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7.フィデリオの目的
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「フィデリオさん、いつもありがとうございます」
数日後、私は図書館に行くとフィデリオにさっき買ったばかりのサブレを渡した。
本から顔をあげると、目の前に座った私を見るフィデリオ。
「カフェで売ってるやつですね。これ美味しいですよね、遠慮なくいただきますね。ありがとうございます」
紙袋に包まれたサブレを大切そうに受け取る。
サブレも私には高価な食べ物だったけれど、フィデリオには慣れたお菓子のようだった。それでも大事そうに受け取ってもらえて嬉しい。
「良ければ一緒に食べませんか? ちょうど休憩したいと思っていたんです」
「図書館は飲食厳禁ですよ」
「ですから外に行きましょう。なんなら気分を変えて外で勉強しませんか? 天気もいいですし」
私はつい、いつもの癖で「噂になるかも」と思ってしまったけれど、先日アデム殿下の話を聞いてから自分の中の悩みが吹っ切れたような気持ちだった。
乙女ゲームなんかじゃない。
だから笑って提案を受け入れたのだった。
図書館から少し離れた芝生の上に座る。
ここは一般の人も入れるようになっているので、お散歩をしている年配の人や円形に座った子ども達に読み聞かせをしている人等がいた。
読み聞かせ、いいかもしれない。
故郷に帰ったら私もやってみようかな?
フィデリオはサブレの包みを開けると一枚食べる。
「エジェさんもどうぞ」
フィデリオに買ったものを食べるの、なんだか悪い気がするけれど。
私はちょっと笑うと遠慮なくもらうことにした。
実は美味しいって噂を聞いたから買っただけで、私は食べたことがなかったのだ。
「ありがとうございます」
芳醇な牛のバターの香りとさっくりとした歯触り。
これが都会のお菓子か。
かみしめるように食べているとフィデリオが口を開いた。
「何かありました?」
「私がお礼にサブレを渡すのってそんなに不思議なのでしょうか?」
「そういう訳じゃないです」
フィデリオは曖昧に微笑むと、遠くで走り回る子ども達を見つめた。
私はもう一口サブレを齧る。
空いている手で持って来た教科書の表紙を撫でる。
「フィデリオさんが学院一の秀才で、今は大学の勉強も進めてるんだって聞きました」
「自分の事を秀才とは思いませんが、勉強はしています」
「王宮で働く官僚になるために、大学にも通ってるって」
「目をかけてくれている教授がいて、たまに授業を聞かせてもらっているだけです」
フィデリオは何てことないように言ってるけれど、それってすごい事だと思う。
たゆまぬ努力をしているのだ。
そんな人が私の勉強を見るだなんて時間、本当はないと思う。
「誰から聞いたんですか?」
フィデリオが不思議そうな顔で問いかける。
「ライムント先生よ」
「なるほど」
図書館で勉強している私達を見て、友人になったと思ったらしい。
ライムント先生が、雑談のついでにフィデリオのことも教えてくれたのだ。
貴族社会に疎い私を気遣ってだと思う。
当然、フィデリオの細かい情報なんて知らなかった私は驚いた。
枢機卿の孫で侯爵家で。
友達のいない私が知っていた情報なんてそんなものだったから。
「迷惑をかけてたって思ったの」
私が目を伏せてそう言うと、少しだけ笑うような気配があった。
「僕も目的があるので」
「え?」
「去年もエジェさんと同じ立場の女性がいました」
知ってる。ライムント先生が言っていた人のことだ。
「その時僕は同じ学年でした。彼女が日々を過ごすうちに、だんだんと表情が暗くなっているのにも気が付いていました。勉強にもあまりついていけてないっていう噂も出ていて」
「そうなの」
去年の子も私と同じような状況だったのだろうか。
「そして夏の休暇の後来なくなりました。辞めてしまったんですね」
私はゆっくりとまばたきをした。
「僕は将来国の為に働きたいって考えていました。それなのにその国のプロジェクトで来た子の力になることができませんでした。もっと何か出来ることもあったと思うのに」
「それはフィデリオさんが気にすることじゃないわ」
辞めた彼女の心の中を理解することはできないけれど、少なくともフィデリオが気にすべきことじゃないと思う。
というか、私は学院を無事卒業したいって考えてるけど、この学院の誰も私が卒業しようがしまいが何とも思わないし、何の関係もないだろう。
曖昧に微笑む私を、フィデリオはキッと決意のこもった視線で見つめてきた。
「教育の質を高め、誰もが学習に関わる機会を得る事。僕もそれが近隣諸国に負けない国造りに繋がるって僕も信じています!」
「うん」
本当にそうかは私にはわからない。
でも、そう信じている人達のおかげで私はチャンスを得て今ここにいるんだから否定はしない。
「それから、実はここからは秘密でお願いしますね」
フィデリオは左右を見回すと、声を潜めた。
広い野外だ。聞かれる心配はなさそうだったけれどフィデリオは落ち着かないようだった。
ひとつ息を整えると思い切った様子で口を開いた。
さっきまでとは全く違う雰囲気を纏って。
「実はそのプロジェクトの発案者が僕の憧れの人だったんです。彼女も初めて任された仕事だって大張り切りでして……。僕もそのプロジェクトの力になりたくて、彼女に追いつきたくて頑張ってるんです」
私は目をパチパチとさせた。
フィデリオの顔が真っ赤に染まっている。
「だから!」
多分私の視線が、見守るような生暖かい目になっていたんだと思う。
私を見たフィデリオは、恥ずかしかったのか急に大声になった。
「僕も頑張るのでエジェさんも頑張りましょうね! 僕も勉強ならいつでも見ますから!」
私は自然とふにゃりと笑顔になるのを感じた。
「わかりました。一緒に頑張りましょう」
善意とか、国のためとか。そんな理由じゃなくて、もっと人間らしい理由で私はむしろ安心したのだった。
フィデリオの未だに赤い頬を見ながら、私はそういえばとノートに書き綴っていたページを広げた。
そこには私が学院に来て困ったことや気を付けた方がいいことが書いてある。
これをそのまま貴族代表みたいなフィデリオに見せるのは抵抗があるけれど。
「実は私、考えていることがあるんです」
フィデリオなら怒らずに聞いてくれるはず。
それに、忌憚のない意見もくれると思う。
私はノートをフィデリオに見せた。
「ここに書いていることですが、私が故郷から学院に入って失敗というか、気をつければよかったなって思ったことなんです」
そこには、「学院に入る前に先生からもっと授業をしてもらえばよかった」や「選択で音楽を選んだけれど楽器が弾けない場合はやめたほうがいい」「貴族名鑑で名前を確認しておくこと」「校舎が広すぎて迷う」「学院の連絡事は掲示板を見る」等と、勉強のことから学院生活の細かいことまでをメモしている。
フィデリオにとってはなんだこれ? って思うものばかりかもしれない。
「来年、私と同じような子が入って来るかなって。その時に彼女に教えてあげられたらなって思ってるんです」
「へぇ……」
フィデリオは興味深そうに私の書いたメモを読んでいたが、すべてに目を通すとパッと顔をあげた。
「いいですね、これ!」
見たことのないような弾ける笑顔で、前のめりの姿勢になって何度も頷くフィデリオ。
「そうかしら?」
「もちろん! エジェさんの体験したことがこれから来る人達に絶対役立ちます!」
ただの書き走りのようなメモをそんなに褒められると、なんだか照れてしまう。
その日は私でも出来ることがあるんだ。とか、フィデリオに認められたようで嬉しかったり。と、高揚した気分のまま一日を終えることができた。
けれど、フィデリオの笑顔の意味を私は後々知ることになる。
翌々日。
登校すると、私は掲示板に近付いた。
中庭の件があってから、掲示板を確認してから教室に行くのが日課だった。
昨日も見た連絡事項は流し見しながら新しい掲示物に目を留めた。
「――っ!」
私は目を見開き、思わず息を飲む。
側に誰もいないことを確認すると、慌てて掲示板から一枚の紙をはぎ取る。
そこには私の名前。それから、生徒会室まで来室するようにとの一文が添えられていた。
日付は放課後であればいつでも良いと書かれていた。
そこは配慮してくれるんですね……。
私は用紙を折りたたんでポケットに入れると溜息を吐いた。
掲示板で呼び出しが楽なのはわかるけど。
もっと他の連絡方法なかったかなぁ。
数日後、私は図書館に行くとフィデリオにさっき買ったばかりのサブレを渡した。
本から顔をあげると、目の前に座った私を見るフィデリオ。
「カフェで売ってるやつですね。これ美味しいですよね、遠慮なくいただきますね。ありがとうございます」
紙袋に包まれたサブレを大切そうに受け取る。
サブレも私には高価な食べ物だったけれど、フィデリオには慣れたお菓子のようだった。それでも大事そうに受け取ってもらえて嬉しい。
「良ければ一緒に食べませんか? ちょうど休憩したいと思っていたんです」
「図書館は飲食厳禁ですよ」
「ですから外に行きましょう。なんなら気分を変えて外で勉強しませんか? 天気もいいですし」
私はつい、いつもの癖で「噂になるかも」と思ってしまったけれど、先日アデム殿下の話を聞いてから自分の中の悩みが吹っ切れたような気持ちだった。
乙女ゲームなんかじゃない。
だから笑って提案を受け入れたのだった。
図書館から少し離れた芝生の上に座る。
ここは一般の人も入れるようになっているので、お散歩をしている年配の人や円形に座った子ども達に読み聞かせをしている人等がいた。
読み聞かせ、いいかもしれない。
故郷に帰ったら私もやってみようかな?
フィデリオはサブレの包みを開けると一枚食べる。
「エジェさんもどうぞ」
フィデリオに買ったものを食べるの、なんだか悪い気がするけれど。
私はちょっと笑うと遠慮なくもらうことにした。
実は美味しいって噂を聞いたから買っただけで、私は食べたことがなかったのだ。
「ありがとうございます」
芳醇な牛のバターの香りとさっくりとした歯触り。
これが都会のお菓子か。
かみしめるように食べているとフィデリオが口を開いた。
「何かありました?」
「私がお礼にサブレを渡すのってそんなに不思議なのでしょうか?」
「そういう訳じゃないです」
フィデリオは曖昧に微笑むと、遠くで走り回る子ども達を見つめた。
私はもう一口サブレを齧る。
空いている手で持って来た教科書の表紙を撫でる。
「フィデリオさんが学院一の秀才で、今は大学の勉強も進めてるんだって聞きました」
「自分の事を秀才とは思いませんが、勉強はしています」
「王宮で働く官僚になるために、大学にも通ってるって」
「目をかけてくれている教授がいて、たまに授業を聞かせてもらっているだけです」
フィデリオは何てことないように言ってるけれど、それってすごい事だと思う。
たゆまぬ努力をしているのだ。
そんな人が私の勉強を見るだなんて時間、本当はないと思う。
「誰から聞いたんですか?」
フィデリオが不思議そうな顔で問いかける。
「ライムント先生よ」
「なるほど」
図書館で勉強している私達を見て、友人になったと思ったらしい。
ライムント先生が、雑談のついでにフィデリオのことも教えてくれたのだ。
貴族社会に疎い私を気遣ってだと思う。
当然、フィデリオの細かい情報なんて知らなかった私は驚いた。
枢機卿の孫で侯爵家で。
友達のいない私が知っていた情報なんてそんなものだったから。
「迷惑をかけてたって思ったの」
私が目を伏せてそう言うと、少しだけ笑うような気配があった。
「僕も目的があるので」
「え?」
「去年もエジェさんと同じ立場の女性がいました」
知ってる。ライムント先生が言っていた人のことだ。
「その時僕は同じ学年でした。彼女が日々を過ごすうちに、だんだんと表情が暗くなっているのにも気が付いていました。勉強にもあまりついていけてないっていう噂も出ていて」
「そうなの」
去年の子も私と同じような状況だったのだろうか。
「そして夏の休暇の後来なくなりました。辞めてしまったんですね」
私はゆっくりとまばたきをした。
「僕は将来国の為に働きたいって考えていました。それなのにその国のプロジェクトで来た子の力になることができませんでした。もっと何か出来ることもあったと思うのに」
「それはフィデリオさんが気にすることじゃないわ」
