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28.お父様がやって来た
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夕方、授業が終わると私は面会室へ急いだ。父が学院に来ていると、事務の人から教えてもらったからだ。
「お父様!」
教室を飛び出した私をローザリンデ様が目を丸くして見ていた気がするけれど、お上品かどうかなんて構ってられない。
スカートを揺らして廊下を早歩きし、ノックもそこそこに部屋に飛び込む。
久しぶりに会った父は以前の記憶のままの姿だった。
私と同じ濃い茶色の髪の毛に青い瞳。
屈強な印象のあるおじい様とは真逆の頼りなさげな雰囲気も同じ。
でも一つだけ違うところがあった。
「何があったんですかっ!」
顔が腫れていた。
エンベルよりはひどい腫れじゃないけれど、広範囲だ。
まさかまた元婚約者に?
「あ、うん。ニクシーに……」
「お母様が?」
私は訝し気に目を眇めた。
だってお母様はごく普通の女性だ。日々、庭で作業もしているから王都の貴婦人よりは力があるだろうけれど、お父様の頬を腫らすような拳の威力はないだろうし、そもそもパンチもしない。
お父様は肩をがくりと落とした。
「いやー……。エンベルが飛び出した時、ニクシーに追って行ってって言われたんだけどね……。ニクシーは階段から転げ落ちていたし、夫人も腰を抜かしてしまっていたからふたりの方が先だと思って」
「ええ」
「介抱したんだ。でもエンベルは相手に聞きに行くって言ったっきり、ずっと帰ってこなくてさ。男の子だから大丈夫だろうとは思ってたけれど、すっかり陽も落ちてからようやく帰ってきたと思ったらボロボロになって帰ってきて。話を聞いたら相手に殴りかかったところを返り討ちにされたって言うじゃないか。それを聞いたニクシーが泣いて怒って……。僕にも『だから追いかけてって言ったのに』って。その時に平手打ちされた」
その様子がありありと想像できる。
母もエンベルが怪我を負って帰って来て動転していたのだろう。
でも。
「平手打ち?」
その頬で?
「あはは」
父が恥ずかしそうに頭をかく。
「平手打ちの後体当たりされて、それに踏ん張れなくて顔を壁にぶつけたよ」
「そうなの……」
どんくさい。
けれど父も元婚約者に殴られたわけじゃないと知ってホッとした。
父は傭兵のような鋭さと体格の良さを持っているおじい様と違い、麗しくたおやかなおばあ様の特徴をよく受け継いだようで、身長だけは高いがひょろりとしていた。
そしていつもにこにことしていて暖かい雰囲気の人だ。
エンベル同様、喧嘩なんてできない。
「エジェ、それで今日来たのは……」
「知ってるわ。婚約破棄されたんでしょう」
「うん、すまないね……」
もごもごと申し訳なさそうにする父を私はキッと睨みつける。
「何を謝ることがあるのですか、あんな人と結婚しなくてよくなって嬉しく思っているくらいなんだから!」
婚約がなくなったことを憐れまれたくなんてない。
体格差もあって、エンベルを殴ればどうなるかわかっていたはずだ。
弟から殴りかかったんだとしても、見るからに弱そうな年下の男の子に対してやりすぎだったと思う。
お互いに知らない人間じゃない。
もしかしたら義弟になるかもしれなかった相手に。
そんな人はこちらからお断りだ!
