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いつもの君に恋してる《白亜編》
真ちゃんまで……信じてたのに!《27》
しおりを挟む琥太郎と別れた………くないけど、琥太郎が別れたいと思っている僕は、昼食を一人屋上で食べていた。
雨が降ったら踊り場だった。
五時間目を終えてのいつもの屋上へ行くルート。誰かに頼りたくないと思っていたけどたまたまいた真ちゃんに声をかけた。
「真ちゃん………一緒にご飯食べない?」
僕は、しおれた白菜みたいな声で言った。
惨めだな。今日もつい習慣で作っちゃった。
二列離れた、琥太郎の席。もう、随分、まともに話なんかしてない。
今まで琥太郎にどれだけ依存してきたか解る。
「お弁当、二人分あるんだ。真ちゃん、パンでしょ?あ、食べる人いたんだ、───ごめん、何でもない」
目の端に映ったのは、唯彦くん。
唯彦くんの「真一先輩!」と笑いながら手を振る姿を見て、気分が萎えた。
琥太郎が好きじゃなかったのかよ。
笑って、てことは真ちゃんとくっついたことだよな。
真ちゃんまで、か。真ちゃんもあいつの美味しいお弁当食べたのかな。僕は所詮、庶民のお弁当だもんね。
「白亜、どうした?」
「別に。唯彦くんと仲良いんだね。あの子、琥太郎が好きじゃなかったんだ。もうキスくらいされたの?別にもうどうでもいいけど。琥太郎も、真ちゃんも。そのうちベッドのお誘いも受けるんじゃない?頑張ってね。まあ、好きにすれば?真ちゃんの心にも、僕はいないんだし。真ちゃんもさ、ご自慢のズッキーニも使いがいあるんじゃない?あの子、何十組ってカップルぶっ壊して楽しんでたんでしょ?あっちの経験も豊富でしょ?良かったじゃない。クラスの七不思議の『真ちゃんの好きなヒト』は可哀相だけど。まあ、あんなケツの軽い奴に真ちゃんも簡単に鞍替えするんだから、真ちゃんの想いも大した想いじゃなかったってことだよね」
どんどん自分の口からトゲのある言葉しかでなくなる。
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