い鼻先だけがツンと上を向いている。
ぽかんと開いた口から覗く前歯がちょっとだけ前に出ていて、よく言えば愛嬌のある、言ってしまえば間抜けな感じの顔をしている。
なんというかこう、パッとしない平凡な顔立ちだった。
「……あの、奥様」
「あ、は、はい!」
「お疲れのご様子ですし、あまりご無理なさらず寝室へ戻られた方が……」
「ああいえっ、本当に全然なんでもないんです! さっきから変なことばっか言ったりしてすみません!」
心配げに眉を下げるフィオナさんに、慌てて首を横に振る。
顔の前でワタワタと手を振って、はたと気づいた。
左手の薬指。なんの変哲もないはずのそこに、シルバーの指輪が輝いている。
単なるオシャレ、というには、その指輪はあまりにも存在感がありすぎた。
「あの、これ……」
「はい」
「この指輪って、俺のですか?」
「も、勿論です! 奥様以外にその指輪の持ち主として相応しい方など、断じていらっしゃいませんわ!」
「ですよねぇー!」
アクセサリーに疎い俺でも、この指輪がかなり値の張るものだということは分かる。
そんな指輪が俺の薬指にぴったりとはまっているということは、つまり……。
この世界の俺って、既婚者?
ぽくぽくちーんと頭に思い浮かんだその答えに、くらりと目眩がした。
鏡で見た感じ結構若そうだけど、貴族だなんだの世界観なら十代で結婚も割と普通そうだしな……。
呆然と立ち尽くす俺の視界に、ちっちゃくて白い何かが映り込んだ。
「ママ」
舌っ足らずな声に顔を上げれば、フィオナさんの腕に抱かれた息子が、「ママ」と懸命に俺の方へ両手を伸ばしていた。
「あ、ああ! ごめんね!」
慌てて息子を抱き上げると、小さなもみじがむにゅっと俺の頰に押しつけられた。その柔らかな感触に、胸がきゅんとする。
「ママ」
「うん、ママだよ~」
「ママぁ」
舌っ足らずな声で俺を呼ぶ息子が可愛くて、思わずデレデレしてしまう。
俺の顔が気持ち悪過ぎたのか、フィオナさんが唖然としたように固まってしまった。
「フィオナさん……?」
「あっ、も、申し訳ありません!」
「ああいえっ、俺こそ気持ち悪い顔してすみません!」
「い、いいえっ、とんでもないです! ……奥様がリアム様を抱っこなさるだなんて……」
ぽそりと呟かれた声に「え?」と反応してしまう。
独り言のつもりだったのか、フィオナさんがびくーっと体を真っ直ぐにした。
「もっ、申し訳ありません!!」
「え!? あ、いやっ、全然怒ってないので大丈夫ですよ!?」
びっくりするくらいの勢いで謝るフィオナさんに、俺までびくーっ! としてしまった。
ふくふくのほっぺたを更に丸くして笑う息子に、デレデレと鼻の下が伸びてしまう。
「ん~、可愛いでちゅねぇ」
タコ顔負けに唇を突き出して息子に顔を近づけた俺を見て、「奥様……?」と乳母のフィオナさんが困惑をあらわにした。
その瞬間、ハッとして辺りをキョロキョロ見回した。
「え、あれ? 俺、なんで……」
おかしい。ついさっきまで、確かに俺は病室のベッドにいたはずだ。
指先一本すら動かせなくなった俺の傍らで、母さんとばあちゃんがおいおい泣いていた。寡黙な父さんも目に涙を滲ませて、「よく頑張ったな。もう苦しくないからな」と俺の右手を強く握っていた。
その力強さと温もりに静かに涙を流して、俺は二十五年という短い生涯に幕を下ろした。
そのはず、なのに──
「俺、生きてる……?」
ぺたぺたと自分の頬を触る。
「おお……」
人肌の温もりに感動する俺に向かって、またしても小さなもみじが伸ばされた。
「マァマ」
「あ……、うん。ママだよ~?」
「ママ、だっこぉ」
「ん"ん"っ!」
あどけない笑顔でそんなことを言われて、思わず変な声が出てしまった。でも仕方ない、だって可愛いんだもの!
「お、奥様、お加減が優れないようでしたら、私共はお暇いたしますが……」
「ああ、いえ! 元気です! めっちゃ元気です!」
フィオナさんの声にハッとして、慌てて力瘤を作って元気アピールをする。
残念ながらもやし体型の俺の二の腕は大した変化を見せなかったけど、こうして自由に手足を動かせるだけでも十分嬉しかった。
すごい、本当に俺、めちゃくちゃ元気だ。
「病気、治ったのかな」
「病気? やはりお加減が優れないのですか?」
「あ、いや違うんです! むしろ今が一番元気なくらいなので! ……ちなみにあの、奥様って、俺のことで合ってます、か?」
どこからどう見ても平凡な男を捕まえて奥様呼びはちょっと違和感がある。
自分で言ってて恥ずかしくなりながら、確認を込めて恐る恐る尋ねてみる。
ぽかんと口を開けたフィオナさんが、パチクリと瞬きした。
「もちろんでございます」
「そ、そうですか……。で、ですよね……」
嘘偽りのない真っ直ぐな目を前にして否定もできず、奥様呼びを甘んじて受け入れることにした。
いやでも、本当になんで? 俺、奥様なんてあだ名付けられたことあったっけ? いや、ない。
田丸幸治って名前の人間に、奥様なんてトリッキーなあだ名を付ける知り合いは絶対にいない。
「あの……、つかぬことをお伺いしますが、俺の名前ってなんでしたっけ?」
「お、お名前? 奥様のお名前ですか?」
「あ、はい。いや急にすみません! なんかふと気になっちゃって! 俺、田丸幸治で合ってますよね?」
「タマルコージ? 奥様のファーストネームはマテオ様ですわ」
「マテオ……」
田丸幸治から改名してマテオになったとか? うん、なるほど、よく分からん。
「えっと、あの……本当に俺、田丸幸治じゃないんでしたっけ?」
「はい。マテオ・リル・ベリサリオ侯爵夫人に間違いございません」
「べるさいあ……?」
「あ、いえ、ベリサリオ夫人です」
いよいよ雲行きが怪しくなってきた。
これ、もしかして流行りの異世界転生とか、そんな感じだったりする?