父は目を瞬かせながら私を見ると、もう一度小さく「すまなかった」と呟いてから落としていた視線を上げた。
「お父様にも『お前は見る目がない』って怒られた」
「おじい様……」
私の記憶の中のおじい様はいつも眼光鋭くきりりとした顔をしている。
無口であまり言葉をかわすことはなかったけれど、遠回しに私を思いやる心が伝わってきて心が温まる。
「うちのような田舎町だとお前の相手を見つけるのも一苦労だろうと思って、一部の評判だけで彼の家に話を持っていってしまった。もっとちゃんと人となりをみるべきだったんだ。そうすればお前の評判に傷をつけることもなかったし、エンベルに怪我させることもなかった」
「……どうかしら。そうかもしれないけれど、そうじゃないかもしれないわ」
私だってもっとちゃんと手紙を書いていれば、余計な隙を与えなかっただろうし。
商人が町に来たって手紙にあった。その時に興味を持って彼に詳しく聞いていれば違ったのかも。
それよりも、夏の長期休暇の時に婚約を解消してもらっていたら。
山に登るのを面倒くさがらずお父様に会いに行っていたら。
でもどれもこれも過ぎてから言えることで。
「お父様、私さっきも言いましたけれど彼と結婚しなくてよくなって、本当に感謝しているの。強がりじゃないですよ」
「そうか」
「もちろん!」
私はぐっと両手を握り締めて鼻息荒く返事をした。
父は小さく「わかったよ」と言うと、空気を切り替えるように明るい声で言った。
「それで、エンベルはどこにいるんだ?」
「ああ、王都の学院に紹介してもらったホテルに泊まってるの。さすがに女子寮には泊められなくて」
「そうだろうね」
エンベルには暇潰しができるように、大学の図書館が一般の人にも開放されているってことを伝えてある。
だからきっとそこにいる。
父はどこにいるかわからないエンベルをやみくもに探すよりも、私に先に会いに来るだろうと思っていたがその通りだった。
「今の時間なら大学の図書館にいると思うから行ってみましょう。いなかったらエンベルの泊まっているホテルに行ってみましょ」
* * *
エンベルは図書館にいなかった。
弟のことだから、どうせ蜂の本でも読んでるんだろうと昆虫学の場所、それから天文学やもしかしてと思って魔法学の場所まで見てみたけれどどこにもいなかった。
お小遣いも貰ってるようだし、もしかして王都にある博物館に行ったのかもしれない。
でも夜にはホテルに帰って来るわよね。
そう思って父をホテルに案内すと、エンベルはホテルにいた。どうやらお父様がそろそろ来るだろうと思って、ホテルにいてくれたらしい。私は門限もあるし、明日も学院があるから後は二人に任せて私は帰って来ることにした。
黒いコートと帽子を被った点灯夫が長い点火棒を持ち歩き、一本一本ガス灯を灯し始める頃。
薄暗い夕闇の中、寒さに身を縮こませ、手をこすり合わせながら歩いていると聞きなれた声に呼び止められた。
「エジェ」
上着の裾をはためかせ、長い脚で颯爽と歩く姿はいつ見てもかっこいい。
思わず見惚れてしまったけれど、強引にその考えを追い出す。
「ライムント。ここで会うとは思いませんでした」
「それはこっちの言葉だ。俺の家はこの近くだ」
「そうなんですか!」
騒がしい通りから離れた、落ち着いた佇まいの建物が多い場所だ。
「エンベルと会ったぞ」
「え? ああ、王都に来ていますものね」
図書館かな。会う可能性があったことには気が付いていた。
ライムントもエンベルのあの顔を見たのね。
殴られた跡がくっきりと残る痛々しい顔。
エンベルから何か聞いたかしら……。
私は眉を下げて微笑んだ。
「ああ、昨日たまたまエンベルと図書館で会って、良ければ先日の礼に家に食事にどうかと誘ったんだ。食事が終わって馬車を呼んで帰すつもりだったんだが時間が遅くなったから泊まらせたんだ」
「そ、それは弟が大変失礼を……」
弟の図々しさに顔が赤くなる。
ちゃんとお礼言ったかしら、なんて子供みたいなことを心配してしまう。
「たいしたことはない。むしろ帰ると言っていたのに予定を変更させて申し訳なかった」
「いえ。あの子どうせ暇ですから気にしないでください」
私の学院が休みになるのを待って、一緒にアレナゼルプにある伯父の家に行くだけだ。
「君はどうしてここに? 薄暗いから寮の近くまで送ろう」
その申し出に小さく頷いて私たちは並んで歩き出した。
「お父様!」
教室を飛び出した私をローザリンデ様が目を丸くして見ていた気がするけれど、お上品かどうかなんて構ってられない。
スカートを揺らして廊下を早歩きし、ノックもそこそこに部屋に飛び込む。
久しぶりに会った父は以前の記憶のままの姿だった。
私と同じ濃い茶色の髪の毛に青い瞳。
屈強な印象のあるおじい様とは真逆の頼りなさげな雰囲気も同じ。
でも一つだけ違うところがあった。
「何があったんですかっ!」
顔が腫れていた。
エンベルよりはひどい腫れじゃないけれど、広範囲だ。
まさかまた元婚約者に?
「あ、うん。ニクシーに……」
「お母様が?」
私は訝し気に目を眇めた。
だってお母様はごく普通の女性だ。日々、庭で作業もしているから王都の貴婦人よりは力があるだろうけれど、お父様の頬を腫らすような拳の威力はないだろうし、そもそもパンチもしない。
お父様は肩をがくりと落とした。
「いやー……。エンベルが飛び出した時、ニクシーに追って行ってって言われたんだけどね……。ニクシーは階段から転げ落ちていたし、夫人も腰を抜かしてしまっていたからふたりの方が先だと思って」
「ええ」
「介抱したんだ。でもエンベルは相手に聞きに行くって言ったっきり、ずっと帰ってこなくてさ。男の子だから大丈夫だろうとは思ってたけれど、すっかり陽も落ちてからようやく帰ってきたと思ったらボロボロになって帰ってきて。話を聞いたら相手に殴りかかったところを返り討ちにされたって言うじゃないか。それを聞いたニクシーが泣いて怒って……。僕にも『だから追いかけてって言ったのに』って。その時に平手打ちされた」
その様子がありありと想像できる。
母もエンベルが怪我を負って帰って来て動転していたのだろう。
でも。
「平手打ち?」
その頬で?
「あはは」
父が恥ずかしそうに頭をかく。
「平手打ちの後体当たりされて、それに踏ん張れなくて顔を壁にぶつけたよ」
「そうなの……」
どんくさい。
けれど父も元婚約者に殴られたわけじゃないと知ってホッとした。
父は傭兵のような鋭さと体格の良さを持っているおじい様と違い、麗しくたおやかなおばあ様の特徴をよく受け継いだようで、身長だけは高いがひょろりとしていた。
そしていつもにこにことしていて暖かい雰囲気の人だ。
エンベル同様、喧嘩なんてできない。
「エジェ、それで今日来たのは……」
「知ってるわ。婚約破棄されたんでしょう」
「うん、すまないね……」
もごもごと申し訳なさそうにする父を私はキッと睨みつける。
「何を謝ることがあるのですか、あんな人と結婚しなくてよくなって嬉しく思っているくらいなんだから!」
婚約がなくなったことを憐れまれたくなんてない。
体格差もあって、エンベルを殴ればどうなるかわかっていたはずだ。
弟から殴りかかったんだとしても、見るからに弱そうな年下の男の子に対してやりすぎだったと思う。
お互いに知らない人間じゃない。
もしかしたら義弟になるかもしれなかった相手に。
そんな人はこちらからお断りだ!
