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Back me to the ◯
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天満うさぎのヨミは、困り果てていました。お隣の星を調査するつもりだったのに、星間移動船が癇癪を起こして、別の星に着陸してしまったのでした。
みんなの期待を一身に背負い旅立ちました。目的の星に降り立つことは、ヨミにとっては小さな一歩でも、天満うさぎにとっては大きな飛躍になるはずでした。
ヨミは、とぼとぼと船を降りました。心なしか体も、ずんと六倍くらいに感じられます。立ちくらみがして、ふらりと膝をつき、うずくまってしまいました。
「**%***・*****」
不思議な音がして、ヨミは重い頭をようやっともたげました。この星の住民でしょうか、ヨミの様子を窺っている者がありました。
「僕は天満うさぎのヨミ。あなたは誰」
ピーピー、ジジジ。
「けんさくけっか1けん、あまみうさぎご。ほんやくきのうをきどうします。あーあー、まいくてすと。ようこそ、われらのほしへ。あなたをこころからあつくかんげいします」
ヨミはぴょんと跳ねました。まさか、見知らぬ星で言葉が通じるなんて! 体も少し軽くなったように思われました。高度な技術で作られた自律型駆動筐体のようですが、それでもヨミを安堵させるには十分でした。
「わたしのなまえは、しーば・えぬ8です。みんなは、しばはち、とよびます。だれかをしあわせにするのがやくめです」
しばはちは「やすめるところにごあんないします」と、ヨミに先立って歩きました。ヨミは、しばはちをしげしげと観察しました。二足歩行で全身真っ白な被毛に覆われたヨミと違い、四足歩行のしばはちはほとんどが明るい茶色。ふくらかな頬や親しげな目の周り、なだらかな胸とお腹は控えめな白色。二つの耳が姿勢を正し、ヨミに向いた尻尾は活発に揺れています。ヨミは脚が短く(股位置が低いのです)ぽてぽてと歩きますが、しばはちは颯爽とさかさか歩を進めます。
「この星の人は、みんな君と同じ姿なの」
「いいえ。このすがたは、かれらにもっともちゅうじつだったいきもののすがたに、にせてつくられています」
正方形の建物の前で足が止まりました。
「あんぜんでせつびのととのったばしょです。かれらはしぇるたーとよびます」
食糧と思われる缶詰が積み上がり、寝心地良さそうなベッドもありました。ヨミの目に見慣れないものが留まりました。
「これはなに」
「しゃわーです。おゆがでます」
「おゆって、なに」
「みずにねつをくわえたえきたいです」
「ええと、みずって、」
「ひゃくぶんはいっけんにしかず、です。そこのとってをまわしてください」
ヨミが言われたとおりにすると、ざーっと音を立ててお湯が出ました。腕にかかって、全身の毛を逆立てて飛び上がりました。
「やられたあ! もうおしまいだあ」
ぽふぽふと必死に腕を振って涙声です。
「がいはありません。ほうっておけば、そのうちかわきます」
しばらくぎゃあぎゃあ言っていたヨミは、落ち着きを取り戻して(それでも腕をちろちろと過剰に毛づくろいしていましたが)、
「もう、あの星には帰れないのかな」
と、ぽつり呟きました。
「ふねのどうりょくげんはなんですか」
「分からない。僕はただの乗船士なんだ。頭も良くないし、得意なことも無い、体が丈夫なことだけが取り柄で。でも『君にしかできない役目だ』って、乗船士の第一号に選ばれたんだよ」と、ヨミは胸を張りました。
「とりあえず、ふねをしらべにいきましょう」
しばはちは操縦席を覗き、船の下に潜り込み、ヨミに「ここを、どらいばー……いえ、そのどうぐであけてください」と指示を出し、隅々まで調べました。
「ばってりーくどうですね。このほしにも、てきごうするものがあります」
「星に帰れるの」
「おそらくは」
ヨミはしばはちを両腕で抱き締めてから、頬をわしわしと撫でました。
「ありがとう、しばはち。君が助けてくれるおかげで、僕は希望を捨てずにいられるよ」
もちもちされながら、しばはちは言います。