長い病室生活のお供はもっぱらテレビや小説といった娯楽で、最近は異世界転生ものが多いなぁ、なんてぼんやり思っていた。だからなんとなく、今の状況に既視感を覚えてしまう。
「あの、ちなみに今って西暦何年ですか?」
「セイレキ? すみません、その年号は存じ上げませんわ。太陽神ギュネージュ様が我々に生を与えてからは1423年経ちますが……」
「1423年……えっとじゃあ、日本は……」
「ニホン、ですか?」
「あ、ジャパンはどうですか? ジャポーネとか!」
「ジャパン……あ、ジャポーニャのことでしょうか? 奥様のお母君の故郷がそちらだとは聞き及んでおりますが……」
「奥様のお母君……? え、あっ、俺の母さんの!? あ、はい、確かに母は日本生まれの日本育ちですけど……」
「知識不足で申し訳ありません。私はニホンというものを存じ上げないのですが……」
「あっ、そうですよね! こちらこそすみません! 全然なんでもないです!」
困惑したように俺を見るフィオナさんに、色んな意味でダラダラと汗が流れた。
これはいよいよまずいことになったぞ。
いやでもまだ確定じゃないし! もしかしたら俺の知らない国の可能性もあるし! うん!
「あの、ちなみに鏡とかってあったりしますか?」
「あ、鏡台でしたらあちらに……」
フィオナさんに促されて、女の人が化粧する時に使うような、鏡のついたタンスみたいなものの前に立つ。
恐る恐るそれを覗き込むと、そこに映っていたのは見慣れた自分の顔、ではなく、見知らぬ男の顔だった。
いや、正確に言えば全く知らない顔ではない。どことなく見覚えがあるというか、俺がもしハーフだったらこんな顔してるかも? みたいな感じの薄ぼんやりした感じの地味な青年だ。
「これが、俺……?」
純日本人らしい黒髪は赤茶色に、目はカラコンを入れたみたいに澄んだ緑色をしていた。
頰にはそばかすが散っていて、前世と同じく低めの鼻は、丸い鼻先だけがツンと上を向いている。
ぽかんと開いた口から覗く前歯がちょっとだけ前に出ていて、よく言えば愛嬌のある、言ってしまえば間抜けな感じの顔をしている。
なんというかこう、パッとしない平凡な顔立ちだった。
「……あの、奥様」
「あ、は、はい!」
「お疲れのご様子ですし、あまりご無理なさらず寝室へ戻られた方が……」
「ああいえっ、本当に全然なんでもないんです! さっきから変なことばっか言ったりしてすみません!」
心配げに眉を下げるフィオナさんに、慌てて首を横に振る。
顔の前でワタワタと手を振って、はたと気づいた。
左手の薬指。なんの変哲もないはずのそこに、シルバーの指輪が輝いている。
単なるオシャレ、というには、その指輪はあまりにも存在感がありすぎた。
「あの、これ……」
「はい」
「この指輪って、俺のですか?」
「も、勿論です! 奥様以外にその指輪の持ち主として相応しい方など、断じていらっしゃいませんわ!」
「ですよねぇー!」
アクセサリーに疎い俺でも、この指輪がかなり値の張るものだということは分かる。
そんな指輪が俺の薬指にぴったりとはまっているということは、つまり……。
この世界の俺って、既婚者?
ぽくぽくちーんと頭に思い浮かんだその答えに、くらりと目眩がした。
鏡で見た感じ結構若そうだけど、貴族だなんだの世界観なら十代で結婚も割と普通そうだしな……。
呆然と立ち尽くす俺の視界に、ちっちゃくて白い何かが映り込んだ。
「ママ」
舌っ足らずな声に顔を上げれば、フィオナさんの腕に抱かれた息子が、「ママ」と懸命に俺の方へ両手を伸ばしていた。
「あ、ああ! ごめんね!」
慌てて息子を抱き上げると、小さなもみじがむにゅっと俺の頰に押しつけられた。その柔らかな感触に、胸がきゅんとする。
「ママ」
「うん、ママだよ~」
「ママぁ」
舌っ足らずな声で俺を呼ぶ息子が可愛くて、思わずデレデレしてしまう。
俺の顔が気持ち悪過ぎたのか、フィオナさんが唖然としたように固まってしまった。
「フィオナさん……?」
「あっ、も、申し訳ありません!」
「ああいえっ、俺こそ気持ち悪い顔してすみません!」
「い、いいえっ、とんでもないです! ……奥様がリアム様を抱っこなさるだなんて……」
ぽそりと呟かれた声に「え?」と反応してしまう。
独り言のつもりだったのか、フィオナさんがびくーっと体を真っ直ぐにした。
「もっ、申し訳ありません!!」
「え!? あ、いやっ、全然怒ってないので大丈夫ですよ!?」
びっくりするくらいの勢いで謝るフィオナさんに、俺までびくーっ! としてしまった。
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