父は目を瞬かせながら私を見ると、もう一度小さく「すまなかった」と呟いてから落としていた視線を上げた。
「お父様にも『お前は見る目がない』って怒られた」
「おじい様……」
私の記憶の中のおじい様はいつも眼光鋭くきりりとした顔をしている。
無口であまり言葉をかわすことはなかったけれど、遠回しに私を思いやる心が伝わってきて心が温まる。
「うちのような田舎町だとお前の相手を見つけるのも一苦労だろうと思って、一部の評判だけで彼の家に話を持っていってしまった。もっとちゃんと人となりをみるべきだったんだ。そうすればお前の評判に傷をつけることもなかったし、エンベルに怪我させることもなかった」
「……どうかしら。そうかもしれないけれど、そうじゃないかもしれないわ」
私だってもっとちゃんと手紙を書いていれば、余計な隙を与えなかっただろうし。
商人が町に来たって手紙にあった。その時に興味を持って彼に詳しく聞いていれば違ったのかも。
それよりも、夏の長期休暇の時に婚約を解消してもらっていたら。
山に登るのを面倒くさがらずお父様に会いに行っていたら。
でもどれもこれも過ぎてから言えることで。
「お父様、私さっきも言いましたけれど彼と結婚しなくてよくなって、本当に感謝しているの。強がりじゃないですよ」
「そうか」
「もちろん!」
私はぐっと両手を握り締めて鼻息荒く返事をした。
父は小さく「わかったよ」と言うと、空気を切り替えるように明るい声で言った。
「それで、エンベルはどこにいるんだ?」
「ああ、王都の学院に紹介してもらったホテルに泊まってるの。さすがに女子寮には泊められなくて」
「そうだろうね」
エンベルには暇潰しができるように、大学の図書館が一般の人にも開放されているってことを伝えてある。
だからきっとそこにいる。
父はどこにいるかわからないエンベルをやみくもに探すよりも、私に先に会いに来るだろうと思っていたがその通りだった。
「今の時間なら大学の図書館にいると思うから行ってみましょう。いなかったらエンベルの泊まっているホテルに行ってみましょ」
* * *
エンベルは図書館にいなかった。
弟のことだから、どうせ蜂の本でも読んでるんだろうと昆虫学の場所、それから天文学やもしかしてと思って魔法学の場所まで見てみたけれどどこにもいなかった。
お小遣いも貰ってるようだし、もしかして王都にある博物館に行ったのかもしれない。
でも夜にはホテルに帰って来るわよね。
そう思って父をホテルに案内すと、エンベルはホテルにいた。どうやらお父様がそろそろ来るだろうと思って、ホテルにいてくれたらしい。私は門限もあるし、明日も学院があるから後は二人に任せて私は帰って来ることにした。
黒いコートと帽子を被った点灯夫が長い点火棒を持ち歩き、一本一本ガス灯を灯し始める頃。
薄暗い夕闇の中、寒さに身を縮こませ、手をこすり合わせながら歩いていると聞きなれた声に呼び止められた。
「エジェ」
上着の裾をはためかせ、長い脚で颯爽と歩く姿はいつ見てもかっこいい。
思わず見惚れてしまったけれど、強引にその考えを追い出す。
「ライムント。ここで会うとは思いませんでした」
「それはこっちの言葉だ。俺の家はこの近くだ」
「そうなんですか!」
騒がしい通りから離れた、落ち着いた佇まいの建物が多い場所だ。
「エンベルと会ったぞ」
「え? ああ、王都に来ていますものね」
図書館かな。会う可能性があったことには気が付いていた。
ライムントもエンベルのあの顔を見たのね。
殴られた跡がくっきりと残る痛々しい顔。
エンベルから何か聞いたかしら……。
私は眉を下げて微笑んだ。
「ああ、昨日たまたまエンベルと図書館で会って、良ければ先日の礼に家に食事にどうかと誘ったんだ。食事が終わって馬車を呼んで帰すつもりだったんだが時間が遅くなったから泊まらせたんだ」
「そ、それは弟が大変失礼を……」
弟の図々しさに顔が赤くなる。
ちゃんとお礼言ったかしら、なんて子供みたいなことを心配してしまう。
「たいしたことはない。むしろ帰ると言っていたのに予定を変更させて申し訳なかった」
「いえ。あの子どうせ暇ですから気にしないでください」
私の学院が休みになるのを待って、一緒にアレナゼルプにある伯父の家に行くだけだ。
「君はどうしてここに? 薄暗いから寮の近くまで送ろう」
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