19 / 19
〖最終話〗
しおりを挟む 私も自分のスマートフォンからポイッターを開いた。月島部長と月島部長がコンタクトを取っている人間のやりとりを、こちらでも確認するために。
そして、怪しまれないように相手にダイレクトメールで連絡を入れていく。私が月島部長に紹介した人は、私が既に何度か連絡を取っている人だから、大丈夫だとは思いたいけれど、念のため。
『突然すみません。シュウさんは、私と一緒にあの男性のことを調べています。被害が広がる前に、あの男性の目的や他の人の特別スキルの奪取を阻止することが目的です。協力頂けると、とても嬉しいです。よろしくお願いします』
少しでも不審がられないように。まぁ、私がポイッター上で声をかけただけでも、気味悪がってこちらをブロックしてきた人もいたし。仕方がないことだけど、できるだけ被害者を減らしたい。だからこそ、出来る限りのことはしたいと思ってる。
もちろん、すぐに返事が来る人とそうでない人がいる。特にポイッターは相手がこちらの送った文面を読んだかどうかが判断できない。他のSNSでなら、そういった相手がこちらの送った文面を読んだか否かが分かるシステムがあるものもあるけど。
ひとしきり、私が紹介した相手にはシュウさんも連絡を入れた。私もフォローの連絡を入れた。そこで、私たちは一息ついた。
「おそらく、すぐに返事は来ないと思います」
「……だろうな。この時間帯は」
現在、14時を少し回ったところ。成人してない人ならまだ学校だろうし、成人した人なら、夜型のお仕事でない限りは、現在絶賛仕事中と思われる時間帯。
「……それでは、今のうちにできることをしておこう」
そう言って、月島部長は私に中途採用関連の書類の説明の準備を始めた。こちらが準備しないといけない手続きや書類の作成手順、作成した書類の提出予定日などをさっと決定する。
「……必要な手続きとしては、このくらいだと思う」
「ありがとうございます。他に必要な手続きがあればまた、仰っていただければ大丈夫です」
「よろしく頼む」
そう話をしていたら、私のスマートフォンと月島部長のタブレットがほぼ同時に振動する。二人とも反射的に自分の端末の画面を見つめて、端末を手に取った。
「来た」
「来ましたね」
そして同時に、そう言葉を発した。ポイッターからの通知だった。さっき月島部長と私が連絡を取っていた相手からの返信が来たことを知らせる通知だった。
そして、怪しまれないように相手にダイレクトメールで連絡を入れていく。私が月島部長に紹介した人は、私が既に何度か連絡を取っている人だから、大丈夫だとは思いたいけれど、念のため。
『突然すみません。シュウさんは、私と一緒にあの男性のことを調べています。被害が広がる前に、あの男性の目的や他の人の特別スキルの奪取を阻止することが目的です。協力頂けると、とても嬉しいです。よろしくお願いします』
少しでも不審がられないように。まぁ、私がポイッター上で声をかけただけでも、気味悪がってこちらをブロックしてきた人もいたし。仕方がないことだけど、できるだけ被害者を減らしたい。だからこそ、出来る限りのことはしたいと思ってる。
もちろん、すぐに返事が来る人とそうでない人がいる。特にポイッターは相手がこちらの送った文面を読んだかどうかが判断できない。他のSNSでなら、そういった相手がこちらの送った文面を読んだか否かが分かるシステムがあるものもあるけど。
ひとしきり、私が紹介した相手にはシュウさんも連絡を入れた。私もフォローの連絡を入れた。そこで、私たちは一息ついた。
「おそらく、すぐに返事は来ないと思います」
「……だろうな。この時間帯は」
現在、14時を少し回ったところ。成人してない人ならまだ学校だろうし、成人した人なら、夜型のお仕事でない限りは、現在絶賛仕事中と思われる時間帯。
「……それでは、今のうちにできることをしておこう」
そう言って、月島部長は私に中途採用関連の書類の説明の準備を始めた。こちらが準備しないといけない手続きや書類の作成手順、作成した書類の提出予定日などをさっと決定する。
「……必要な手続きとしては、このくらいだと思う」
「ありがとうございます。他に必要な手続きがあればまた、仰っていただければ大丈夫です」
「よろしく頼む」
そう話をしていたら、私のスマートフォンと月島部長のタブレットがほぼ同時に振動する。二人とも反射的に自分の端末の画面を見つめて、端末を手に取った。
「来た」
「来ましたね」
そして同時に、そう言葉を発した。ポイッターからの通知だった。さっき月島部長と私が連絡を取っていた相手からの返信が来たことを知らせる通知だった。
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
黒将軍と蒼薔薇の庭〖データが飛んだので改稿です。読み切り〗
カシューナッツ
恋愛
『蒼薔薇と禁忌の果実』の元になった話です。手違いでデータを飛ばしてしまったのでデータが確保できた所から記憶をたどり改稿しました。
禁忌の果実より、切ない話になっています。
一気読みのかたちになっています。
物置小屋
黒蝶
大衆娯楽
言葉にはきっと色んな力があるのだと証明したい。
けれど、もうやりたかった仕事を目指せない…。
そもそも、もう自分じゃただ読みあげることすら叶わない。
どうせ眠ってしまうなら、誰かに使ってもらおう。
──ここは、そんな作者が希望や絶望をこめた台詞や台本の物置小屋。
1人向けから演劇向けまで、色々な種類のものを書いていきます。
時々、書くかどうか迷っている物語もあげるかもしれません。
使いたいものがあれば声をかけてください。
リクエスト、常時受け付けます。
お断りさせていただく場合もありますが、できるだけやってみますので読みたい話を教えていただけると嬉しいです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
Fly high 〜勘違いから始まる恋〜
吉野 那生
恋愛
平凡なOLとやさぐれ御曹司のオフィスラブ。
ゲレンデで助けてくれた人は取引先の社長 神崎・R・聡一郎だった。
奇跡的に再会を果たした直後、職を失い…彼の秘書となる本城 美月。
なんの資格も取り柄もない美月にとって、そこは居心地の良い場所ではなかったけれど…。

思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
マンドラゴラの娘
まさみ
ホラー
植物学者の父親と大きな屋敷に暮らす13歳の少女、ミラ。
学校へ行くのを禁じられ退屈していたミラは庭師見習いの少年・デュークと仲良くなるが、ある日突然彼が蒸発。
「裏庭の温室に行ってはいけないよ」
父の戒めに隠されたおぞましい秘密とは。
(ホラー/洋風)
イラスト:ハルキ(@haruki_358)様 宮菜(@miyanamiya38)様

過労薬師です。冷酷無慈悲と噂の騎士様に心配されるようになりました。
黒猫とと
恋愛
王都西区で薬師として働くソフィアは毎日大忙し。かかりつけ薬師として常備薬の準備や急患の対応をたった1人でこなしている。
明るく振舞っているが、完全なるブラック企業と化している。
そんな過労薬師の元には冷徹無慈悲と噂の騎士様が差し入れを持って訪ねてくる。
………何でこんな事になったっけ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる