5 / 26
3.治癒の占い師?
しおりを挟む
教えてもらった場所に着いた頃には辺りは夕焼けに染まっていた。
「もう帰っちゃったかしら?」
「どうだろうな。人通りもまだ多いからいるかもしれないな」
町の住人の他に、旅人や巡礼者らしき人達も歩いている。
皆目的があるのか寄り道をせずに迷いなく歩いているようだった。
その中で、石壁に身を寄せて通りを眺めている女性がいた。
褐色の、肌の焼けたすらりとした痩せた女性だ。髪を布で隠すように覆っている。
服装は、頭からかぶるような踝まである白いワンピースの上から、大きな織物の布を一方の肩から斜めに他方の脇の下を通すように身に着けている。いわゆる、袈裟懸けのような恰好をしていた。
織物の布はこの辺りではあまり見られないデザインだった。
緑と赤の玉のついたネックレスを首から下げ、両腕にはオシャレだろうか? 腕輪が何本もつけられていた。
「占いをしてくれるのは彼女かしら……」
「あら? あの方は移動民族ですね」
「そうね」
呟いた声は思ったよりも暗かった。
私は外国人を後継者にするつもりはなかった。
絶対に自分と同じ思いはさせない。
それが後継者を探し始めるにあたって心に決めたことだった。
少しだけ過去を思い出して胸を痛めているとジュストが明るく聞いてきた。
「で、誰が行く?」
「え?」
「このまま見てても進まないだろ。誰か行って見てきてもらった方が早い」
「そうですね。私が行ってきましょうか。お金も私が預かってますし。占いって、いくらくらいが相場なのでしょうね」
ほぅ、と息を吐いて悩まし気な顔をしているカーラ。
このままカーラが行く流れになりかけて、私は慌てて手を上げた。
「はい、私! 私が行くわ!」
ふたりが心配そうな目で見てくる。
「アリーチェが? 大丈夫か?」
ジュストの眉間にシワがよっている。
全く信用されてないようだ。
カーラも口には出さないけれど、ブラウンの瞳が不安そうに揺れている。
こっちにも信用されていなかった。
何故なのか。
「大丈夫よ! ちょっと占ってもらうだけだもの。危険なんてないわ」
「そうですけど……」
ちらりとカーラとジュストの視線が交わる。
どうやら視線で会話をしているらしいけど、やめて欲しい。
「私がやるって言いだしたんだから。責任持ってやり遂げるわ。いいでしょ? カーラお金ちょうだい」
「まぁ、いいですけど……」
しぶしぶ手提げから小銭を取り出して渡してくれる。
「中銀貨と小銀貨です。銅貨も渡しておきますね。路上ですから多分、小銀貨もあれば十分なはずですが、相場がわからないので払い過ぎないように気を付けてくださいね」
私はお金をほとんど触ったことがないので、カーラがとても心配してしまっている。
気を付けるってどうやって? と思ったけれど、あまり聞くとやっぱりカーラが行くと言い出しそうなので黙って頷いた。
お父さんやお兄ちゃんが商売をしていた時はどうしてたっけ?
私ははるか昔の記憶を手繰りながら占い師の女性に近づいた。
「あの、占いをしてもらえるって聞いたんですけど」
ドキドキする心臓をなだめながら、平静を装う。
勇気を出して声をかけたのに、占い師は私を一瞥するなりフィっと視線をそらしてしまった。
手でシッシッと追い払われる。
「へ?」
「占い、忙しい」
少しだけ片言だけれど聞き取りやすい。
忙しいと言われたけれど、道行く誰かが彼女に占いを頼んでる様子はない。
「ええと、占いは……」
「そう、忙しい」
私を占うつもりはないようで、全く取り合ってくれない。占い師の視線は通りを歩く人達に向いている。
こんな時お父さんはどうしていたっけ? 粘るのが良いんだっけ? 一旦帰るのがいいんだっけ?
私がおろおろと占い師を見つめていたら、何かに気が付いた彼女がさっと動いた。
「お兄さん、何か悩みあるみたいね? 占いで見てあげようか?」
占い師が声をかけたのは艶やかな絹の衣服を身に着けた、いかにもお金持ちの男性だった。
帽子には鮮やかな鳥の羽が飾られているし、胸元にはブローチ。指にも何個も指輪をしている。
後ろには若い従者も従えている。
男性は見知らぬ女性に話しかけられて煩わしそうにしていたが、素早くまわりこまれて強引に手を取られていた。
「お金持ちしかお呼びじゃないってこと……?」
嫌そうな顔をしていた男性だったが、強引な占い師の押しに負けてしまったのか話し込んでいる。占い師はもう男性との会話が終わるまで私の相手なんかしてくれないだろう。
私はがっかりした気持ちのまま、ふたりの元に戻った。
戻って来た私に労いの言葉をかけてくれるが気持ちは晴れない。
「頑張ったな」
「お疲れ様です」
「何も聞けなかったんだけど」
上手くいかなくて肩を落とす。
ジュストには、ずれたフードをなおすように頭の上から撫でられる。
励ましてくれているらしい。
「最初からなんでも上手くいくわけじゃないさ」
「ええ。少し観察してみましょう? 見ているだけでも分かることもありそうです」
カーラにふふっと笑われて、占い師を見るように促される。
見ると、男性が占い師に手を取られてにこにこと話している。
手相占いをしているのかな?
さっきまでの鬱陶しそうな姿とは大違いだ。
どんな言葉であの男性の警戒を解いたのだろう?
「あっ」
思わず声をあげる。
占い師が男性の手を離すと、たくさんあった指輪のひとつがなくなっていたからだ。
大粒の石のついたリングが。
「まさか盗んだの?」
「そのようですね」
指にあったものが抜かれてるのだ。
気が付くだろうと思っていたのに、従者に支払いをさせると男性は何事もなかったかのようにその場を去って行ってしまった。
「泥棒じゃない」
「ええ」
考えるように難しい顔をしているカーラ。
ジュストはあまり興味がなさそうな顔をしている。
「どうしよう、何かした方がいいかしら」
「そうですねぇ……」
カーラも「自警団に言った方がいいでしょうか」と呟いているが、ジュストは首を横に振っている。
まつげが青い瞳に影を作る。
「相手にされないからやめとけ。スリはこのあたりじゃ日常茶飯事だから」
「そんな」
「隙を見せている方も悪いって考えなんだよ」
「なんだか悲しいわ」
私は心に生まれた黒い影を吐き出すように小さくため息を吐いた。
「まぁ、これで一応の決着にはなったよな?」
「スリの女性を聖女にするのはちょっと……」
「占いというのも嘘だったのでしょうか?」
カーラが腕を組んで首をかしげる。
「どうだろうな。占ってもらえればわかるけれどな」
「私じゃ占ってもらえなかったわ。きっと修道女の恰好だったからお金がないと思ったのね」
「相手を選んでるんだろう。聖女をスリの標的にしなかったのは、勘が冴えてるといえなくもないな」
その物言いがおかしくて私は少し笑ってしまった。
せっかく探してくれた噂だったけれど、今回はハズレだったようだ。
まぁ、こんな近くの町ですぐに見つかるわけないわよね。
またすぐ他の何か手掛かりが見つかると思う。
私は気を取り直すとふたりを振り返った。
「じゃあ教会に戻りましょ」
「もう帰っちゃったかしら?」
「どうだろうな。人通りもまだ多いからいるかもしれないな」
町の住人の他に、旅人や巡礼者らしき人達も歩いている。
皆目的があるのか寄り道をせずに迷いなく歩いているようだった。
その中で、石壁に身を寄せて通りを眺めている女性がいた。
褐色の、肌の焼けたすらりとした痩せた女性だ。髪を布で隠すように覆っている。
服装は、頭からかぶるような踝まである白いワンピースの上から、大きな織物の布を一方の肩から斜めに他方の脇の下を通すように身に着けている。いわゆる、袈裟懸けのような恰好をしていた。
織物の布はこの辺りではあまり見られないデザインだった。
緑と赤の玉のついたネックレスを首から下げ、両腕にはオシャレだろうか? 腕輪が何本もつけられていた。
「占いをしてくれるのは彼女かしら……」
「あら? あの方は移動民族ですね」
「そうね」
呟いた声は思ったよりも暗かった。
私は外国人を後継者にするつもりはなかった。
絶対に自分と同じ思いはさせない。
それが後継者を探し始めるにあたって心に決めたことだった。
少しだけ過去を思い出して胸を痛めているとジュストが明るく聞いてきた。
「で、誰が行く?」
「え?」
「このまま見てても進まないだろ。誰か行って見てきてもらった方が早い」
「そうですね。私が行ってきましょうか。お金も私が預かってますし。占いって、いくらくらいが相場なのでしょうね」
ほぅ、と息を吐いて悩まし気な顔をしているカーラ。
このままカーラが行く流れになりかけて、私は慌てて手を上げた。
「はい、私! 私が行くわ!」
ふたりが心配そうな目で見てくる。
「アリーチェが? 大丈夫か?」
ジュストの眉間にシワがよっている。
全く信用されてないようだ。
カーラも口には出さないけれど、ブラウンの瞳が不安そうに揺れている。
こっちにも信用されていなかった。
何故なのか。
「大丈夫よ! ちょっと占ってもらうだけだもの。危険なんてないわ」
「そうですけど……」
ちらりとカーラとジュストの視線が交わる。
どうやら視線で会話をしているらしいけど、やめて欲しい。
「私がやるって言いだしたんだから。責任持ってやり遂げるわ。いいでしょ? カーラお金ちょうだい」
「まぁ、いいですけど……」
しぶしぶ手提げから小銭を取り出して渡してくれる。
「中銀貨と小銀貨です。銅貨も渡しておきますね。路上ですから多分、小銀貨もあれば十分なはずですが、相場がわからないので払い過ぎないように気を付けてくださいね」
私はお金をほとんど触ったことがないので、カーラがとても心配してしまっている。
気を付けるってどうやって? と思ったけれど、あまり聞くとやっぱりカーラが行くと言い出しそうなので黙って頷いた。
お父さんやお兄ちゃんが商売をしていた時はどうしてたっけ?
