君の隣の席、いいかな?

カシューナッツ

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君の隣は愉しい①《ベニテングタケ》

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図書室でしか会えない君

会うことを必要としない君

『隣いい?』

『構わないけど、本読んでるだけだぞ』


あ、このキノコ可愛いな
ドクロマークがページの隅にあるキノコを
指差して君は言った


毒きのこ
ベニテングタケ

『毒だよ?あ、身体に蓄積するって』
『げ。マジか。でも、美味しいって』
『美味しさが毒なんだって』


でも、リスや、鹿なんか、森の住人は食べるって。



『何で人は許されなかったんだろう』

君は何故か淋しそうに言った。





僕は、

『きのこが美味しいだけだったら、このきのこは絶えてしまうからだよ。紅くて可愛いから見つけやすいし』 

『凛太郎はきのこの気持ちが解るみたいだな。でもさ、俺も同じこと考えてた』



君は笑う。
僕も笑う。

とても美味しくて、可愛くて、
そして毒があって──トリップしてしまう不思議なきのこ。




夢見る紅い色は、
『僕を食べちゃ、ダメだよ』


不適に笑う、可愛い子の印。



────────────《続》
   
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