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いつもの君に恋してる《白亜編》
僕は、必要ないんだ……《28》
しおりを挟む真ちゃんは見せたことがないくらい険しい顔して、
「白亜、TPO!」
「僕の大切なもの全部奪ったやつと仲良くお昼食べて、挙げ句そいつ庇うんだ。真ちゃんもあいつの味方なんだ。あいつ琥太郎狙いじゃなかったの?真ちゃん狙い?まあ、最初はお弁当でせめてくるってさ」
「白亜らしくない!」
困った顔も、反論も、全部あいつのせい。
僕のことは気にかけてもくれない。
僕は真ちゃんにも必要ないの?琥太郎が僕を切り捨てたように、真ちゃんも僕を捨てるの?
こんな思いをした人がいっぱいいたんだろうな。関係を踏みにじって飽きたらポイ。もう、修復不可能にするくらいボロボロにしてから。
「僕らしいって何?いつもニコニコ明るく笑っていればいいの?どうしようか。優秀な生徒が切磋琢磨しているのを邪魔して、友情を色仕掛けで打ち砕く、こんくらい言ったら生徒指導部も動くかな。琥太郎もあいつも生徒会役員だけど、指導部に逆らったら折角内申のために入った面倒なだけの生徒会が意味なくなるね。馬鹿みたい」
いつも通り一人で食べよう。誰もいらない。
「屋上で食べる。真ちゃんもあいつも琥太郎も大嫌いだよ。消えて欲しい。僕は消えてしまいたいって3日間飲まず食わずで原因不明の熱をだして泣いて暮らした。思ったよ、僕の世界から消えるのはあいつだって。僕の、僕の琥太郎との十年を返してよ。返せ!」
つかつかと、ドア近くの唯彦に歩みより、僕は唯彦に、おもいっきり頬を張った、一発は入った。二発目はカウンターを食らって脳震盪で倒れて意識を失った。
「こたろ、何でここにいるの……?」
……………………………………………………
「近衛!お前、少しでも手のひらが首もとだったら九条は頸椎やられてたぞ。いくら後輩可愛さとはいえ、下手したら九条、死んでるぞ!頭使って考えろ!」
「二条、手首強く握りすぎだ。真っ赤だ。もう少しで九条の骨が折れてもおかしくない!お前らどうした。仲良くしろよ。」
………………………………………………………
「二人とも、あとなんでここに唯彦くんいるの?帰れよ」
目をつむっているのに頭が冴々する
「今何時?」
「6時、だけど、」
琥太郎が言う。外はもう暗い。
「……そうだ、僕、お弁当………食べて、なかった………」
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