私ははるか昔の記憶を手繰りながら占い師の女性に近づいた。
「あの、占いをしてもらえるって聞いたんですけど」
ドキドキする心臓をなだめながら、平静を装う。
勇気を出して声をかけたのに、占い師は私を一瞥するなりフィっと視線をそらしてしまった。
手でシッシッと追い払われる。
「へ?」
「占い、忙しい」
少しだけ片言だけれど聞き取りやすい。
忙しいと言われたけれど、道行く誰かが彼女に占いを頼んでる様子はない。
「ええと、占いは……」
「そう、忙しい」
私を占うつもりはないようで、全く取り合ってくれない。占い師の視線は通りを歩く人達に向いている。
こんな時お父さんはどうしていたっけ? 粘るのが良いんだっけ? 一旦帰るのがいいんだっけ?
私がおろおろと占い師を見つめていたら、何かに気が付いた彼女がさっと動いた。
「お兄さん、何か悩みあるみたいね? 占いで見てあげようか?」
占い師が声をかけたのは艶やかな絹の衣服を身に着けた、いかにもお金持ちの男性だった。
帽子には鮮やかな鳥の羽が飾られているし、胸元にはブローチ。指にも何個も指輪をしている。
後ろには若い従者も従えている。
男性は見知らぬ女性に話しかけられて煩わしそうにしていたが、素早くまわりこまれて強引に手を取られていた。
「お金持ちしかお呼びじゃないってこと……?」
嫌そうな顔をしていた男性だったが、強引な占い師の押しに負けてしまったのか話し込んでいる。占い師はもう男性との会話が終わるまで私の相手なんかしてくれないだろう。
私はがっかりした気持ちのまま、ふたりの元に戻った。
戻って来た私に労いの言葉をかけてくれるが気持ちは晴れない。
「頑張ったな」
「お疲れ様です」
「何も聞けなかったんだけど」
上手くいかなくて肩を落とす。
ジュストには、ずれたフードをなおすように頭の上から撫でられる。
励ましてくれているらしい。
「最初からなんでも上手くいくわけじゃないさ」
「ええ。少し観察してみましょう? 見ているだけでも分かることもありそうです」
カーラにふふっと笑われて、占い師を見るように促される。
見ると、男性が占い師に手を取られてにこにこと話している。
手相占いをしているのかな?
さっきまでの鬱陶しそうな姿とは大違いだ。
どんな言葉であの男性の警戒を解いたのだろう?
「あっ」
思わず声をあげる。
占い師が男性の手を離すと、たくさんあった指輪のひとつがなくなっていたからだ。
大粒の石のついたリングが。
「まさか盗んだの?」
「そのようですね」
指にあったものが抜かれてるのだ。
気が付くだろうと思っていたのに、従者に支払いをさせると男性は何事もなかったかのようにその場を去って行ってしまった。
「泥棒じゃない」
「ええ」
考えるように難しい顔をしているカーラ。
ジュストはあまり興味がなさそうな顔をしている。
「どうしよう、何かした方がいいかしら」
「そうですねぇ……」
カーラも「自警団に言った方がいいでしょうか」と呟いているが、ジュストは首を横に振っている。
まつげが青い瞳に影を作る。
「相手にされないからやめとけ。スリはこのあたりじゃ日常茶飯事だから」
「そんな」
「隙を見せている方も悪いって考えなんだよ」
「なんだか悲しいわ」
私は心に生まれた黒い影を吐き出すように小さくため息を吐いた。
「まぁ、これで一応の決着にはなったよな?」
「スリの女性を聖女にするのはちょっと……」
「占いというのも嘘だったのでしょうか?」
カーラが腕を組んで首をかしげる。
「どうだろうな。占ってもらえればわかるけれどな」
「私じゃ占ってもらえなかったわ。きっと修道女の恰好だったからお金がないと思ったのね」
「相手を選んでるんだろう。聖女をスリの標的にしなかったのは、勘が冴えてるといえなくもないな」
その物言いがおかしくて私は少し笑ってしまった。
せっかく探してくれた噂だったけれど、今回はハズレだったようだ。
まぁ、こんな近くの町ですぐに見つかるわけないわよね。
またすぐ他の何か手掛かりが見つかると思う。
私は気を取り直すとふたりを振り返った。
「じゃあ教会に戻りましょ」
13
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる