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いつもの君に恋してる《白亜編》
仲直り。魔法使いは秀英《34》
しおりを挟む『白亜、だよ。可愛いな。ごめんな。みーんな俺が悪い。あのきっかけは俺なんだから。白亜がひとりぼっちで弁当食うようになったのも俺のせいなんだから』
『琥太郎、琥太郎の馬鹿!好きだよ。だから傍にいてよ!寂しかったよ!切なかったよ。お弁当、一緒に食べたかったよ!』
『俺、家庭科の先生に言われたんだ。実技は小1レベルって。大声で『自信がない』って言ったのは、弁当を作る自信。お前とやり直したいけど、自信はないな。あれだけのことした。手首つかんだ。唯彦が先生に泣きついたら白亜が悪者にされるって。言い訳だけど、ごめん』
しょんぼり尻尾をたれる秋田犬。そんな目でみないで。みんな許したくなる。
『琥太郎。お弁当なら僕がいくらでも作ってあげるよ。なるべく豪華にするよ。家の畑の朝採りアスパラで、アスパラのベーコン巻きでも作ってあげる。それから、それから………』
《涙目で、琥太郎を見つめる瞳が可愛い。唯彦よりも綺麗だし可愛いよ。琥太郎と仲直りできて良かったね》
秀英は保護者のようにそう思ってしまう。
《真一は幼馴染み。まあ、真一の彼氏と白亜は相性が良くないのでシカトということで、唯彦と真一は自由恋愛中って言うことで》
『はい、出来上がり』
ばさっと、ポンチョのような布をとる。切られた髪がはらはら床に散る。
『かなり、変わるね』
何だか照れ臭くて、僕は頬を人差し指で掻いた。
セットのしかたを教わり、秀英に、バームを3つももらう。
『どうして?』
『それは白亜がお姫様みたいに可愛くて、賢いからさ』
自分の生きる道を切り開いて目的地に着く。中々できない。
ここにいる三人、白亜がデブの髭もじゃのおっさんになっても、白亜が好きだから。変わらないものってあるよ。
『あれ、唯彦くんは?』
ドアの奥から何か気配がした。この美容院は玄関、廊下があって、ドアがあってフロアだ。
開けて見てみると、唯彦が体育座りで泣いていた。
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