「かれらは、こまったひとをたすけ、ときにたすけられるいきものです。そのいとなみを、もちつもたれつといいます。かれらは、もちつもたれつにしあわせをみいだします」
ぽとぽと、しばはちの頭に落ちてきました。ヨミが笑いながら涙をこぼしていました。「ありがとう」を繰り返していて、なんの言葉も届きそうになくて、しばはちは「それもみずですよ」と言うのはやめておきました。
新しいバッテリーを積んだ船は、呼吸を思い出したかのように作動音を響かせました。ヨミはその音を掻き消すほどの歓声を上げて、しばはちをわしわししました。
ぽつ、ぽつ、地面を打つ音が辺りに広がり始めました。
「しばはち、なにか落ちてきたよ」
「あめですね。かたちのちがう、みずです。あたってもきけんはありませんが、しかいがわるくなりますから、ほしへもどるのはあしたがいいでしょう」
シェルターに戻り、ヨミが缶詰を一つ手に取ると、しばはちが缶切りを咥えてきました。ヨミが言われたとおりの手順で蓋を開け、ふたりでおそるおそる口に運びました。
「けいこうほきゅうでのえねるぎーせっしゅはひさしぶりです。わたしでは、かんづめをあけられないので。こういうひは、たいようこうでのほきゅうができませんから、たすかりました」
「これも、もちつもたれつになるのかな」
「もちろんです」
ヨミが「ふふっ」と笑い、しばはちはいつもより大きく尻尾を振りました。
夜になり、雨が上がりました。しばはちに促されヨミがシェルターの外に出ると、大きく光り輝く金色の円が空に掛かっていました。
「しばはち、あれはなに」
「あなたがすんでいるほしですよ」
真っ暗な小夜に、惜しみなく光を与えてくれる星。従えられた小さな星々も、暗幕に縫い付けられた金釦のようにぺかぺかしています。ヨミは恍惚りしました。
「僕の星は、とっても綺麗なんだね」
「このほしも、そとからみればあおくてきれいなほしだそうですよ」
「この星の人に、まだ会ってないなあ」
「はい、わたしもさいごにみたのは、ずっとずっとまえですから」
しばはちは、淡々と続けます。
「まだどこかにいるかもしれません。わたしのやくめにおわりはありません」
ヨミは、しばはちをぎゅっと抱きかかえてシェルターに戻り、ベッドに倒れ込みました。
「今まで寂しくなかったの、ひとりで」
「よくわかりません」
「この星の人は、君をとってもかわいがっただろうね」
「はい。それはそれは、とても」
そうしてふたりは、まるで体温を分け合うみたいに寄り添いながら、背中を丸めて眠りにつきました。
「てんき、しかい、ともにりょうこう。ぜんぽう、しょうがいぶつなし。とべますよ」
しかし、しばはちの思考に小さな分岐が発生しました。
「ほんとうに、ほしにもどりますか」
「もちろん。帰ったら、次こそ僕の役目を果たして期待に応えなきゃ」
「そうですか、やくめはたいせつですね」
「もしかして、寂しくなったのかい」
冗談めかしたヨミに答える代わりに、しばはちは、ゆっくりと訊ねます。
「あなたは、いま、しあわせですか」
ヨミは少し驚いたように目を丸くしました。そしてにっこり笑いました。
「しばはちが僕をしあわせにしてくれたよ。いつかまた、会いに来るよ」
星間移動船が青い空の彼方へ飛び立ち、輪郭がぼやけ、点になり、やがて見えなくなるのを、しばはちは見届けました。
しばはちは、星間移動船に乗った最初の生き物について考えていました。彼女は自分と似た形をしていて、たくさんの期待を背に、未知の空間へと旅立ったのでした。遠い遠い昔のことです。
ヨミの星間移動船を調べたとき、位置情報を外部へ送信する機能が作動していることに、しばはちは気が付きました。バッテリーの最大容量が、星と星の間を往復するには少なすぎることも。実際、この星と天満うさぎの星はそれほど離れていないのです。
つたえるべきだったでしょうか、と、しばはちは思考します。言い換えるなら。
あの星で待つ天満うさぎ達の期待は、ヨミが帰ってくることではなく、位置情報が目的の星から返ってくることに向けられていたのではないか、ということを。
いいえ、いくつかのそうていえんざんの、けっかのひとつにすぎません。つたえなくてよかったのです。「しあわせにしてくれた」といっていたのですから。
と、しばはちは結論付けました。