辞めた彼女の心の中を理解することはできないけれど、少なくともフィデリオが気にすべきことじゃないと思う。
というか、私は学院を無事卒業したいって考えてるけど、この学院の誰も私が卒業しようがしまいが何とも思わないし、何の関係もないだろう。
曖昧に微笑む私を、フィデリオはキッと決意のこもった視線で見つめてきた。
「教育の質を高め、誰もが学習に関わる機会を得る事。僕もそれが近隣諸国に負けない国造りに繋がるって僕も信じています!」
「うん」
本当にそうかは私にはわからない。
でも、そう信じている人達のおかげで私はチャンスを得て今ここにいるんだから否定はしない。
「それから、実はここからは秘密でお願いしますね」
フィデリオは左右を見回すと、声を潜めた。
広い野外だ。聞かれる心配はなさそうだったけれどフィデリオは落ち着かないようだった。
ひとつ息を整えると思い切った様子で口を開いた。
さっきまでとは全く違う雰囲気を纏って。
「実はそのプロジェクトの発案者が僕の憧れの人だったんです。彼女も初めて任された仕事だって大張り切りでして……。僕もそのプロジェクトの力になりたくて、彼女に追いつきたくて頑張ってるんです」
私は目をパチパチとさせた。
フィデリオの顔が真っ赤に染まっている。
「だから!」
多分私の視線が、見守るような生暖かい目になっていたんだと思う。
私を見たフィデリオは、恥ずかしかったのか急に大声になった。
「僕も頑張るのでエジェさんも頑張りましょうね! 僕も勉強ならいつでも見ますから!」
私は自然とふにゃりと笑顔になるのを感じた。
「わかりました。一緒に頑張りましょう」
善意とか、国のためとか。そんな理由じゃなくて、もっと人間らしい理由で私はむしろ安心したのだった。
フィデリオの未だに赤い頬を見ながら、私はそういえばとノートに書き綴っていたページを広げた。
そこには私が学院に来て困ったことや気を付けた方がいいことが書いてある。
これをそのまま貴族代表みたいなフィデリオに見せるのは抵抗があるけれど。
「実は私、考えていることがあるんです」
フィデリオなら怒らずに聞いてくれるはず。
それに、忌憚のない意見もくれると思う。
私はノートをフィデリオに見せた。
「ここに書いていることですが、私が故郷から学院に入って失敗というか、気をつければよかったなって思ったことなんです」
そこには、「学院に入る前に先生からもっと授業をしてもらえばよかった」や「選択で音楽を選んだけれど楽器が弾けない場合はやめたほうがいい」「貴族名鑑で名前を確認しておくこと」「校舎が広すぎて迷う」「学院の連絡事は掲示板を見る」等と、勉強のことから学院生活の細かいことまでをメモしている。
フィデリオにとってはなんだこれ? って思うものばかりかもしれない。
「来年、私と同じような子が入って来るかなって。その時に彼女に教えてあげられたらなって思ってるんです」
「へぇ……」
フィデリオは興味深そうに私の書いたメモを読んでいたが、すべてに目を通すとパッと顔をあげた。
「いいですね、これ!」
見たことのないような弾ける笑顔で、前のめりの姿勢になって何度も頷くフィデリオ。
「そうかしら?」
「もちろん! エジェさんの体験したことがこれから来る人達に絶対役立ちます!」
ただの書き走りのようなメモをそんなに褒められると、なんだか照れてしまう。
その日は私でも出来ることがあるんだ。とか、フィデリオに認められたようで嬉しかったり。と、高揚した気分のまま一日を終えることができた。
けれど、フィデリオの笑顔の意味を私は後々知ることになる。
翌々日。
登校すると、私は掲示板に近付いた。
中庭の件があってから、掲示板を確認してから教室に行くのが日課だった。
昨日も見た連絡事項は流し見しながら新しい掲示物に目を留めた。
「――っ!」
私は目を見開き、思わず息を飲む。
側に誰もいないことを確認すると、慌てて掲示板から一枚の紙をはぎ取る。
そこには私の名前。それから、生徒会室まで来室するようにとの一文が添えられていた。
日付は放課後であればいつでも良いと書かれていた。
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