夜が来て、あの星がぽかりと浮かびました。しばはちはベッドの上で、記憶領域からヨミの温度を引き出してループ処理させながら、省電力状態に切り替わりました。
みんなの期待を一身に背負い旅立ちました。目的の星に降り立つことは、ヨミにとっては小さな一歩でも、天満うさぎにとっては大きな飛躍になるはずでした。
ヨミは、とぼとぼと船を降りました。心なしか体も、ずんと六倍くらいに感じられます。立ちくらみがして、ふらりと膝をつき、うずくまってしまいました。
「**%***・*****」
不思議な音がして、ヨミは重い頭をようやっともたげました。この星の住民でしょうか、ヨミの様子を窺っている者がありました。
「僕は天満うさぎのヨミ。あなたは誰」
ピーピー、ジジジ。
「けんさくけっか1けん、あまみうさぎご。ほんやくきのうをきどうします。あーあー、まいくてすと。ようこそ、われらのほしへ。あなたをこころからあつくかんげいします」
ヨミはぴょんと跳ねました。まさか、見知らぬ星で言葉が通じるなんて! 体も少し軽くなったように思われました。高度な技術で作られた自律型駆動筐体のようですが、それでもヨミを安堵させるには十分でした。
「わたしのなまえは、しーば・えぬ8です。みんなは、しばはち、とよびます。だれかをしあわせにするのがやくめです」
しばはちは「やすめるところにごあんないします」と、ヨミに先立って歩きました。ヨミは、しばはちをしげしげと観察しました。二足歩行で全身真っ白な被毛に覆われたヨミと違い、四足歩行のしばはちはほとんどが明るい茶色。ふくらかな頬や親しげな目の周り、なだらかな胸とお腹は控えめな白色。二つの耳が姿勢を正し、ヨミに向いた尻尾は活発に揺れています。ヨミは脚が短く(股位置が低いのです)ぽてぽてと歩きますが、しばはちは颯爽とさかさか歩を進めます。
「この星の人は、みんな君と同じ姿なの」
「いいえ。このすがたは、かれらにもっともちゅうじつだったいきもののすがたに、にせてつくられています」
正方形の建物の前で足が止まりました。
「あんぜんでせつびのととのったばしょです。かれらはしぇるたーとよびます」
食糧と思われる缶詰が積み上がり、寝心地良さそうなベッドもありました。ヨミの目に見慣れないものが留まりました。
「これはなに」
「しゃわーです。おゆがでます」
「おゆって、なに」
「みずにねつをくわえたえきたいです」
「ええと、みずって、」
「ひゃくぶんはいっけんにしかず、です。そこのとってをまわしてください」
ヨミが言われたとおりにすると、ざーっと音を立ててお湯が出ました。腕にかかって、全身の毛を逆立てて飛び上がりました。
「やられたあ! もうおしまいだあ」
ぽふぽふと必死に腕を振って涙声です。
「がいはありません。ほうっておけば、そのうちかわきます」
しばらくぎゃあぎゃあ言っていたヨミは、落ち着きを取り戻して(それでも腕をちろちろと過剰に毛づくろいしていましたが)、
「もう、あの星には帰れないのかな」
と、ぽつり呟きました。
「ふねのどうりょくげんはなんですか」
「分からない。僕はただの乗船士なんだ。頭も良くないし、得意なことも無い、体が丈夫なことだけが取り柄で。でも『君にしかできない役目だ』って、乗船士の第一号に選ばれたんだよ」と、ヨミは胸を張りました。
「とりあえず、ふねをしらべにいきましょう」
しばはちは操縦席を覗き、船の下に潜り込み、ヨミに「ここを、どらいばー……いえ、そのどうぐであけてください」と指示を出し、隅々まで調べました。
「ばってりーくどうですね。このほしにも、てきごうするものがあります」
「星に帰れるの」
「おそらくは」
ヨミはしばはちを両腕で抱き締めてから、頬をわしわしと撫でました。
「ありがとう、しばはち。君が助けてくれるおかげで、僕は希望を捨てずにいられるよ」
もちもちされながら、しばはちは言います。
「かれらは、こまったひとをたすけ、ときにたすけられるいきものです。そのいとなみを、もちつもたれつといいます。かれらは、もちつもたれつにしあわせをみいだします」
ぽとぽと、しばはちの頭に落ちてきました。ヨミが笑いながら涙をこぼしていました。「ありがとう」を繰り返していて、なんの言葉も届きそうになくて、しばはちは「それもみずですよ」と言うのはやめておきました。
新しいバッテリーを積んだ船は、呼吸を思い出したかのように作動音を響かせました。ヨミはその音を掻き消すほどの歓声を上げて、しばはちをわしわししました。
ぽつ、ぽつ、地面を打つ音が辺りに広がり始めました。
「しばはち、なにか落ちてきたよ」
「あめですね。かたちのちがう、みずです。あたってもきけんはありませんが、しかいがわるくなりますから、ほしへもどるのはあしたがいいでしょう」
シェルターに戻り、ヨミが缶詰を一つ手に取ると、しばはちが缶切りを咥えてきました。ヨミが言われたとおりの手順で蓋を開け、ふたりでおそるおそる口に運びました。
「けいこうほきゅうでのえねるぎーせっしゅはひさしぶりです。わたしでは、かんづめをあけられないので。こういうひは、たいようこうでのほきゅうができませんから、たすかりました」
「これも、もちつもたれつになるのかな」
「もちろんです」
ヨミが「ふふっ」と笑い、しばはちはいつもより大きく尻尾を振りました。
夜になり、雨が上がりました。しばはちに促されヨミがシェルターの外に出ると、大きく光り輝く金色の円が空に掛かっていました。
「しばはち、あれはなに」
「あなたがすんでいるほしですよ」
真っ暗な小夜に、惜しみなく光を与えてくれる星。従えられた小さな星々も、暗幕に縫い付けられた金釦のようにぺかぺかしています。ヨミは恍惚りしました。
「僕の星は、とっても綺麗なんだね」
「このほしも、そとからみればあおくてきれいなほしだそうですよ」
「この星の人に、まだ会ってないなあ」
「はい、わたしもさいごにみたのは、ずっとずっとまえですから」
しばはちは、淡々と続けます。
「まだどこかにいるかもしれません。わたしのやくめにおわりはありません」
ヨミは、しばはちをぎゅっと抱きかかえてシェルターに戻り、ベッドに倒れ込みました。
「今まで寂しくなかったの、ひとりで」
「よくわかりません」
「この星の人は、君をとってもかわいがっただろうね」
「はい。それはそれは、とても」
そうしてふたりは、まるで体温を分け合うみたいに寄り添いながら、背中を丸めて眠りにつきました。
「てんき、しかい、ともにりょうこう。ぜんぽう、しょうがいぶつなし。とべますよ」
しかし、しばはちの思考に小さな分岐が発生しました。
「ほんとうに、ほしにもどりますか」
「もちろん。帰ったら、次こそ僕の役目を果たして期待に応えなきゃ」
「そうですか、やくめはたいせつですね」
「もしかして、寂しくなったのかい」
冗談めかしたヨミに答える代わりに、しばはちは、ゆっくりと訊ねます。
「あなたは、いま、しあわせですか」
ヨミは少し驚いたように目を丸くしました。そしてにっこり笑いました。
「しばはちが僕をしあわせにしてくれたよ。いつかまた、会いに来るよ」
星間移動船が青い空の彼方へ飛び立ち、輪郭がぼやけ、点になり、やがて見えなくなるのを、しばはちは見届けました。
しばはちは、星間移動船に乗った最初の生き物について考えていました。彼女は自分と似た形をしていて、たくさんの期待を背に、未知の空間へと旅立ったのでした。遠い遠い昔のことです。
ヨミの星間移動船を調べたとき、位置情報を外部へ送信する機能が作動していることに、しばはちは気が付きました。バッテリーの最大容量が、星と星の間を往復するには少なすぎることも。実際、この星と天満うさぎの星はそれほど離れていないのです。
つたえるべきだったでしょうか、と、しばはちは思考します。言い換えるなら。
あの星で待つ天満うさぎ達の期待は、ヨミが帰ってくることではなく、位置情報が目的の星から返ってくることに向けられていたのではないか、ということを。
いいえ、いくつかのそうていえんざんの、けっかのひとつにすぎません。つたえなくてよかったのです。「しあわせにしてくれた」といっていたのですから。
と、しばはちは結論付けました。
夜が来て、あの星がぽかりと浮かびました。しばはちはベッドの上で、記憶領域からヨミの温度を引き出してループ処理させながら、省電力状態に切り替わりました。
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